循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:10

ウォートンジェリー由来間葉系幹細胞、心筋梗塞後の心不全を予防か/BMJ

 急性心筋梗塞発症後の患者において、ウォートンジェリー由来の間葉系幹細胞(WJ-MSC)の冠動脈内注入により、心不全の発症および心不全による再入院のリスクが有意に低減し、心血管死と心不全/心筋梗塞による再入院の複合エンドポイントが有意に改善した。イラン・Shiraz University of Medical SciencesのArmin Attar氏らが行った第III相試験「PREVENT-TAHA8試験」の結果で示された。研究の成果は、BMJ誌2025年10月29日号で報告された。なお、本論文はBMJ誌のウェブサイトに掲載後、いくつかの問題点(データの不整合、年齢基準を満たさない参加者の組み入れの懸念、未申告の利益相反の懸念など)が指摘され、これらの解決と掲載後の内容の変更に必要な措置の検討が進められている。

医師の約3割が肥満度1以上の肥満に該当/医師1,000人アンケート

 わが国にはBMIが25以上の「肥満」と定義される人は、約2,800万人と推計され、BMIが35以上の高度肥満者の増加も報告されている。従来、肥満症の治療では、食事療法、運動療法、認知行動療法、外科的療法が行われてきたが、近年、治療薬も登場したことで「肥満」・「肥満症」にスポットライトが当たっている。一方で、診療する側の医師も、診療や論文作成やカンファレンスなどで座位の時間が多く、運動不足となり、体型も気になるところである。CareNet.comでは、2025年10月15~21日にかけて、会員医師1,000人(うち糖尿病・代謝・内分泌科の医師100人を含む)に「医師の肥満度とその実態」について聞いた。

妊娠に関連した心血管疾患が米国で増加

 米国では妊婦の心血管疾患(CVD)リスク因子およびCVDの有病率が上昇してきており、妊娠中や出産後にCVDの合併症を起こす女性も増加している実態が報告された。米マサチューセッツ総合病院のEmily Lau氏らの研究の結果であり、詳細は「Circulation」10月14日号に掲載された。  研究者らは背景説明の中で、妊産婦死亡の3分の1以上をCVDが占めており、CVDは妊娠を契機に発症する主要な疾患であるとしている。そしてLau氏は、「われわれの研究結果は、リアルワールドにおいて妊娠関連のCVDが増加しているという憂慮すべき傾向を示しており、妊娠前から産後にかけての期間が、妊婦に対してCVD一次予防を実施する重要な機会であることを強調している」と述べている。

どんな量でも飲酒は血圧を高める可能性あり

 量に関係なく、飲酒は血圧を上昇させる可能性があるようだ。新たな研究で、たとえわずかであっても飲酒量の増加は血圧の上昇と関連していることが明らかになった。この研究結果を報告した聖路加国際病院の鈴木隆宏氏らは、「飲酒をやめる、または飲酒量を減らすことで血圧が下がり、脳卒中や心疾患のリスクが低下する可能性がある」と述べている。この研究の詳細は、「Journal of the American College of Cardiology(JACC)」に10月22日掲載された。  これまで、少しの飲酒なら血圧に大きな影響はないと考えられていたが、この研究結果はそうした考えに疑問を投げかけるものだ。鈴木氏は、「血圧に関しては、飲酒量が少なければ少ないほど良好な状態になることが、われわれの研究で示された。そして、飲酒量が多いと血圧は高くなる」と指摘。「これまでは、少量のアルコールであれば問題はないだろうと考えられてきた。しかし、われわれの研究結果は、アルコールは全く摂取しないのがベストであることを示している。つまり、たとえ少量の飲酒であっても、禁酒することが男女を問わず心臓の健康に有益な可能性がある」と米国心臓病学会(ACC)のニュースリリースの中で述べている。

術中血圧管理の個別化は可能か?―IMPROVE-multi試験と今後の展望(解説:三浦伸一郎氏)

術中低血圧は、術後に急性腎障害や心筋傷害などの臓器不全発症のリスクを高める研究が多く報告されてきた。したがって、術中・周術期の血圧管理には、臓器保護の面から見るときわめて重要なテーマであり、各々の患者の術前血圧などから目標を定めるという個別化医療が検討されている。しかし、血圧の最適化によって低血圧は減少するが、術後合併症も減少したという報告は限られている。術中の血圧管理は可能であるが、どの程度、臨床的改善に直結するかは不明であった。

週末まとめて歩くvs.日々歩く、メタボ予防効果が高いのは?

