循環器内科/心臓血管外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

非保護左主幹部狭窄に対するPCI vs.CABG、長期死亡率に差なし/Lancet

 非保護左冠動脈主幹部病変を有し、これ以外の複雑病変のない慢性または急性冠症候群の患者の治療において、10年時点での全死因死亡の発生に関して、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)と冠動脈バイパス術(CABG)には有意な差がなく、急性冠症候群のサブグループではPCIが10年全死因死亡率の低下と関連することが、デンマーク・オーフス大学病院のEmil Nielsen Holck氏らが実施した「NOBLE試験」の長期の追跡調査で示された。研究の成果は、Lancet誌2026年4月4日号に掲載された。

医師の働き方改革後、労働時間と収入はどう変わった?/医師1,000人アンケート

 ケアネットは2026年3月、会員医師1,000人を対象に「年収に関するアンケート」を実施した。最後の質問では、2024年4月からスタートした「医師の働き方改革」以降で、年収と労働時間がどう変化したかについて尋ねた。  2024年度以降の年収の変化では、「変わらない」が73%、「増えた」が9%、「減った」が18%だった。年代別では、「年収が増えた」の割合は35歳以下では14%、36~45歳では16%だった一方で、56~65歳は5%、66歳以上は1%と、年代が上がるにつれて減る傾向だった。若手は職位変化や専門医取得などの昇給機会が多いのに対し、ベテラン医師はそうした機会が少なく、体力面からアルバイト・副業なども減らす傾向にあることが背景にあるようだ。同様に「年収が減った」との回答割合も高齢層になるほど高かった。

虚血性脳卒中の2次予防、asundexian追加が有効性示す/NEJM

 非心原塞栓性虚血性脳卒中または高リスク一過性脳虚血発作(TIA)発症後72時間以内の患者において、血液凝固第XI因子(FXI)阻害薬asundexianの1日1回50mg経口投与は、抗血小板療法との併用下でプラセボと比較し大出血のリスクを増加させることなく、虚血性脳卒中および主要心血管イベントのリスクを有意に低下させることが、カナダ・McMaster UniversityのMukul Sharma氏らOCEANIC-STROKE Investigatorsが実施した「OCEANIC-STROKE試験」で示された。NEJM誌2026年4月16日号掲載の報告。

静脈インターベンションの世界からの新しいエビデンスの登場―詰まった静脈もやはり広げればよいのか?(解説:山下侑吾氏)

 循環器医や放射線科医を中心とするインターベンション医は、これまで「動脈」を対象とした血管内治療の世界を大きく切り開いてきた。長年にわたる貢献により同領域は高度に発展し、現在では一定の成熟を得た領域となったともいえる。一方で、同じ血管である「静脈」を対象とした血管内治療は、未知な部分も多く、今後の発展が望まれる領域といえる。近年、静脈領域としては、肺塞栓症や深部静脈血栓症に対するさまざまな血栓吸引デバイスが世界中で普及しつつあり、これまで同領域では、ほとんど皆無であったランダム化比較介入試験も報告され、信頼性の高いエビデンスが現在進行形で蓄積しつつある。C-TRACT試験は、このような静脈インターベンションの世界での新しい歴史を切り開く重要なエビデンスと考えられる。

腹部脂肪は心不全リスクと関連/AHA

 心不全リスクを知りたいのなら、BMIではなく腹部脂肪に注目する必要があるようだ。新たな研究で、腰回りに蓄積された脂肪は、身長と体重から算出されるBMIよりも心不全リスクとの関連が強いことが明らかになった。国立陽明交通大学(台湾)のSzu-Han Chen氏らによるこの研究結果は、米国心臓協会(AHA)の疫学・生活習慣科学セッション(EPI/Lifestyle Scientific Sessions 2026、3月17~20日、米ボストン)で発表された。Chen氏は、「この結果は、体重は正常範囲でも心不全を発症する人がいる理由を理解する手がかりになる」と述べている。

