PCOS、体外受精前のビタミンD補充で出生率は向上せず/BMJ

提供元:ケアネット

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公開日:2026/02/27

 

 体外受精を予定している多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)患者において、ビタミンD補充(4,000 IU/日)の最長90日間の継続は、プラセボと比較して血清中25-ヒドロキシ(OH)ビタミンD濃度(25-OHD)を上昇させるものの、初回胚移植後の出生率は改善しなかった。中国・浙江大学のKai-Lun Hu氏らVitD-PCOS trial groupが、同国の不妊治療センター24施設において実施した無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験の結果を報告した。観察研究では、PCOSの女性におけるビタミンD欠乏と生殖アウトカム不良との関連が一貫して示されており、先行研究でビタミンD補充が体外受精に有益な効果をもたらす可能性があることが小規模な検出力不足の臨床試験において示唆されていた。今回の結果は、体外受精を受けるPCOSの女性における補助療法としてのビタミンD補充の日常的な使用に疑問を投げ掛けるものである。BMJ誌2026年2月17日号掲載の報告。

体外受精を予定しているPCOS患者が対象、ビタミンD補充とプラセボに無作為化

 研究グループは、ロッテルダム基準に基づきPCOSと診断され、自己卵子での体外受精を予定している20~42歳の患者を、ビタミンD群またはプラセボ群に1対1の割合で無作為に割り付けた。3回以上の体外受精失敗歴がある女性などは除外した。

 ビタミンD群では、体外受精開始前からトリガー日まで最大90日間、ビタミンDを 4,000 IU/日(1カプセル当たり800 IU、1日1回5カプセル)投与した。プラセボ群では同期間、プラセボカプセルを1日1回5カプセル投与した。

 主要アウトカムは初回胚移植後の生児出生、副次アウトカムはトリガー日および妊娠検査日における血清25-OHDおよび妊娠アウトカムなど、安全性アウトカムは中等度または重症卵巣過剰刺激症候群などであった。

生児出生率は52.0%vs.50.2%で有意差なし

 2020年10月15日~2022年2月19日に1,272例がスクリーニングされ、876例が無作為化された。このうち、同意撤回などを除く865例が解析対象集団となった(ビタミンD群435例、プラセボ群430例)。

 ベースラインの血清25-OHD平均値はビタミンD群16.5±7.2ng/mL、プラセボ群16.1±6.7ng/mLで、トリガー日にはビタミンD群がプラセボ群より有意に高値であった(32.3±11.2ng/mL vs.18.2±7.6ng/mL、補正後平均群間差:13.6、95%信頼区間[CI]:10.9~16.3)。

 主要アウトカムである生児出生数は、ビタミンD群で226例(52.0%)、プラセボ群で216例(50.2%)であった(補正後リスク比:1.03、95%CI:0.91~1.18)。

 妊娠検査陽性率、臨床妊娠率、妊娠継続率、ならびに無作為化後6ヵ月時および12ヵ月時の累積生児出生率に、両群間で統計学的な有意差は認められなかった。

 重症の卵巣過剰刺激症候群は、ビタミンD群で3例、プラセボ群で6例に発生した(補正後リスク群間差:-0.7%、95%CI:-2.0~0.6)。

(ケアネット)