 わが国では健康増進のために1日8,000歩以上歩くことが推奨されているが、1日平均歩数が同じ場合、週末にまとめて歩く人と日々歩く人で効果は同等なのだろうか。今回、愛媛大学の山本 直史氏らは、中高年の日本人において連続した7日間の歩数を調査し、メタボリックシンドロームとの関連を検討した結果、8,000歩以上の日数の割合より、7日間の総歩数がメタボリックシンドロームとの関連が強い一方、1日平均歩数が8,000~10,000歩の人では、8,000歩以上達成した日数の割合が高いほどメタボリックシンドロームのリスクが低いことが示唆された。Obesity Research & Clinical Practice誌オンライン版2025年11月2日号に掲載。

がん患者の死亡の要因は大血管への腫瘍の浸潤?

 がん患者の命を奪う要因は、がんそのものではなく、腫瘍細胞や腫瘍が体内のどこに広がるかであることを示した研究結果が報告された。腫瘍が主要な血管に浸潤すると血液凝固が起こり、それが臓器不全につながる可能性のあることが明らかになったという。米テキサス大学サウスウェスタン医療センターのMatteo Ligorio氏らによるこの研究の詳細は、「Nature Medicine」に10月16日掲載された。  Ligorio氏らは、これが、がんが進行するとすぐに死亡する患者がいる一方で、がんが全身に転移していても生き続ける人がいる理由だと述べている。Ligorio氏は、「われわれが解明しようとしていた大きな疑問は、がん患者の命を奪うものは何なのか。なぜがん患者は、6カ月前でも6カ月後でもなく、特定の日に死亡するのかということだった」と同医療センターのニュースリリースの中で述べている。

夜間照明が心疾患リスク上昇に影響

 夜間の光曝露は概日リズムの乱れを引き起こし、心血管疾患における予後不良の危険因子として知られている。今回、オーストラリア・フリンダース大学のDaniel P. Windred氏らの研究で、夜間の光曝露は40歳以上の心血管疾患発症の有意な危険因子であることが示唆された。JAMA Network Open誌2025年10月23日号掲載の報告。  研究者らは、昼夜の光曝露による心血管疾患発症の関連、および光曝露と心血管疾患関連に影響する因子(遺伝的感受性、性別、年齢など)を評価するため、前向きコホート研究を実施。UKバイオバンク参加者の心血管疾患の記録を9.5年間(2013年6月~2022年11月)にわたり追跡調査し、2024年9月~2025年7月にデータ解析を行った。

心房中隔欠損に対する閉鎖栓、生体吸収性vs.金属製/JAMA

 経皮的心房中隔欠損(ASD)閉鎖術に用いる閉鎖栓について、生体吸収性閉鎖栓は金属製閉鎖栓に対して非劣性であり、2年でほぼ完全に分解されたことが、中国・Chinese Academy of Medical Sciences and Peking Union Medical CollegeのWenbin Ouyang氏らによる多施設共同非盲検非劣性無作為化試験の結果で示された。ASD閉鎖術に使用される永久的な金属製閉鎖栓は、晩期合併症のリスクと関連しており、左房へのアクセスの妨げとなる。生体吸収性閉鎖栓は、これらの課題に対処できる可能性を有しているが、これまで無作為化試験での検証は行われていなかった。JAMA誌オンライン版2025年10月23日号掲載の報告。

左心耳閉鎖手技(LAAO)の行く末を占う(OPTION試験)(解説:香坂俊氏)

このOPTION試験は、心房細動(AF)アブレーションを受け、かつCHA2DS2-VAScが高い患者を対象に、「その後もふつうに抗凝固薬を飲み続けるか」「左心耳閉鎖手技(LAAO)に切り替えるか」を1:1で比較した国際RCTとなります。1,600例を組み入れ、LAAO群はWATCHMANで閉鎖した後所定期間だけ抗血栓を行い、その後半年ほどで中止し、対照群はDOACを含む標準的な内服抗凝固薬を続けるという設計で行われました。結果として、主要安全エンドポイント(手技に直接関係しない大出血+臨床的に問題となる非大出血)は36ヵ月でLAAO 8.5%vs.OAC 18.1%でLAAO群に少なく(p<0.001)、主要有効性エンドポイント(全死亡・脳卒中・全身性塞栓の複合)は5.3%vs.5.8%で非劣性となりました。