統合失調症に対する抗炎症薬の有用性~メタ解析

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ケアネット

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 統合失調症では、脳の炎症誘発性状態の傾向が重要な役割を担っているとのエビデンスが蓄積されつつある。この傾向を代償するうえで、抗炎症薬は有用である可能性がある。オランダ・Academic Medical CenterのN. Cakici氏らは、統合失調症に対するいくつかの抗炎症作用を有する薬剤の有効性に関するランダム化比較試験(RCT)の最新情報について、メタ解析を実施した。Psychological Medicine誌2019年10月号の報告。

 PubMed、Embase、the National Institutes of Health website、the Cochrane Database of Systematic Reviewsより、臨床結果を調査したRCTをシステマティックに検索した。

 主な結果は以下のとおり。

・症状の重症度に関連する、次の薬剤の有効性を検討した研究は56件であった(アスピリン、ベキサロテン、セレコキシブ、davunetide、デキストロメトルファン、エストロゲン、脂肪酸、メラトニン、ミノサイクリン、N-アセチルシステイン、ピオグリタゾン、ピラセタム、プレグネノロン、スタチン、バレニクリン、withania somnifera extract)。
・2つ以上の研究によるメタ解析で有意であった薬剤は以下のとおりであった。
 ●アスピリン(平均加重エフェクトサイズ[ES]:0.30、270例、95%信頼区間[CI]:0.06~0.54)
 ●エストロゲン(ES:0.78、723例、95%CI:0.36~1.19)
 ●ミノサイクリン(ES:0.40、946例、95%CI:0.11~0.68)
 ●N-アセチルシステイン(ES:1.00、442例、95%CI:0.60~1.41)
・サブグループ解析では、初回エピソード精神病および早期統合失調症の研究において、より肯定的な結果が得られた。
・ベキサロテン、セレコキシブ、davunetide、デキストロメトルファン、脂肪酸、プレグネノロン、スタチン、バレニクリンでは有意な効果は認められなかった。

 著者らは「すべてではないが、抗炎症作用を有するいくつかの薬剤(アスピリン、エストロゲン、ミノサイクリン、N-アセチルシステイン)において有効性が示唆された。初回エピソード精神病や早期統合失調症患者の症状重症度に関して、より有益な効果が観察された」としている。

(鷹野 敦夫)

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