テロメア長は細胞老化の指標であり、重度の精神疾患患者は一般集団よりもテロメア長が短い傾向にある。コーヒーの摂取は、酸化ストレスを軽減し、テロメア長の短縮などの生物学的老化プロセスの予防に役立つ可能性があるといわれている。英国国民保健サービスは、1日のカフェイン摂取量を400mg(コーヒー4杯分)に制限することを推奨している。しかし、精神疾患患者におけるコーヒー摂取とテロメア長の役割は、依然として明らかではなかった。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのVid Mlakar氏らは、重度の精神疾患におけるコーヒー摂取とテロメア長との関連を評価するため、横断的研究を実施した。BMJ Mental Health誌2025年11月25日号の報告。
対象は、ノルウェーTOP研究に参加した精神疾患患者436例(統合失調スペクトラム症:259例、感情障害:177例)。白血球テロメア長は、血液からリアルタイムPCR(qPCR)を用いて測定した。コーヒー摂取量は、患者の自己申告により評価し、1日当たりのカップ数(0杯、1~2杯、3~4杯、5杯以上)で定量化した。
主な結果は以下のとおり。
・テロメア長とコーヒー摂取量の間に逆J字型が認められた。1日3~4杯でピークに達し、4杯を超えると減少した(F=3.29、p=0.02)。
・テロメア長の差が最も長かったのは、推奨最高用量を摂取した患者と非摂取者の間であった(F=6.13、p=0.01)。
・推奨用量内でコーヒーを摂取した患者は、交絡因子調整後、テロメア長が長かった。これは、生物学的年齢の5歳若い状態に相当する値であった。
著者らは「推奨用量内でのコーヒー摂取は、重度の精神疾患におけるテロメア長と関連しており、生物学的年齢の5歳若返りに匹敵する値が示された」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)