抗精神病薬誘発性体重増加とヒスタミンとの関係 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/12/16 抗精神病薬誘発性体重増加(AIWG)と脳内ヒスタミンH1受容体(HRH1)アンタゴニスト、H3受容体(HRH3)アゴニストの効果に正の相関があることが実証されている。カナダ・トロント大学のArun K Tiwari氏らは、AIWGに対するHRH1、HRH3遺伝子における一塩基多型(SNP)の潜在的な影響を検討した。The world journal of biological psychiatry誌オンライン版2016年12月15日号の報告。 主にクロザピンまたはオランザピンで14週まで治療された統合失調症、統合失調感情障害患者193例を対象に、HRH1(n=34)およびHRH3(n=6)の40のタグSNPを分析した。SNPとAIWGの関連は、ベースラインの体重と治療期間を共変量とし、線形回帰を用いて評価を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・HRH1では、クロザピンまたはオランザピンのいずれかで治療されたヨーロッパ系の患者において、AIWGを有するrs7639145にわずかな関連が認められた(p=0.043、β=1.658、n=77)。 ・クロザピンまたはオランザピンのいずれかで治療されたアフリカ系の患者において、2つのHRH1 SNP rs346074(p=0.002、β=-5.024)とrs13064530(p=0.004、β=-5.158)にわずかな関連が認められた(n=37)。 ・しかし、複数の測定で修正した後、上記の関連は有意ではなかった。 ・HRH3では、いずれの患者でも関連が認められなかった。 著者らは「本研究では、AIWGに対するHRH1およびHRH3のSNPは重要な役割を担っていないことが示唆された」としている。 関連医療ニュース オランザピン誘発性体重増加を事前に予測するには:新潟大学 非定型抗精神病薬による体重増加・脂質異常のメカニズム解明か 抗精神病薬誘発性の体重増加に関連するオレキシン受容体 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Tiwari AK, et al. World J Biol Psychiatry. 2016 Dec 15. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 妊娠前/妊娠初期のGLP-1作動薬中止、妊娠転帰と体重変化は?/JAMA(2025/12/19) 血友病Bに対する遺伝子治療、第III相試験の最終解析/NEJM(2025/12/19) メチシリン感性黄色ブドウ球菌菌血症に対するクロキサシリンとセファゾリンの比較(CloCeBa試験)(解説:寺田教彦氏)(2025/12/19) 『肝細胞癌診療ガイドライン』改訂――エビデンス重視の作成方針、コーヒー・飲酒やMASLD予防のスタチン投与に関する推奨も(2025/12/19) ER+低リスクDCIS、手術せず内分泌療法単独での有用性を検証(LORETTA)/SABCS2025(2025/12/19) 肺がん治療における経済的視点/治療医に求められる役割(2025/12/19) スタチン使用は本当にうつ病リスクを低下させるのか?(2025/12/19) 危険なOTCが国内流通か、海外での規制や死亡例は(2025/12/19) 「TAVI弁展開後における弁尖可動不良事象に関するステートメント」公表/THT協議会(2025/12/19) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)