医師確保の新しい選択肢に、「旅当直」サイトオープン

提供元:ケアネット

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公開日:2026/05/29

 

 地方の医療機関にとって、医師確保は長年にわたる大きな経営課題となっている。とくに当直体制の維持は、常勤医の負担軽減や病院機能の継続に直結する一方で、従来の人材紹介や単発アルバイトだけでは、中長期的な関係性づくりにつながりにくいという課題がある。こうした中、Mediative株式会社は、都市部の医師が地方の医療機関で当直勤務を行いながら、その土地の人や文化、地域医療の現場に触れる新しい地域医療体験「旅当直」のポータルサイトを、2026年5月14日に公開した。本稿では特別寄稿として、Mediative代表で医師の畑 拓磨氏が本サービスの特徴を紹介する。

医師が旅するように地域を訪れ、当直業務を通じて医療現場を支える仕組み

 「旅当直」は、単なる当直求人の掲載サービスではありません。医師が旅するように地域を訪れ、当直業務を通じて医療現場を支えながら、余暇の時間には地域の風景や食、文化、人との出会いを体験することで、「またこの地域に来たい」「もっと関わってみたい」という関係性を育てていく取り組みです。

 医療機関にとっては、自院の勤務条件だけでなく、地域そのものの魅力や、そこで働く意義を医師に届けることができます。これまで医師に知ってもらう機会が少なかった地域や病院にとって、「医師に選ばれる入口」をつくる新しい広報・採用戦略ともいえます。

 現在、「旅当直」は北海道内3施設、神奈川県横浜市内1施設で導入されています。たとえば函館市の深瀬医院では、継続的に関わる外部医師を「パートナードクター」と位置付け、常勤・非常勤という従来の枠を超えた緩やかな協働関係を構築しています。外部から訪れる医師が新たな知見や刺激をもたらすことで、組織内にも学びが生まれ、患者からも「いろいろな先生に診てもらえる安心感がある」といった声が寄せられています。

 また、実際に旅当直を経験した医師からは、「当直バイトは給与や負担で選ぶものだと思っていたが、旅当直に出会って選び方の軸が変わった」「業務後に街を歩いて帰る満足感は、バイト代では換算できない」といった声もあります。医師にとっても、地域医療への関心を持ちながら、移住や長期勤務には踏み出せなかった層が、軽やかに地域と接点を持てる仕組みになっています。

人材紹介会社に依存するだけではない、魅力発信と関係性構築を支援

 旅当直は、自院には魅力があるにもかかわらず、医師に知ってもらう機会が少ない医療機関にこそ活用してほしいと考えています。人材紹介会社に依存するだけではない、地域医療機関自身の魅力発信と関係性構築を支援する取り組みです。

 現在、ポータルサイト公開を記念し、先着10病院限定で掲載料無料キャンペーンを実施しています。すでにポータルサイトが公開され、2週間で合計6件の病院と医師のマッチングが成立しています。マッチングに際し紹介手数料が永続的に0円の本サービスは、掲載を通じて、医師に対して自院や地域の魅力を発信したい医療機関、将来的な常勤医・非常勤医との接点を増やしたい医療法人にとって、初期費用を抑えて取り組みを始められる機会です。

 当直を単なる勤務ではなく、医師と地域が出会う入口に変える―。「旅当直」は、地方医療の医師確保における新しい選択肢として、今後さらに全国に展開していきます。

(ケアネット)