ザンタック自主回収、海外での発がん性物質検出受け予防的措置―GSK

提供元:ケアネット

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公開日:2019/10/01

 

 グラクソ・スミスクライン(GSK、東京都港区)は、9月26日付でH2受容体拮抗薬「ザンタック」(一般名:ラニチジン塩酸塩)の一部製品につき、自主回収を発表した。海外において、発がん性物質であるN-ニトロソジメチルアミン(NDMA)が検出されたとの報告を受け、同社では既に製品の出荷を停止し、調査・分析を進めている最中だが、予防的措置として自主回収に踏み切った。

 自主回収の対象製品は、「ザンタック錠75」「ザンタック錠150」「ザンタック注射液50mg」「ザンタック注射液100mg」。

 これまでの経緯としては、欧州医薬品庁(EMA)、米国食品医薬品局(FDA)などにおいて、ラニチジン塩酸塩の製剤および原薬から、微量のNDMAが検出された旨が発表され、厚生労働省が9月17日付で国内の製造販売業者に対し、ラニチジン塩酸塩の分析を進めると共に、同製剤及び原薬の新たな出荷を行わないよう指示していた。

 GSKでは、諸外国において、当該国の規制当局と協議の結果、回収に至るケースが発生していることや、同社が同製剤を製造委託している海外工場から、欧州における販売を中断する旨の通告があったことを踏まえ、このたびの自主回収を決めた。同社では、ラニチジン塩酸塩の安全性監視活動は定期的に行っており、これまでに発がん性を示唆する事象は認められていないという。

 一方、厚労省は17日付で、ラニチジン塩酸塩を服用している患者や医療機関等への対応について、各都道府県の衛生主管部宛てに文書を発出している。

(ケアネット 鄭 優子)