医療一般|page:1

eGFR slopeは腎予後と有意に関連/慈恵医大

 大規模な日本人IgA腎症コホートにおいて、腎機能の経時的変化を示すeGFR slopeと腎予後との関連性を検討した結果、eGFR slopeの悪化は腎予後不良と有意に関連し、独立した予測因子となる可能性が示された。東京慈恵会医科大学の佐々木 峻也氏らによる報告で、Nephrology Dialysis Transplantation誌オンライン版2026年4月16日号に掲載された。  IgA腎症は進行速度の個人差が大きく、長期予後の評価には時間を要する。そのため、早期に予後を反映する代替エンドポイントは長期的な転帰を理解するうえで重要である。

アルツハイマー病に対する9種の薬物療法の有効性比較〜ネットワークメタ解析

 依然として、アルツハイマー病は世界的な課題である。近年、アルツハイマー病に対する新規薬物療法が次々と承認されているが、これらの薬剤の認知機能に対する有効性の違いは、明らかになっていない。英国・Imperial College LondonのShanshan Huang氏らは、ネットワークメタ解析を用いて、アルツハイマー病患者における主要な認知機能アウトカムについて、プラセボと比較した9種類の薬物療法の有効性に関してランキングを行った。Journal of Alzheimer's Disease Reports誌2026年2月6日号の報告。

医師の働き方改革後、労働時間と収入はどう変わった?/医師1,000人アンケート

 ケアネットは2026年3月、会員医師1,000人を対象に「年収に関するアンケート」を実施した。最後の質問では、2024年4月からスタートした「医師の働き方改革」以降で、年収と労働時間がどう変化したかについて尋ねた。  2024年度以降の年収の変化では、「変わらない」が73%、「増えた」が9%、「減った」が18%だった。年代別では、「年収が増えた」の割合は35歳以下では14%、36~45歳では16%だった一方で、56~65歳は5%、66歳以上は1%と、年代が上がるにつれて減る傾向だった。若手は職位変化や専門医取得などの昇給機会が多いのに対し、ベテラン医師はそうした機会が少なく、体力面からアルバイト・副業なども減らす傾向にあることが背景にあるようだ。同様に「年収が減った」との回答割合も高齢層になるほど高かった。

移植患者に対するワクチン接種/日本造血・免疫細胞療法学会

 造血幹細胞移植後の患者において、ワクチン接種は感染症予防のための重要な手段となる。しかし、免疫再構築の個別性やワクチン免疫原性の低下、さらには費用・制度面の課題などにより、実臨床における実装状況には施設間差が見られる。  2026年2月27日~3月1日に開催された第48回日本造血・免疫細胞療法学会総会では、「移植患者に対するワクチン接種」をテーマとしたシンポジウムが企画され、国内実態調査、優先度の高い予防接種の科学的根拠、実臨床における運用体制という3つの視点から、移植後ワクチン接種の現状と課題が提示された。

米国のCOVID-19死亡数、過小評価の可能性

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック初期における米国での実際の死亡数は、公式発表よりも大幅に多かった可能性が新たな研究で示唆された。2020年から2021年にかけて、COVID-19関連死亡のうち、最大で約15万5,000人分が見逃されていた可能性が示されたという。同期間に死亡診断書に記録されたCOVID-19による死亡数は約84万人であることから、今回の推計に基づくと、関連死亡の約19%がカウントされていなかったことになる。米ミネソタ大学社会学准教授のElizabeth Wrigley-Field氏らによるこの研究の詳細は、「Science Advances」3月20日号に掲載された。

食後高血糖がアルツハイマー型認知症のリスクと関連

 食後高血糖がアルツハイマー型認知症のリスクを高める可能性があることを示すデータが報告された。この関連性は、全脳体積や白質の変化では説明できないものだという。英リバプール大学のAndrew C. Mason氏らの研究の結果であり、詳細は「Diabetes, Obesity and Metabolism」に12月12日掲載された。 疫学研究により、高血糖、2型糖尿病、インスリン抵抗性などが、認知症リスクの上昇を含む脳の健康状態の悪化と関連することが示されている。しかし、そのメカニズムには不明点が多く、直接的な因果関係が存在するかどうかも明らかでない。一方、近年では空腹時血糖値、空腹時インスリン値、糖負荷2時間後血糖値(2hPG)といった糖代謝関連指標について、遺伝的背景との関係を検討することが可能となってきている。

