組み換え帯状疱疹ワクチン シングリックス、定期接種として使用可能に/GSK

提供元:ケアネット

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公開日:2025/04/08

 

 グラクソ・スミスクラインは、2025年4月1日、予防接種法施行規則および予防接種実施規則の一部改正で帯状疱疹が予防接種法のB類疾病に位置づけられたことにより、同社の帯状疱疹のワクチン「シングリックス筋注用(以下、シングリックス)」が定期接種として使用可能となったと発表した。

 シングリックスは、帯状疱疹の予防を目的とした世界で初めての遺伝子組換え型のサブユニットワクチンで、現在50ヵ国以上で販売されている。日本では、2018年3月23日に50歳以上を対象に、2023年6月26日に帯状疱疹発症リスクの高い18歳以上を対象に承認を取得している。また、シングリックスは、50歳以上で10年以上の帯状疱疹の予防効果の持続が示されている。

 日本人成人の90%以上は、帯状疱疹の原因となるウイルスがすでに体内に潜んでいる可能性があり、50歳を過ぎると帯状疱疹の発症が増え始め、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症するといわれている。

 また、高血圧・糖尿病・リウマチ・腎不全といった基礎疾患罹患者は、帯状疱疹の発症リスクが高くなるという報告がある。たとえば、高血圧患者は、非高血圧患者と比較して発症リスクが約1.9倍、糖尿病患者は、非糖尿病患者と比較して約2.4倍というデータが報告されている。

帯状疱疹ワクチンの定期接種対象者

定期接種の対象者:
・65歳の者
・60歳以上65歳未満の者であって、ヒト免疫不全ウイルスにより免疫の機能に日常生活がほとんど不可能な程度の障害を有する者
対象者の経過措置:
・令和7年4月1日から令和12年3月31日までの間に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳又は100歳となる日の属する年度の初日から当該年度の末日までの間にある者
・令和7年4月1日から令和8年3月31日までの間、令和7年3月31日において100歳以上の者

帯状疱疹ワクチン「シングリックス」 製品概要

製品名:シングリックス筋注用
一般名:乾燥組換え帯状疱疹ワクチン
効能又は効果:帯状疱疹の予防
国内製造販売承認取得日:
・50歳以上:2018年3月23日
・帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上:2023年6月26日
販売国数:50ヵ国以上(2025年3月時点)
用法及び用量:
・50歳以上:0.5mLを2回、通常、2ヵ月の間隔をおいて、筋肉内に接種する。
・帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上:0.5mLを2回、通常、1~2ヵ月の間隔をおいて、筋肉内に接種する。
有効性:
・50歳以上の成人:97.2%
・50~59歳:96.6%
・60~69歳:97.4%
・70歳以上:97.9%
予防効果の持続性:10年以上
安全性:
・重大な副反応:ショック、アナフィラキシー
・主な副反応:疼痛、発赤、腫脹、胃腸症状(悪心、嘔吐、下痢、腹痛)、頭痛、筋肉痛、疲労、悪寒、発熱

(ケアネット 細田 雅之)