ブルガダ症候群におけるSCN5A遺伝子変異は心イベントの予測因子となるか

ブルガダ症候群における遺伝子型形式と表現型の関連に関しては、依然として議論が続いている。国立循環器病研究センターの山形 研一郎氏ら研究グループは、SCN5A変異の有無により心イベントの発生率に差異がみられるかを検証するため、ブルガダ症候群発端者に限定したレジストリを構築し、長期追跡調査した。Circulation誌オンライン版3月24日号の掲載。
SCN5A変異の遺伝子検査を受けた415例が対象
この多施設レジストリでは、ブルガダ症候群と診断された発端者で、SCN5Aの遺伝子検査を受けた415例が含まれた(うち97%[403例]が男性、平均年齢46±14歳)。平均72ヵ月のフォロー期間中、心イベントは2.5%/年の割合で生じた。SCN5A変異群(60例)において、SCN5A変異なし群(355例)と比べ、最初の心イベントがより若い年齢で起きていた(34 vs. 42歳、p=0.013)。さらに、加算平均心電図での遅延電位を有する率が高いほか、心電図のP、PQ、QRSがより長く、心イベントの発生率も高かった(ログランク検定のp=0.017)。
SCN5A遺伝子変異は心イベントの予測因子となるか
多変量解析では、SCN5A変異と蘇生された心停止の既往の有無が心イベントの有意な予測因子であった(SCN5A変異群 vs.SCN5A変異なし群、ハザード比[HR]:2.0、p=0.045、蘇生された心停止の既往有 vs.無、HR:6.5、p<0.001)。SCN5A変異群では心電図で伝導異常がより多く認められ、心イベントのリスクが高かった。また、Pore領域にSCN5A変異が認められる場合、予後が悪い傾向にあった。
この結果は以前に報告されたヨーロッパからのFINGERレジストリと異なった結果を示しており、非常に興味深い結果であったと思われる。
(カリフォルニア大学アーバイン校 循環器内科 河田 宏)
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