CIED留置後感染予防、生体吸収性抗菌薬溶出メッシュが有益/NEJM

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CIED留置後感染予防、生体吸収性抗菌薬溶出メッシュが有益/NEJMのイメージ

 心臓植込み型電気デバイス(CIED)留置後の感染症を予防するための、CIEDを包む生体吸収性抗菌薬溶出メッシュの安全性と有効性を評価した、米国・クリーブランド・クリニックのKhaldoun G. Tarakji氏らによる無作為化比較臨床試験「Worldwide Randomized Antibiotic Envelope Infection Prevention Trial:WRAP-IT」の結果が示された。抗菌薬溶出メッシュの使用により、標準ケアによる感染予防戦略のみの実施と比較し、合併症の発生が増加することなく、重大なCIED感染症の発生が有意に低下したという。CIED留置後の感染症はその後の病的状態や死亡と関連しているが、術前抗菌薬投与以外に感染症を予防する方法に関するエビデンスは限定的であった。NEJM誌オンライン版2019年3月17日号掲載の報告。

約7,000例を、抗菌薬溶出メッシュ使用あり/なしに無作為化
 研究グループは、CIEDポケットの再建、ジェネレーター取り換え、除細動機能付き両心室ペースメーカのシステムのアップグレード・初回留置を実施する患者を、抗菌薬溶出メッシュ使用群または非使用群に1対1の割合で無作為に割り付けた。感染症予防のための標準ケア(術前の抗菌薬静脈投与および滅菌技術)は、全患者に対して行った。

 主要評価項目は、CIED留置術後12ヵ月以内の、システム除去/再建を要する感染症、感染症再発を伴う長期抗菌薬療法ならびに死亡とし、安全性の副次評価項目は12ヵ月以内の施術関連またはシステム関連の合併症で、Cox比例ハザードモデルを用いて解析した。

 計6,983例の患者が登録された(使用群3,495例、非使用群3,488例)。

抗菌薬溶出メッシュ使用で重大なCIED関連感染症の発生が約40%低下
 主要評価項目の発生は、使用群25例、非使用群42例で確認された(12ヵ月Kaplan-Meier推定イベント発生率はそれぞれ0.7%、1.2%、ハザード比[HR]:0.60[95%信頼区間[CI]:0.36~0.98]、p=0.04)。安全性に関する副次評価項目は、使用群201例、非使用群236例で発生した(12ヵ月Kaplan-Meier推定イベント発生率はそれぞれ6.0%、6.9%、HR:0.87[95%CI:0.72~1.06]、非劣性のp<0.001)。

 平均(±SD)追跡調査期間は、20.7±8.5ヵ月であった。追跡期間全体を通して、重大なCIED関連感染症は、使用群32例、非使用群51例で確認された(HR:0.63、95%CI:0.40~0.98)。

 なお、著者は、抗菌薬の感受性に関するデータが不足していること、周術期および術後の抗菌薬使用などの感染予防戦略の比較はしていないことなどを研究の限界として挙げている。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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コメンテーター : 許 俊鋭( きょ しゅんえい ) 氏

東京都健康長寿医療センター センター長

J-CLEAR評議員

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