アルツハイマー病患者における抗コリン薬の不適切な使用

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ケアネット

アルツハイマー病患者における抗コリン薬の不適切な使用のイメージ

 認知症でよくみられるアルツハイマー病は、通常、アセチルコリンレベルを上昇させる薬剤で治療を行う。コロンビア・Universidad Tecnologica de PereiraのLuis Fernando Valladales-Restrepo氏らは、アルツハイマー病と診断された患者に使用された抗コリン作用を有する薬剤の特定を試みた。Geriatrics & Gerontology International誌2019年9月号の報告。

 コリンエステラーゼ阻害薬およびグルタミン酸N-メチル-D-アスパラギン酸受容体拮抗薬で治療されたアルツハイマー病外来患者を、コロンビアの国民データベースより特定し、横断的研究を実施した。抗コリン作動性負荷は、抗コリン作用評価尺度(Anticholinergic Cognitive Burden scale)を用いて評価し、抗コリン作用に応じて軽度~中等度(1~2点)または重度(3点以上)に分類した。

 主な結果は以下のとおり。

・アルツハイマー病患者4,134例が抽出された。
・平均年齢は81.50±8.16歳、女性の割合は67.8%であった。
・抗コリン作用を有する薬剤を使用していた患者は、22.9%以上であった。
・最も頻繁に使用されていた薬剤は、クエチアピン(8.6%)であった。
・86歳以上の年齢は、抗コリン作動性負荷リスクの重度と関連が認められた(OR:2.19、95%CI:1.159~4.162)。
・コリンエステラーゼ阻害薬と抗コリン薬との潜在的な相互作用は、7.8%の患者で認められた。

 著者らは「抗コリン薬を使用していたアルツハイマー病患者の多くは、高齢女性であり、総抗コリン作動性負荷が大きく、コリンエステラーゼ阻害薬との薬理学的相互作用が認められた。抗コリン薬の使用は、抗認知症薬の臨床効果を低下させ、副作用のリスクを高める可能性がある」としている。

(鷹野 敦夫)

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