循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

PCI施行STEMI患者、アスピリン投与は省略できるか/NEJM

 ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者において、プライマリPCI施行前に開始した低用量プラスグレル単剤療法は、アスピリン+プラスグレルの抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)に対して、12ヵ月時点の全死因死亡、脳卒中、心筋梗塞の複合に関して非劣性を示さなかった。近畿大学の高橋 邦彰氏らPREMIUM Trial Investigatorsが、国内69病院で実施した多施設共同非盲検無作為化試験「PREMIUM試験」の結果を報告した。欧米のガイドラインでは、出血リスクが高くない急性冠症候群患者には、虚血性イベントの2次予防としてPCI後少なくとも12ヵ月のDAPTが標準治療として推奨されている。

リバウンド後も糖尿病リスク低下を維持した減量法は?

 減量は主要心血管イベント(MACE)や糖尿病(T2D)のリスク低下につながる。では、減量10年後のリスク変化をデータ化した場合、運動様式によって変化はあるのであろうか。このテーマについて、米国・アラバマ大学バーミンガム校保健医療学部栄養科学科のAbdelrahman M. Elshakankiry氏らの研究グループは、過体重の女性を対象に食事療法や運動療法などを実施し、10年後のリスク変化予測とその推移を検討した。その結果、減量はMACEおよびT2Dのリスクを低下させるが、体重のリバウンドに伴い両リスクとも再び上昇することがわかった。Obesity誌オンライン版2026年8月23日号に掲載。

たこつぼ症候群とACSの早期鑑別、新診断スコアBioTAKが高い鑑別能

たこつぼ症候群(TTS)は胸痛、心電図異常、心筋バイオマーカー上昇を呈し、急性冠症候群(ACS)と臨床像が重なる。現行の診断では、臨床評価や精神・神経疾患歴、反復心画像検査、責任冠動脈病変の除外のための侵襲的冠動脈造影(ICA)が中心となり、早期鑑別が課題となっている。今回、スイス・チューリッヒ大学のVictor Schweiger氏らがICA前のTTSとACSの早期鑑別を支援するバイオマーカーに基づく診断スコア(BioTAK)を開発・外部検証した結果を、2026年8月28~31日にドイツ・ミュンヘンで開催されたEuropean Society of Cardiology 2026(ESC2026、欧州心臓病学会)で発表し、European Heart Journal誌オンライン版2026年8月31日号に同時掲載された。

ESC心不全GL改訂、HFmrEF廃止・「急性心不全」は「非代償性心不全」へ/ESC2026

 欧州心臓病学会(ESC)による新たな心不全診療ガイドライン「2026 ESC Guidelines for the management of heart failure」がEuropean Heart Journal誌オンライン版2026年8月28日号でオンライン公開され1)、8月28~31日にドイツ・ミュンヘンで開催されたEuropean Society of Cardiology 2026(ESC2026、欧州心臓病学会)において改訂の要点が解説された2)。今回の改訂では、疾患の予防と早期治療の徹底、左室駆出率(LVEF)に基づく分類の簡素化、「急性心不全」から「非代償性心不全」へ名称変更、新たな治療分類(FMT・AMT・GDIT)の導入など、時代に即した大幅な再定義が行われている。

亜鉛欠乏はCKM症候群の進行リスクを高めるか

心血管・腎・代謝(CKM)症候群は、代謝異常、慢性腎臓病(CKD)、心血管疾患が連続的に進展する疾患概念として注目されている。微量元素の1つである亜鉛が欠乏することで心血管・腎アウトカムの悪化をもたらすことが報告されているものの、CKM症候群の進行との関連は十分に明らかでない。今回、台湾・Chi Mei HospitalのKuan-Chieh Tu氏らは、CKMステージ1または2の成人において、亜鉛欠乏はCKMステージ3~4への進行リスク上昇と有意に関連していたことを明らかにした。本研究結果は、Frontiers in Nutrition誌2026年7月23日号に掲載された。

PREVENT時代にCACスコアは何を加えるのか―予測能と臨床的有用性を巡って(解説:野間重孝氏)

2026年ACC/AHA/Multisociety脂質異常症ガイドラインでは、動脈硬化性心血管疾患(atherosclerotic cardiovascular disease:ASCVD)の1次予防における10年リスク評価に、Predicting Risk of Cardiovascular Disease EVENTS(PREVENT)によるASCVD予測式が採用され、境界域リスク(3%以上5%未満)または中間リスク(5%以上10%未満)でスタチン開始の判断が定まらない場合には、冠動脈石灰化(coronary artery calcium:CAC)スコアを考慮することが推奨された1)。

心筋梗塞の定義、3分類へ刷新/ESC2026

心筋梗塞の診断は、高感度心筋トロポニン検査や冠動脈・心臓イメージングの普及により精緻化してきた一方、従来のタイプ分類は日常診療で一貫して適用しにくい場面があった。そこで今回、英国のNicholas L. Mills氏を筆頭とするESC/ACC/AHA/WHF合同タスクフォースは、心筋梗塞のユニバーサル定義第5版(The Fifth Universal Definition of Myocardial Infarction:UDMI)を策定し、心筋梗塞を病態生理と臨床状況に基づき3分類へ再編、急性・慢性心筋障害との区別や診断基準などを更新した。本声明は、2026年8月28~31日にドイツ・ミュンヘンで開催されたEuropean Society of Cardiology 2026(ESC2026、欧州心臓病学会)での発表とともにEuropean Heart Journal誌オンライン版2026年8月28日号にも掲載された。

高リスク閉塞性睡眠時無呼吸、スマートウォッチが高精度に検出

 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は心血管疾患や神経認知機能障害などの長期的影響と関連する一方、終夜睡眠ポリグラフ(PSG)検査へのアクセスや費用の問題から診断・治療がなされないことが少なくない。今回、米国・スタンフォード大学のArash Alavi氏らは、一般消費者向けスマートウォッチであるSamsung Galaxy Watchによる中等症~重症OSAおよび高リスクOSAの検出性能を前向きに検討した。その結果、Galaxy Watchは中等症~重症OSAを高い精度で検出し、PSG由来の低酸素負荷(HB)で定義した高リスクOSAの識別でも良好な性能を示した。Journal of Clinical Sleep Medicine誌2026年8月27日号に掲載。

がん既往CKM症候群でもフィネレノンの効果は一貫(FINE-HEART)/Eur Heart J

心血管・腎・代謝(CKM)症候群では、共通のリスク因子や病態機序を背景にがんを併存する患者が少なくない。しかし、がん既往を有するCKM症候群患者において、非ステロイド型ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬フィネレノンの有効性・安全性が同様に得られるかは明らかではない。そこで、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のMihaly Ruppert氏らは、FINE-HEART統合解析を用いて、がん既往の有無別の臨床像、転帰、フィネレノンの治療反応を検討した。その結果、がん既往は全死亡および全入院リスクの上昇と関連したが、フィネレノンの治療効果はがん既往の有無にかかわらず一貫していた。本研究結果は、European Heart Journal誌オンライン版2026年8月18日号に掲載された。

PREVENT-ASCVD式に石灰化スコア追加、予測能への影響/JAMA

 45~79歳の米国成人において、アテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の10年リスク推定式であるPredicting Risk of cardiovascular disease EVENTs(PREVENT)-ASCVDに、冠動脈石灰化(CAC)スコアを追加しても、すべてのリスク群全体でモデルの識別能および再分類能の改善はわずかであり、一部の群では変化がみられなかった。米国・ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部のXiaoning Huang氏らが、同国6施設で実施された縦断的コホート研究「Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis:MESA試験」の解析結果を報告した。