うつ病患者の疲労感を評価する新ツール 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2015/02/10 疲労は、大うつ病性障害(MDD)における最も顕著な症状の1つである。米国・Evidera社のLouis S. Matza氏らは、MDD患者の疲労とその影響を評価する質問票「Fatigue Associated with Depression Questionnaire(FAsD)」およびその改訂版(FAsD-V2)の内容の妥当性を評価するため、検討を行った。その結果、概念を引き出すためのフォーカスグループ法、認知インタビューなどから、FAsDおよび FAsD-V2の内容の妥当性を支持する結果が得られたことを報告した。The Patient誌オンライン版2015年1月23日号の掲載報告。 研究グループは、MDD患者における疲労とその影響を評価するために開発されたFAsDおよびFAsDバージョン2(FAsD-V2)の妥当性について、質的研究を実施した。米国全土のクリニックから登録された患者を対象とした。質的研究は、3期で構成され、第I期では概念を引き出すためフォーカスグループ法を行い、続いて認知インタビューを実施。第II期では、より的を絞った対象で第I期と同様の方法で調査を行った。第III期では、第II期以降に加えられた細かい修正が質問票の包括性に変化をもたらすか否かを調査するため、認知インタビューを行った。概念抽出に際しては、患者の疲労とその影響に対する認識に焦点を当て、認知インタビューでは質問票における理解、明確性、妥当性、包括性に焦点を当てた。データは半構造的ディスカッションガイドを用いて収集。テーマ分析を行い、浸透度を検討した。 主な結果は以下のとおり。 ・MDD患者98例を対象とした。 ・第I期、第II期の概念抽出における患者の発言は、作成された項目とその内容を支持するものであった。 ・認知インタビューでは、的を絞った集団における質問票の妥当性が支持され、指示、項目、回答の選択肢、想起期間に対する患者の理解が良好であることが示された。 ・FAsD-V2に対する細かい指示の変更は質問票の解釈に影響しなかった。 ・今回の質的研究では、FAsDおよび FAsD-V2の内容の妥当性を支持する結果が示された。これまでの量的精神測定分析の結果を、さらに強めるものであった。 関連医療ニュース うつ寛解のポイントは疲労感 うつ病治療、概念や診断方法の相違が課題 うつ病診断は、DSM-5+リスク因子で精度向上 担当者へのご意見箱はこちら (ケアネット) 原著論文はこちら Matza LS, et al. Patient. 2015 Jan 23. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] ウォートンジェリー由来間葉系幹細胞、心筋梗塞後の心不全を予防か/BMJ(2025/11/19) 敗血症性ショックへの新たな蘇生戦略の提案:CRTに基づく多角的介入(解説:栗原宏氏)(2025/11/19) 小児のアトピー性皮膚炎、特発性慢性蕁麻疹の在宅治療に期待(デュピルマブ皮下注200mgペン発売)/サノフィ(2025/11/19) 平均気温の変化により誘発される精神疾患は?(2025/11/19) 小児インフルワクチン、初回2回接種の有効性は3歳未満で顕著/メタ解析(2025/11/19) プライマリ・ケア医が「意味」を感じる仕事は何か/筑波大・慶應大(2025/11/19) 医師の約3割が肥満度1以上の肥満に該当/医師1,000人アンケート(2025/11/19) 第1/2世代EGFR-TKI後にCNS進行したNSCLCへのオシメルチニブ(WJOG12819L/KISEKI)/日本肺癌学会(2025/11/19) 血液学における補体系の探求:生物学的洞察と新たな治療の展望/日本血液学会(2025/11/19) [ あわせて読みたい ] 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)