循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:13

食べないのが一番、危ない「酸化コレステロール」とは?/日本動脈硬化学会

 メタボリックシンドロームにしばしば合併する脂肪肝だが、実は動脈硬化リスクも伴う。自覚症状に乏しいことから、一般メディアでは“隠れ脂肪肝”などと呼ばれ、患者から質問されることも珍しくない。しかし、脂肪肝だからと言って、ただ“脂モノ”を控えるという対処は正しくないという。  先日、日本動脈硬化学会(理事長:山下 静也)が開催したセミナーにて、動脈硬化と関連の深い「脂肪肝/脂肪肝炎」と「酸化コレステロール」について、2人の専門医が解説した。

心臓リハビリに年齢制限なし?

 高齢で心疾患のある人は、安静に過ごしたほうがよいと考えられがちだ。しかし、実際はその反対で、心疾患があっても、心臓リハビリテーション(心臓リハビリ)による運動は心身ともに有益であることが、ブルゴーニュ・フランシュコンテ大学(フランス)スポーツ科学部のGaelle Deley氏らの研究で示された。特に身体障害度が高い患者でこそ、運動は有益であることが分かったという。研究結果の詳細は「Canadian Journal of Cardiology」10月号に掲載された。

積極的降圧治療は通常の降圧治療よりも深部白質病変の増加を抑制するが、総脳容積の減少は大きい(解説:石川讓治氏)-1132

SPRINT研究において、積極的降圧治療(目標収縮期血圧120mmHg)が通常の降圧治療(目標収縮期血圧140mmHg)と比較して、心血管イベントを減少させることが報告され、この積極的降圧治療の優位性は75歳以上の後期高齢者でも認められた。Montreal Cognitive Assessment(MoCA)で評価した認知機能に関しては、1次エンドポイントであるProbable dementiaの発症に関しては、有意な抑制が認められなかったが、mild cognitive impairment (MCI)への進行は有意に抑制された。これらの結果より、積極的降圧治療が通常の降圧治療よりも軽度の認知機能低下であれば抑制する可能性が示唆された。

降圧薬は「就寝前」に服薬すべき?

 降圧薬は起床後ではなく、就寝時に服用するとよいかもしれない――。そんな研究結果を、ビーゴ大学(スペイン)アトランティック研究センターのRamon Hermida氏らが「European Heart Journal」10月22日オンライン版に発表した。降圧薬を就寝時に服用すると、起床後の服用に比べて心筋梗塞や脳卒中、心不全の発症リスクやこれらの心血管疾患(CVD)で死亡するリスクが大幅に低い可能性があるという。  この臨床試験は、「Hygia Chronotherapy Trial」と呼ばれるもの。2008年から2018年にかけて、スペイン北部在住の18歳以上の高血圧患者1万9,084人を中央値で6.3年間追跡した。

診察室血圧および24時間自由行動下血圧モニタリングにおける夜間血圧と予後-なぜ夜間血圧の予後予測能がいいのか?-(解説:石川讓治氏)-1131

自由行動下血圧モニタリング(ABPM)は、15~30分間隔で連続して血圧測定を行い、診察室以外での自由行動下および睡眠中の血圧測定が可能である。疫学的研究において、24時間平均自由行動下血圧、とくに夜間血圧が、診察室血圧よりも優れた高血圧性臓器障害や予後予測指標であることが報告されてきた。International Database on Ambulatory Blood Pressure in Relation to Cardiovascular Outcomes(IDACO)研究は、ABPMを用いた世界中の多数の疫学研究データを統合し、これらの研究結果をグローバル化させることを行ってきた。本研究の結果、24時間平均自由行動下血圧、とくに夜間血圧が、診察室血圧よりも優れた予後予測指標であったことが再確認された。