Z薬の使用と全死亡率との関係~メタ解析

 ゾルピデム、エスゾピクロン、ゾピクロン、zaleplonなどの非ベンゾジアゼピン系睡眠薬であるZ薬は、世界中の不眠症患者に広く用いられている。Z薬は、ベンゾジアゼピン系薬剤よりも安全性が高いと考えられてきたが、いくつかの研究においてZ薬の副作用についての議論が巻き起こっている。韓国・慶北大学校のJi-Yeon Park氏らは、Z薬と全死因死亡率との関連性を評価するため、観察コホート研究のメタ解析を実施した。Neuropsychiatric Disease and Treatment誌2006年1月23日号の報告。  2025年3月14日までに報告された観察コホート研究をPubMed、Embase、Scopusより検索し、メタ解析を実施した。研究対象集団は臨床患者であった。

高齢者の貧血で認知症発症リスクが約1.66倍に上昇

 貧血は認知症発症リスクの上昇と関連することが知られているが、アルツハイマー病(AD)に関連する血液バイオマーカーとの関係は十分に明らかではなかった。今回、認知症を発症していない高齢者を対象としたコホート研究において、貧血は横断的にADバイオマーカー値の上昇と関連し、縦断的には認知症発症リスクの上昇と関連していたことを、スウェーデン・カロリンスカ研究所/ストックホルム大学のMartina Valletta氏らが明らかにした。JAMA Network Open誌2026年4月17日号掲載の報告。

CD19-CAR-T細胞療法/日本造血・免疫細胞療法学会

 CD19キメラ抗原受容体T(CD19-CAR-T)細胞療法は、再発・難治性B細胞性悪性腫瘍に対する革新的な細胞免疫療法であり、急性リンパ芽球性白血病(ALL)や大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)を中心に臨床実装が進んでいる。  2026年2月27日~3月1日に開催された第48回日本造血・免疫細胞療法学会総会では、「CD19-CAR-T細胞療法」をテーマとしたシンポジウムが開催され、ALLやLBCLに対する治療の進化と課題、さらに治療アクセスの課題などを含めた包括的な議論が展開された。CD19-CAR-T細胞療法はすでに重要な治療選択肢として位置付けられている中で、その治療最適化に伴い、治療戦略の再設計や医療提供体制の整備などが同時に求められる段階に入っていることが示された。

生菌製剤と食物繊維、肺がんに対するICIの効果を増強か/日本呼吸器学会

 がん免疫療法において腸内細菌叢へのアプローチが注目されている。近年、生菌製剤として用いられる酪酸菌Clostridium butyricum MIYAIRI 588株(以下、CBM588)が、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)を用いた進行肺がん患者の全生存期間(OS)の延長と関連していたことが、後ろ向き研究で報告されている1)。また、腎細胞がんでは、無作為化比較試験においても、CBM588がICIによる治療を受ける患者の無増悪生存期間や奏効率の改善に寄与する可能性が示唆されている2,3)。そこで、本邦においても、CBM588の使用の有無と食物繊維の摂取量がICIの効果に及ぼす影響について、前向き観察研究での検討が実施された。

腹部脂肪は心不全リスクと関連/AHA

 心不全リスクを知りたいのなら、BMIではなく腹部脂肪に注目する必要があるようだ。新たな研究で、腰回りに蓄積された脂肪は、身長と体重から算出されるBMIよりも心不全リスクとの関連が強いことが明らかになった。国立陽明交通大学(台湾)のSzu-Han Chen氏らによるこの研究結果は、米国心臓協会(AHA)の疫学・生活習慣科学セッション(EPI/Lifestyle Scientific Sessions 2026、3月17~20日、米ボストン)で発表された。Chen氏は、「この結果は、体重は正常範囲でも心不全を発症する人がいる理由を理解する手がかりになる」と述べている。

若年女性で膵がん増加の兆候~日本全国データ解析

 膵がんは依然として予後不良ながんの一つであり、その発症動向の変化が注目されている。今回、日本の全国データを解析した研究で、若い女性における膵がん罹患率の上昇を示す兆候が確認された。また、高齢者では膵体尾部切除を中心に膵がんの手術件数が増加していることも明らかになった。研究は、稲毛病院整形外科の城戸優充氏、京都府立医科大学外科学教室消化器外科学部門の森村玲氏らによるもので、詳細は「Annals of Gastroenterological Surgery」に1月22日付でオンライン掲載された。

在宅医療・介護の場で見逃してはいけない骨粗鬆症/日本シグマックス

 整形外科領域などで衛生材料や診療機器、サポーターなどの開発・販売を行う日本シグマックスは、2026年3月24日に都内で「在宅医療・介護で見過ごされがちな『骨粗鬆症』リスクと転倒・骨折予防の重要性」をテーマにメディアセミナーを開催した。  骨粗鬆症は自覚症状に乏しく、発見が遅れがちな疾患であり、転倒・骨折をきっかけに要介護へ移行するケースも多く、医療・介護双方で課題となっている。同社の代表取締役社長の鈴木 洋輔氏は、これらの課題の解決に「超音波医療機器の開発や機械の小型化といった知識の導入により、治療に貢献する製品を研究開発していく」と展望を述べている。

双極症患者の食事の質、うつ病患者や健康対照者との違いは?

