肥満は眼圧上昇の独立リスク因子

提供元:ケアネット

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公開日:2016/02/04

 

 眼圧上昇は緑内障の最も重要なリスク因子の1つであることが知られている。イスラエル・テルアビブ大学のEytan Cohen氏らは、約1万9,000例のデータを後ろ向きに解析し、男性および女性のいずれにおいても、肥満が眼圧上昇の独立したリスク因子であることを明らかにした。Journal of Glaucoma誌オンライン版2016年1月13日号の掲載報告。

 研究グループは、男性および女性におけるBMIと眼圧との関連を評価する目的で、イスラエルのスクリーニングセンターから、年齢20~80歳の1万8,575人(平均年齢46±10歳、男性68%)のデータを収集し、後ろ向き横断研究を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・男女ともに、BMIと眼圧の間には正の線形相関が認められた(それぞれr=0.166、p<0.0001およびr=0.202、p<0.0001)。
・平均眼圧は、BMI25未満群の12.8mmHg(95%信頼区間[CI]:12.7~12.9mmHg)から、BMI 25~29.9群13.4mmHg(同:13.3~13.5mmHg)、BMI 30~35群13.9mmHg(同:13.8~14.0mmHg)、BMI35超群14.3mmHg(同:14.1~14.5mmHg)へ有意に増加した(p<0.0001)。
・これらの差は、年齢、高血圧および糖尿病で補正後も有意なままであった(p<0.0001)。
・同様の多変量調整を行った解析で、眼圧に対するBMIの影響度を表す係数因子は、男性で0.087(95%CI:0.076~0.098)(p<0.0001)、女性で0.070(同:0.058~0.082)(p<0.0001)であった。
・BMIの10増加ごとに、眼圧は、男性で0.9mmHg、女性で0.7mmHgそれぞれ上昇した。
・BMI正常者と比較しBMIが正常範囲外の人では、交絡因子補正後の眼圧が18mmHg以上となるリスクの増大がみられた(p<0.001)。

(ケアネット)