レイヘルスワーカー(補助的医療従事者)主導による症状評価の介入は、急性期医療の利用を減少させるために広く実現可能なアプローチとなりうることが、米国・スタンフォード大学のManali I. Patel氏らがカリフォルニア州とアリゾナ州の地域がん外来クリニック43施設で実施した無作為化臨床試験の結果で示された。高齢者において、がん症状に対する治療は十分にされていないことが多い。一方で、効果的な早期発見および介入も限定的なままであった。JAMA誌オンライン版2025年12月30日号掲載の報告。
75歳以上のがん患者、レイヘルスワーカー介入vs.通常ケアで急性期医療の利用を比較
本検討は、固形がんまたは血液がんの新規診断または画像検査や生検により確認された新規再発・進行がんを有する75歳以上のメディケアアドバンテージ受給者を対象に行われた。
保険請求データを用い、参加施設において2週間以内にがん治療を受ける予定の患者を特定して、電子カルテで適格性をスクリーニングし電話で同意を得た後、症状評価+通常ケア群(症状評価群)と通常ケア群(対照群)に1対1の割合で無作為に割り付け、12ヵ月間追跡調査を行った。研究者、臨床医、統計解析担当者は割り付けに関して盲検化された。
症状評価群では、通常ケアに加えて、レイヘルスワーカーがエドモントン症状評価システムを用いて電話による症状評価を、転移のあるがん・化学療法中・症状スコアが4以上の患者については週1回、それ以外は月1回行い、症状評価で症状スコアが4以上または2点以上悪化した場合は、同日中にadvanced practice practitioner(APP、registered nurse practitioner[登録ナースプラクティショナー:NP]またはフィジシャンアシスタント:PAのいずれか)に照会し、必要な介入が行われた。
主要アウトカムは、試験登録後12ヵ月以内の救急外来受診および入院とした。副次アウトカムは、総医療費、ホスピスの利用、12ヵ月以内に死亡した患者における死亡前30日間の救急外来受診および入院、ホスピスの利用、急性期病院での死亡とした。
介入により、救急外来受診、入院、総医療費が減少
2020年11月~2023年10月に416例が登録された(データ解析は2024年12月12日~2025年2月15日)。年齢中央値は82歳(範囲:75~99)、男性219例(52.6%)、Stage4が171例(41.1%)、再発が27例(6.4%)であった。リスク調整因子の平均スコアは2.70(SD 1.77)であった。
症状評価群は対照群と比較し、救急外来受診のオッズが53%低く(救急外来受診回数1回以上:61例[30.5%]vs.103例[47.7%]、補正後オッズ比[OR]:0.47、95%信頼区間[CI]:0.32~0.71)、入院のオッズは68%低く(入院回数1回以上:37例[18.5%]vs.86例[39.8%]、OR:0.32、95%CI:0.20~0.51)、患者1人当たりの平均総医療費が1万2,000ドル低かった(p=0.01)。
12ヵ月の追跡期間中に142例(各群71例)が死亡した。症状評価群では、死亡前30日以内の救急外来受診のオッズが68%低く(OR:0.32、95%CI:0.12~0.88)、急性期病院での死亡オッズは75%低下した(OR:0.25、95%CI:0.08~0.77)。
(医学ライター 吉尾 幸恵)