 双極症患者は、心血管疾患を発症するリスクが高いことが知られている。欧米型の食生活は、双極症患者における心血管疾患リスクを上昇させるという仮説が立てられている。しかし、双極症患者における食習慣については、これまで十分に研究されていなかった。オランダ・Leiden University Medical CentreのMirjam A. Riedinger氏らは、双極症患者、単極性うつ病患者、寛解期の単極性うつ病患者、健康対照者における食事の質を評価するため、大規模コホートによる検討を行った。Bipolar Disorders誌2026年5月号の報告。

がん患者、24時間以内の死亡予測は可能か

 角膜反射の消失は、末期がん患者において24時間以内に死が差し迫っていることを示す特異的かつ臨床的に有用な徴候であることを韓国・Gyeongsang National University Changwon HospitalのSe-Il Go氏らが明らかにした。BMJ Supportive and Palliative Care誌2026年2月27日号掲載の報告。  研究者らは、末期がん患者における24時間以内の死亡を予測する上で、角膜反射の予後予測的意義を評価することを目的として前向き観察研究を実施。Gyeongsang National University Changwon Hospitalのホスピスセンターに入院し、死期が迫っている進行がん患者665例の分析を行った。

加齢観が健康改善に関連、高齢者の約半数で機能向上

 加齢は、身体的な衰退や認知機能の低下とイコールだと捉えられやすい。しかし新たな研究によると、高齢者でも心構え次第で歳とともに健康状態が改善するケースが少なくないことが示唆された。米イェール大学公衆衛生大学院のBecca Levy氏らが、米国健康・退職研究(Health and Retirement Study;HRS)のデータを解析して明らかにしたもので、詳細は「Geriatrics」に3月4日掲載された。  HRSは米国立加齢研究所のサポートにより、50歳以上の米国民を対象に隔年で実施されている長期追跡調査。

GLP-1受容体作動薬、減量後は注射頻度減でも体重維持の可能性

 肥満症治療のためにGLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)を使用している患者が同薬の使用を中止すると、体重が元に戻ってしまうことが多いが、中止ではなく注射の頻度を減らした場合は減量効果が維持できる可能性があるとする米スクリップスクリニックのMitch Biermann氏らによる研究が、「Obesity」に2月24日掲載された。  GLP-1RAの注射頻度を減らすという試みは、Biermann氏が同院の患者たちの間に共通するパターンがあることに気付いたことから始まった。何人かの患者が当初は毎週注射していたが、途中から間隔を空けて注射するようにしたところ、それでも体重の減少を維持できたと話していたという。

インフリキシマブとエタネルセプト、重大な副作用が追加/厚労省

 2026年4月21日、厚生労働省より添付文書の改訂指示が発出され、インフリキシマブ(商品名:レミケードほか)とエタネルセプト(同:エンブレルほか)の重大な副作用の項に「自己免疫性肝炎」が追加された。  また、低カルシウム血症の治療などに用いるグルコン酸カルシウム水和物(同:カルチコール注射液8.5%5mLほか)と塩化カルシウム水和物(同:大塚塩カル注2%、塩化カルシウム注2%「NP」)においては、禁忌と併用禁忌が削除され、併用注意が新設された。

日本の実臨床におけるCGRP関連抗体の長期有効性と治療順守

 カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)関連抗体は、片頭痛予防に有効である。しかし、実臨床における1年を超えるデータは限られている。獨協医科大学の鈴木 圭輔氏らは、日本における片頭痛患者における3つのCGRP関連抗体の長期有効性を評価するため、単施設レトロスペクティブ観察コホート研究を実施した。European Journal of Neurology誌2026年3月号の報告。  対象は、獨協医科大学病院の頭痛外来において、2022年4月~2025年2月にCGRP関連抗体(エレヌマブ、ガルカネズマブ、フレマネズマブ)を3ヵ月以上投与した片頭痛患者307例。

がん薬物療法における皮下注射剤の可能性/日本臨床腫瘍学会

 近年、がん薬物療法領域での皮下注射剤の活用が広がっている。2026年度診療報酬改定では外来腫瘍化学療法診療料への皮下注製剤の加算も認められる見通しとなった。第23回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2026)では、腫瘍内科医、薬剤師、緩和ケア医、看護師、制度申請者の立場から、皮下注射の現状と課題が多角的に論じられた。  大阪大学の吉波 哲大氏は、腫瘍内科医の立場からがん薬物療法における「時間毒性」の概念を提示した。がん薬物療法においては、骨髄抑制や悪心などの従来型有害事象に加え、経済毒性が近年注目されている。吉波氏は見落とされやすいもう1つの側面として「時間毒性」の重要性を訴える。