血栓後症候群、血管内治療が症状およびQOLを有意に改善/NEJM

 中等症または重症の血栓後症候群(PTS)および腸骨静脈閉塞を有する患者において、血管内治療は標準治療と比較し、6ヵ月後のPTS重症度を有意に軽減し健康関連QOLを改善した。ただし、出血リスクは高かった。米国・ワシントン大学のSuresh Vedantham氏らC-TRACT Trial Investigatorsが、同国29施設で実施した第III相無作為化非盲検評価者盲検比較試験「Chronic Venous Thrombosis: Relief with Adjunctive Catheter-Directed Therapy trial:C-TRACT試験」の結果を報告した。PTSは深部静脈血栓症(DVT)発症後によくみられ、下肢の重篤な症状により患者の活動性やQOLを著しく低下させることがある。

重症TRへの経カテーテル三尖弁置換術、実臨床で有用性を確認/JAMA

 重症三尖弁閉鎖不全(TR)を有する患者に対する経カテーテル三尖弁置換術(TTVR)の安全性と有効性について、実臨床データで確認されたことが、米国・Cedars-Sinai Medical CenterのRaj R. Makkar氏らによって報告された。TTVRは、新規デバイスのEVOQUE(Edwards製)に関するピボタル試験である無作為化試験「TRISCEND II試験」で、薬物療法よりも優れたアウトカムが示され、2024年に米国で承認されている。しかしながら実臨床データは限定的なままであった。JAMA誌オンライン版2026年4月13日号掲載の報告。

FXI阻害薬は有効かつ安全か?(解説:後藤信哉氏)

血液凝固第X因子の阻害薬FXa阻害薬はNOACs、DOACsなどと総称され、心房細動の脳卒中予防などに広く使用された。長らく続いた特許による独占も一部の薬剤については終了し、安価なジェネリック薬も使用可能となった。FXa阻害薬が十分に有効かつ安全であれば、特許切れにより安価となるところであった。しかし、実際はFXa阻害薬開発試験などを見直せば重篤な出血イベントリスクは年率2~3%あり、十分に安全とは言い難い。より出血イベントリスクの低い薬剤としてFXの、内因系の上流であるFXI阻害薬が開発された。

中等度リスク肺塞栓症、超音波補助カテーテル血栓溶解療法が有望/NEJM

 中等度リスクの肺塞栓症において、抗凝固療法への超音波補助カテーテル血栓溶解療法の併用により、抗凝固療法単独と比較して、7日以内の肺塞栓症関連死、心肺の非代償状態または虚脱、肺塞栓症の症候性再発の複合のリスクが有意に低下し、大出血のリスクには差がないことが、米国・マサチューセッツ総合病院のKenneth Rosenfield氏らHI-PEITHO Investigatorsが行った「HI-PEITHO試験」の結果で示された。中等度リスクの急性期肺塞栓症の治療では、静脈内血栓溶解療法は循環虚脱を予防するが、大出血や脳卒中のリスクを増加させることが、大規模無作為化試験で示されている。高周波・低出力の超音波エネルギーは血栓溶解作用を増強する可能性があり、tPA(アルテプラーゼ)によるカテーテル血栓溶解療法の補助として超音波を用いるデバイスは、有効性を保持しつつアルテプラーゼの投与量を減らし、注入時間を短縮する可能性が示されていた。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2026年3月28日号で報告された。

1型糖尿病合併CKDに対するフィネレノンの可能性と限界―FINE-ONE試験が示したもの(解説:石上友章氏)

1型糖尿病合併CKDに対する腎保護は、2型糖尿病合併CKDとは景色が異なる。2型ではSGLT2阻害薬が腎・心血管保護の中核に位置付けられ、そこにフィネレノンをどう上乗せするかが論点になりやすい。一方、1型では今なおインスリンを基盤とした良好な血糖管理が治療の根幹であり、KDIGOも1型では血糖管理の基盤をインスリンと整理している。さらにDCCT/EDICは、早期からの強化血糖管理が腎症を含む合併症の発症・進展抑制につながることを示しており、1型糖尿病合併CKDではまず血糖管理の質そのものが腎保護の出発点である。近年はCGM活用の重要性も一段と高まっている。