患者に最も好まれる第1選択抗精神病薬は?

提供元:ケアネット

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公開日:2026/05/29

 

 初回エピソードの精神疾患患者に対する抗精神病薬の選択は、臨床医が複数の基準を経験的に評価する必要があるため、非常に困難な課題である。診療記録を用いて開発された精密治療(precision treatment)ルールは、臨床医の治療選択を支援する実用的なアプローチを提供できるが、副作用や患者の嗜好は考慮されていない。イタリア・University of PaviaのKamil Krakowski氏らは、初回エピソードの精神疾患における第1選択抗精神病薬推奨のための、有効性、副作用、患者の嗜好を総合的に考慮した精密治療ルールの開発および検証を行った。Translational Psychiatry誌オンライン版2026年4月11日号の報告。

 本研究は、英国・サウスロンドンおよびモーズレイNHSトラストの早期精神病介入サービスから得た電子カルテデータを用い、RECORDおよびTRIPOD + AIガイドラインに準拠して実施された。精密治療ルールは、因果関係に基づく機械学習手法を用いて開発され、臨床的、人口統計学的、症状、物質使用に関する予測因子を用いて、有効性(薬剤変更、入院)および副作用(錐体外路症状、高プロラクチン血症、鎮静、性機能障害、体重増加)を推定した。副作用に関する患者の嗜好は、ランキング法を用いて考慮した。

 主な結果は以下のとおり。

・対象患者数は、1,709例(平均年齢:26.7歳、男性の割合:64%)。
・アリピプラゾールは、患者の希望に応じて80~98%の患者に推奨された。
・観察された治療決定と比較すると、治療ルールに基づく推奨では、高プロラクチン血症が4.7パーセントポイント(pp)、鎮静が15.8pp、性機能障害が4.3pp、体重増加が15.2pp減少すると推定された。
・入院と薬剤の効果には変化がなかった。
・錐体外路症状は、5.5pp増加すると推定された。

 著者らは「本研究は、有効性、副作用、患者の希望を統合した、早期精神疾患に対する初の精密治療ルールを提示するものである。より大規模なデータセット、より多くの予測因子および治療選択肢を用いた、さらなる研究が求められる」としている。

(鷹野 敦夫)