メトホルミンでコントロール不十分な2型糖尿病患者において、経口orforglipron 12mgおよび36mgは、経口セマグルチド7mgおよび14mgに対して、ベースラインから52週時のHbA1c値の平均変化量に関して非劣性および優越性を示した。米国・テキサス大学のJulio Rosenstock氏らACHIEVE-3 Investigatorsが行った国際共同第III相多施設非劣性非盲検無作為化試験「ACHIEVE-3試験」の結果で示された。安全性プロファイルは、両薬ともにGLP-1受容体作動薬の既知のプロファイルと一致していたが、消化器系イベント、有害事象による試験中止の頻度、平均脈拍数上昇が、経口orforglipron群のほうが経口セマグルチド群よりも高かったことも示された。orforglipronは、食品および飲水の制限を必要とせず1日1回の服用で済むようデザインされた新規の経口GLP-1受容体作動薬である。Lancet誌オンライン版2026年2月26日号掲載の報告。
orforglipron(12mg/36mg)vs.セマグルチド(7mg/14mg)、52週時点の非劣性を評価
ACHIEVE-3試験は、アルゼンチン、中国、日本、メキシコ、米国の131の医学研究センターおよび病院にて、メトホルミン(1,500mg/日以上)でコントロール不十分(HbA1c値7.0~10.5%[53~91mmol/mol])な2型糖尿病かつBMI値25以上の成人(18歳以上)を登録して行われた。
被験者は、orforglipron(12mgまたは36mg)またはセマグルチド(7mgまたは14mg)の投与群に1対1対1対1の割合で無作為に割り付けられた。全投与群に、最長4週間の導入期間と52週間の治療期間が設定され、試験薬は1日1回経口投与された。
主要評価項目はHbA1c値のベースラインから52週時の平均変化量で、orforglipron 36mg群のセマグルチド14mg群に対する非劣性、およびorforglipron 12mg群のセマグルチド7mg群に対する非劣性を評価した(ITT集団、非劣性マージン0.3%)。非劣性が示された場合、優越性に関する階層的解析を行うことが事前に規定された。
治療レジメン推定値は、試験中の有害事象発現の有無にかかわらず無作為化された全被験者から得られたデータに基づき、これを主要推定値とした。有効性の推定値は、補助的推定値と見なした。
安全性は、試験薬を少なくとも1回投与された被験者のデータを用いて評価した。
orforglipron(12mg/36mg)のセマグルチド(7mg/14mg)に対する非劣性、優越性を検証
2023年9月22日~2025年8月22日に、1,698例が登録され、orforglipron群(12mg群424例、36mg群423例)またはセマグルチド群(7mg群426例、14mg群425例)に無作為化された(アジア人は各群12%)。
治療レジメン推定値について、ベースラインのHbA1c値8.3%からの52週時の平均変化量は、orforglipron 12mg群-1.71%(SE 0.07)、orforglipron 36mg群-1.91%(0.08)、セマグルチド7mg群-1.23%(0.05)、14mg群-1.47%(0.06)であった。
推定治療群間差は、orforglipron 12mg群vs.セマグルチド7mg群で-0.48%(95%信頼区間[CI]:-0.65~-0.31、p<0.0001)、orforglipron 36mg群vs.セマグルチド14mg群で-0.44%(95%CI:-0.62~-0.26、p<0.0001)、orforglipron 12mg群vs.セマグルチド14mg群で-0.24%(-0.41~-0.07、p=0.0050)、orforglipron 36mg群vs.セマグルチド7mg群で-0.68%(-0.85~-0.50、p<0.0001)であり、主要評価項目に関する非劣性が示され、orforglipron両用量のセマグルチド両用量に対する優越性も示された(orforglipron 12mg群vs.セマグルチド14mg群も含む)。
orforglipron群は消化器系イベントや投与中止が多く、脈拍数上昇も大きい
最も多くみられた有害事象は消化器系イベントで、orforglipron 12mg群249/424例(59%)、36mg群245/423例(58%)、セマグルチド7mg群157/426例(37%)、14mg群193/425例(45%)であり、大半が軽度~中等度であった。
有害事象による試験薬投与中止は、orforglipron群(12mg群37例[9%]、36mg群41例[10%])のほうがセマグルチド群(7mg群19例[4%]、14mg群21例[5%])より多かった。
また、平均脈拍数の上昇は、orforglipron群(12mg群3.7bpm、36mg群4.7bpm)のほうが、セマグルチド群(7mg群1.0bpm、14mg群1.5bpm)よりも大きかった。
試験中に4例の死亡が報告された(orforglipron 12mg群1例、36mg群1例、セマグルチド7mg群2例)。
(ケアネット)