高血圧の第1選択薬、単剤での有効性を比較/Lancet

 降圧治療の単剤療法を開始する際、サイアザイド(THZ)系/THZ系類似利尿薬はACE阻害薬に比べて優れており、非ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬は、その他の第1選択薬4クラスの降圧薬に比べ有効性が劣ることが、米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のMarc A. Suchard氏らが行った系統的な国際的大規模解析の結果、示された。残余交絡や出版バイアスなども補正した包括的フレームワークを開発し、米国、日本、韓国などの490万例の患者データを解析して明らかにしたもので、その他の第1選択薬については、現行ガイドラインに合わせて降圧治療の単剤療法を開始した場合の有効性は同等であったという。高血圧に対する至適な単剤療法については曖昧なままで、ガイドラインでは、並存疾患がない場合はあらゆる主要な薬剤を第1選択薬に推奨されている。この選択肢について無作為化試験では精錬がされていなかった。Lancet誌オンライン版2019年10月24日号掲載の報告。

アルドステロン拮抗薬の死角を制する!(解説:石上友章氏)-1130

腎ネフロンは、高度に分化した組織であり、ヒトの水・電解質の恒常性の維持に重要な働きをしている。ナトリウムの出納についての恒常性の維持機構が発達しており、尿細管の各セグメントごとに、特徴的なナトリウムトランスポーターが発現している。ナトリウムイオンは、原尿中にろ過されたのち、各セグメントのナトリウムトランスポーターにより再吸収される。NHE1(Sodiumu-Hydrogen-Exchanger)は、近位尿細管のapical membrane(頂端側)に発現し、Naイオンと、Hイオンの交換に関与している。ヘンレのループ(loop of Henle)には、NKCC:Na+-Cl--K+共輸送体が発現しており、ループ利尿薬であるフロセミドが特異的な阻害薬である。遠位尿細管の近位部(proximal DCT)には、サイアザイド感受性NCCT:Na+-Cl-共輸送体が、そして遠位部では、上皮性ナトリウムチャネル(ENaC)が、ナトリウムイオンの再吸収を行っている。

心停止蘇生後の「低体温療法」に脳保護効果

 心停止から蘇生した患者に対する低体温療法は、これまで考えられていたよりも多くの患者を救える可能性があることが、ナント大学病院(フランス)のJean-Baptiste Lascarrou氏らが実施した臨床試験で示された。心電図波形が「ショック非適応リズム」の心停止患者に低体温療法を実施したところ、標準的な治療を行った場合に比べて、蘇生後に良好な脳機能が保たれる確率が約2倍に上ることが分かった。この結果は「New England Journal of Medicine」10月2日オンライン版に発表された。

心臓手術後の輸血、フィブリノゲン製剤はクリオ製剤に非劣性/JAMA

 心肺バイパス手術後に臨床的に重大な出血と後天性低フィブリノゲン血症を呈する患者において、フィブリノゲン製剤投与はクリオプレシピテート投与に対し、バイパス手術後24時間に輸血された血液成分単位に関して非劣性であることが示された。カナダ・Sunnybrook Health Sciences CentreのJeannie Callum氏らによる無作為化試験「FIBRES試験」の結果で、著者は「フィブリノゲン製剤は、心臓手術後に後天性の低フィブリノゲン血症を呈する患者の輸血療法において使用可能と思われる」と述べている。大量出血は心臓手術では一般的な合併症であり、出血の重大な原因として後天性の低フィブリノゲン血症(フィブリノゲン値<1.5~2.0g/L)がある。後天性低フィブリノゲン血症に対してガイドラインでは、フィブリノゲン製剤もしくはクリオプレシピテートによるフィブリノゲン補充療法が推奨されているが、両製剤には重大な違いがあることが知られており、臨床的な比較データは不足していた。JAMA誌オンライン版2019年10月21日号掲載の報告。

ありふれた降圧薬で自殺リスクが高まる?

 ありふれた降圧薬の使用で自殺リスクが高まる可能性があることが、セント・マイケルズ病院(カナダ)のMuhammad Mamdani氏らの研究で明らかになった。アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)を使用している患者は、ACE阻害薬を使用している患者と比べて、自殺により死亡するリスクが有意に高いことが分かった。ただし、今回の研究では因果関係は明らかになっておらず、同氏らは結果の慎重な解釈を求めている。結果の詳細は「JAMA Network Open」10月16日オンライン版に掲載された。