第13回 全医師必携【Dr.倉原の“俺の本棚”】

  • 公開日:2019/01/11
企画・制作ケアネット

ほかのドクターがどんな本を読んでいるのか、気になりませんか?CareNet.com “おどろき”医学論文が好評の呼吸器内科医 倉原優氏が、自身の本棚から「これは!」とウナる本を毎月1冊ピックアップ。思わず読みたくなる“医書”を紹介します。

※紹介する書籍は倉原氏個人の選書です。ケアネットが推薦するものではありません。

【第13回】全医師必携

少し昔話をしましょう。私は洛和会音羽病院というところで初期研修を受けたのですが、総合診療科や救急が非常に活発で、抗菌薬の勉強についても、良い意味でとても厳格でした。私たちは毎日のように救命センターの端でGram染色をして、お気に入りのスライドは検査科で固定してもらって自分のデスクにコレクションしていました。スライドを入れるケースまで買ったりして、昆虫標本を集める子供のような目をしていました。私の医師人生で、一番感染症にアツかったのがあの頃かもしれません。青春。

※…あれって今やったら怒られるんじゃないかな、知らんけど。

『抗菌薬の考え方、使い方 ver.4』

岩田 健太郎/著. 中外医学社. 2018

私がレジデントの頃、感染症といえば岩田 健太郎先生でした(今でも圧倒的にそうなのですが)。岩田先生の『Dr.岩田の感染症アップグレード-抗菌薬シリーズ-』(ケアネットDVD)はレジデント同士で奪い合いながら全部見ました。岩田先生の素晴らしいところは、医学書を教科書ではなく読み物にしたところなのです。それまでの医学書は堅苦しくて読みづらいものばかりでした。しかし岩田先生の本は、レジデントにとって親しみやすい口語体で書かれており、研修医時代は『抗菌薬の考え方、使い方』の第1版と第2版を非常に重宝しました。隅々まで読んで、ボロボロにしました。

今や、『抗菌薬の考え方、使い方』も第4版(ver.4)になりました。ひえー、私も歳を取りました。Gram染色なんて、もうほとんどしていませんし(技師さんがテキパキやってくれるので…)、感染症診療も呼吸器感染症に偏っており、他臓器感染症の診療とはやや疎遠になりつつあります。それでも、感染症診療のベーシックな部分は忘れたくないと思い、『抗菌薬の考え方、使い方』は毎版読ませていただいているのです。読むたびに新しい発見があります。

私のような「岩田感染症」で育った中堅医師は多いでしょう。そして、このシリーズのおかげで、現在の日本の感染症診療があると言っても過言ではないのです。逆にこの本がなかったら、日本の感染症診療はどうなっていたことか!

手に取るとわかりますが、第4版(ver.4)はものすごく分厚いです。だって500ページ以上あるんですから。すべての医師が読むべき一冊ですよ。

『抗菌薬の考え方、使い方 ver.4』

岩田 健太郎/著
出版社名
中外医学社
定価
本体4,000円+税
サイズ
A5判
刊行年
2018年

倉原 優 ( くらはら ゆう ) 氏近畿中央呼吸器センター

[略歴]

2006年滋賀医大卒業。洛和会音羽病院を経て08年から現職。

自身のブログ「呼吸器内科医」では医学論文の和訳や医療エッセーを執筆。

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