循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:12

肥満は動脈壁に直接ダメージを与える?

 肥満が動脈壁に直接ダメージを与え、心疾患の発症につながるメカニズムの一端を、英オックスフォード大学心臓血管内科教授のCharalambos Antoniades氏らが明らかにした。肥満の心疾患患者では、動脈周囲の脂肪組織で「WNT5A」と呼ばれるタンパク質が多く産生され、血管内に有害な影響を与えている可能性があることが分かったという。同氏らは、新たな治療法につながる知見だと期待を示している。詳細は「Science Translational Medicine」9月18日号に掲載された。

日本高血圧学会、台風19号被災者向けのQAと総会概要を発表

 10月15日、特定非営利活動法人日本高血圧学会(JSH)は、10月25-27日に開催される第42回日本高血圧学会総会に先立ち、プレスセミナーを開催した。  冒頭に、理事長の伊藤 裕氏が、台風19号による甚大な被害を踏まえ、学会としての対応を発表した。「甚大な被害が広範囲に広がり、避難生活が長引く被災者も多くなると考えられる。ストレスや血圧の管理が不十分となり、いわゆる『災害高血圧』が生じて、脳卒中や心疾患につながることを懸念している」と述べた。最初の対応としては、被災地の高血圧患者から多く寄せられる質問と回答をまとめ「台風19号により被害を受けられた皆さまへ」と題して学会サイトに発表した。

がん患者におけるVTEとAF、わが国の実際/腫瘍循環器学会

 固形がん患者の2~8%に悪性腫瘍関連静脈血栓塞栓症(CA-VTE)が合併すると欧米より報告されている。アジア人は白人と比較してCA-VTEの合併率が低いとの報告もあるが、日本人の固形腫場患者を対象としたCA-VTEの合併率の報告は少ない。神戸大学の能勢 拓氏らは、自施設における新規固形がん患者を対象として後方視的に情報を収集し、第2回日本腫瘍循環器学会で発表した。  対象は2,735例で、観察期間中央値は103日であった。CA-VTEが認められ、合併率は3.3%(2,735例中92例)で、欧米の報告と同等であった。CA-VTE合併例の年齢中央値は70歳で、52%が女性であった。症候ありは47%で、Dダイマー正常値(<1.0μg/mL)は5.4%であった。

NIRS-IVUS、不安定プラークと患者のイベントリスクを特定/Lancet

 心臓カテーテル検査を行い即時の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受ける患者に対する血管内超音波(IVUS)イメージングについて、近赤外線分光法(NIRS)によるイメージングの非閉塞領域に対する安全性が確認され、また、その後の非責任病変部の主要有害心血管イベント(NC-MACE)のリスクが高い患者、および発生の可能性がある部位の特定に役立つことが示された。米国・MedStar Washington Hospital CenterのRon Waksman氏らが、前向きコホート試験「Lipid-Rich Plaque:LRP試験」の結果を報告した。NIRS-IVUSイメージングは、急性冠症候群または心筋梗塞に関連し血行再建あるいは心臓死につながる脂質に富むプラーク(lipid-rich plaque:LRP)を検出できるが、将来的にイベントを呈する可能性がある冠動脈や患者を予測する検討は小規模で、プラークに立脚した仮説は検証されていなかった。著者は今回の結果を踏まえて、「NIRS-IVUSは、臨床診療で不安定プラークを有する患者およびそのプラークを検出できる初回イメージングツールとして、考慮すべきである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2019年9月27日号掲載の報告。

特定健診結果からみた被保険者の健康状態

 健康保険組合連合会(健保連)は9月18日、平成29年度の特定健診受診者のデータを解析した調査結果を公開した。特定健診受診者の健康状態を、年齢層、肥満の有無などの背景別に考察している。  解析の対象となったのは464組合の特定健診受診者(40~74歳)で、計401万3,265人。このうち、特定健診における肥満の判定基準(内臓脂肪面積100cm2以上、BMI25以上、腹囲:男性85cm以上・女性90cm以上のいずれか)に該当したのは37.3%で、どの年齢層でも3~4割を占めていた。

重症域の妊娠高血圧症候群に対する経口降圧薬の効果比較(解説:三戸麻子氏)-1121

重症域の妊娠高血圧症候群に対する降圧加療として、ニフェジピン、ラベタロール、メチルドパという日常診療で頻用されている経口薬の降圧効果・副作用を直接比較している点が画期的である。また、緊急の降圧が必要な症例に対しては経静脈的な降圧加療が行われることも多いが、それがかなわない状況も考慮してすべて経口薬で行っている部分も斬新と思われる。Primary outcomeはニフェジピン群がメチルドパ群より有意に達成していたものの、ニフェジピンとラベタロールは同等であった。しかし、本研究では初回使用量がニフェジピン10mg、ラベタロール200mgのうえ、必要に応じて各々30mg、600mgまで増量しているということから、ラベタロールは本邦での使用よりも高用量で使用されていることに留意する必要がある。

食事療法による糖尿病CVDリスク低下に新たなエビデンス、AHAニュース

 食生活と心血管疾患(CVD)リスクとの関連はよく知られているが、食事療法が糖尿病患者の心血管アウトカムを改善することを示したエビデンスは意外に少ない。そんな中、地中海食やDASH食、米国糖尿病学会(ADA)が推奨する食事療法が、閉経後2型糖尿病女性のCVDのリスクを有意に低下させるという、米カリフォルニア大学アーバイン校(UCI)のAndrew Odegaard 氏らの報告が「Journal of the American Heart Association」9月19日オンライン版に掲載された。

4剤配合「polypill」が心疾患予防に有用

 心血管疾患(CVD)患者は何種類もの薬剤を服用しなければならないが、近い将来、1日1錠飲むだけで済む日が来るかもしれない。この度、米国の低所得層を対象としたランダム化比較試験の結果から、スタチンと複数の降圧薬を配合した「polypill」を1日1回、1年間服用すると、通常ケアに比べて血圧やLDL-コレステロールの値が低下し、CVD予防に有用であることが明らかになった。詳細は「New England Journal of Medicine」9月19日号に掲載された。

高リスク大動脈弁狭窄症、自己拡張型TAVR vs.バルーン拡張型/Lancet

 高齢の症候性重症大動脈弁狭窄症患者への経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)では、早期の安全性および有効性に関して、自己拡張型TAVR(ACURATE neo)はバルーン拡張型TAVR(SAPIEN 3)に対する非劣性基準を満たさないことが、スイス・ベルン大学病院のJonas Lanz氏らが行ったSCOPE I試験で示された。研究の詳細は、Lancet誌オンライン版2019年9月27日号に掲載された。症候性重症大動脈弁狭窄症の高齢患者にはTAVRが推奨されており、TAVRの特性の違いは臨床転帰に影響を及ぼすが、自己拡張型とバルーン拡張型のTAVRの比較はこれまで行われていなかったという。

オピオイド蔓延により感染性心内膜炎が倍増

 米国でオピオイド蔓延により生じた重大な問題は、依存症と過剰摂取による死亡だけではない。感染性心内膜炎と呼ばれる心臓の感染症も警戒を要する上昇率をみせていることが、米クリーブランド・クリニック循環器内科のSerge Harb氏らの研究により示された。同氏らが、感染性心内膜炎患者約100万人のデータを分析したところ、2002~2016年の間に薬物乱用に関連した感染性心内膜炎の発症率は2倍になっていたという。詳細は「Journal of the American Heart Association」9月18日オンライン版に掲載された。