膠原病・リウマチ科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:1

辛い食品は炎症性腸疾患リスクを上げるのか

 潰瘍性大腸炎やクローン病を含む炎症性腸疾患(IBD)は世界的に有病率が増加しており、その原因として食事の関与が指摘されている。今回、サウジアラビア・保健省のAnas Almofarreh氏らが、辛い食品の毎日の摂取とIBDリスクとの関連を検討したところ、クローン病とは関連を示したが、潰瘍性大腸炎との関連は認められなかった。Nutrition誌2026年5月号に掲載。

活動性SLEがオビヌツズマブ上乗せにより改善/NEJM

 オビヌツズマブは、糖鎖改変されたII型抗CD20モノクローナル抗体で、強力なB細胞枯渇作用を有し、諸外国では活動性ループス腎炎の成人患者の治療薬として承認されている。米国・NorthwellのRichard A. Furie氏らは「ALLEGORY試験」において、活動性全身性エリテマトーデス(SLE)の治療薬として、プラセボと比較して同薬は、52週の時点で疾患活動性の指標などから成るSLEレスポンダー指数(SRI-4)の有意な改善をもたらし、重篤な有害事象の頻度に大きな差はないことを示した。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2026年3月6日号で報告された。  ALLEGORY試験は、14ヵ国の施設で実施した二重盲検無作為化プラセボ対照比較第III相試験(F. Hoffmann-La Rocheの助成を受けた)。2021年7月~2024年9月に、年齢18~75歳、増殖性または膜性ループス腎炎を伴わない活動性SLEで、標準治療を受けている患者303例を登録した。

3疾患を追加し8年ぶりに改訂「自己炎症性疾患診療ガイドライン2026」

 自己炎症性疾患とは、自然免疫系の遺伝子の異常で発症し、症状として発熱と眼、関節、皮膚、漿膜などに及ぶ全身炎症を特徴とする疾患である。その概念は比較的新しく1999年から提唱されている。現在では、診療技術の進歩などにより疾患分類なども整備されている。そして、その疾患の多くは希少疾病や難病として知られている。2017年に『自己炎症性疾患診療ガイドライン 2017』が発行され、遺伝学的検査など検査が一般的となり、日本免疫不全・自己炎症学会も創設された。その後、厚生労働科学研究などの研究班研究により、掲載疾患の改訂と新規疾患のガイドライン作成作業を経て『自己炎症性疾患診療ガイドライン2026』が発刊された。

発症前のアバタセプト投与により関節リウマチの発症が遅延

 長年使用されてきた生物学的製剤を事前に投与することで、関節リウマチ(RA)の発症を数年間遅らせることができる可能性のあることが、新たな研究で示された。アバタセプト(商品名オレンシア)を週1回、52週間にわたり投与された人では、RAの発症が最大で4年遅延したという。アバタセプトは、免疫細胞の活性化を抑えることでRAの原因となる免疫反応を低下させる薬剤であり、2005年末に米食品医薬品局(FDA)によりRA治療薬として承認された。英キングス・カレッジ・ロンドン、リウマチ性疾患センター長のAndrew Cope氏らによるこの研究の詳細は、「The Lancet Rheumatology」に1月20日掲載された。

希少疾病の入院患者はパーキンソン病が最も多い/MDV

 2月最終日の「世界希少・難治性疾患の日(Rare Disease Day:RDD)」を前に、メディカルデータビジョン(MDV)は、希少疾病・難病の入院患者推移を発表した。  データは、厚生労働省の「指定難病病名及び臨床調査個人票一覧表」から抽出し、2023年4月以降の同社のDPCデータを用い、入院患者数の年度別推移を分析したものである(対象期間:2023年4月~2025年9月、445施設)。  わが国の希少疾病を含む指定難病は、「原因不明、治療法の未確立、希少性および長期療養性を要件として厚生労働大臣が指定する疾病」であり、2025年4月時点で348疾病が対象となっている。  現在、課題として確定診断までの時間の長さや治療薬の未開発、臨床治験患者などの獲得の困難さなどが指摘されている。

SGLT2阻害薬の投与により自己免疫性リウマチ性疾患の発症が抑制される?(解説:住谷哲氏)

糖尿病合併症に慢性炎症が深く関与していることはよく知られている。そこで、慢性炎症を抑制する作用のある血糖降下薬があれば、それを選択するのが合併症予防のためには有用と考えられる。SGLT2阻害薬が糖尿病合併症である腎症や心不全の予後を改善することは現在ではほぼ確立しているが、その想定されているメカニズムの1つにSGLT2阻害薬の抗炎症作用がある1)。慢性炎症の持続が自己免疫性リウマチ性疾患の発症につながるのかは不明であるが、著者らはSGLT2阻害薬の抗炎症作用に着目して、SGLT2阻害薬の投与が自己免疫性リウマチ性疾患の発症抑制と関連するか否かをSU薬を対照として検討した。

シェーグレン病への疾患修飾薬の可能性:中等度から重度のシェーグレン病患者に対するニポカリマブの有効性と安全性(DAHLIAS試験)(解説:萩野昇氏)

シェーグレン“病”は、唾液腺・涙腺を中心とする自己免疫疾患ですが、近年「症候群」から「病(disease)」へ呼称が改められ、疾患としての実体がより明確に位置付けられました。21世紀以降、多くの膠原病・リウマチ性疾患の治療が飛躍的に進歩したのに対し、シェーグレン病は対症療法を行うしかない、いわば“取り残された疾患”でした。本論文(DAHLIAS試験)の新生児Fc受容体阻害薬(anti-FcRn monoclonal antibody)は、その停滞を打ち破る可能性を示しています。本試験には163例の中等度〜重症のシェーグレン病患者が参加し、平均年齢は約48歳、罹病期間は平均約6年でした。抗SS-A(Ro)抗体が陽性で、全身の病勢を示すスコア(ClinESSDAI)が6点以上の“臨床的活動性の高い”患者が対象です。

全身型重症筋無力症の治療薬ニポカリマブを発売/J&J

 Johnson & Johnson(法人名:ヤンセンファーマ)は、2025年11月12日に全身型重症筋無力症の治療薬として、ヒトFcRn阻害モノクローナル抗体ニポカリマブ(商品名:アイマービー)を発売した。  重症筋無力症(MG)は、免疫系が誤って各種の抗体(抗アセチルコリン受容体抗体、抗筋特異的キナーゼ抗体など)を産生する自己抗体疾患。神経筋接合部のタンパク質を標的として、正常な神経筋シグナル伝達を遮断または障害することで、筋収縮を障害もしくは妨げる。MGは全世界で70万人の患者がいると推定され性差、年齢、人種差を問わず発症するが、若い女性と高齢の男性に最も多くみられる。初発症状は眼症状であることが多く、MG患者の85%は、その後、全身型重症筋無力症(gMG)に進行する。gMGの主な症状は、重度の骨格筋の筋力低下、発話困難、嚥下困難であり、わが国には約2万3,000人のgMG患者がいると推定されている。

中等症~重症シェーグレン病、ニポカリマブが有用/Lancet

 中等症~重症の活動期シェーグレン病患者において、ニポカリマブ(本邦では全身型重症筋無力症の適応で承認)の15mg/kgの投与はプラセボと比較して臨床疾患活動性を有意に改善し、安全かつ良好な忍容性が認められた。米国・カンザス大学のGhaith Noaiseh氏らが、フランス、ドイツ、イタリア、日本、オランダ、ポーランド、ポルトガル、スペイン、台湾および米国の69施設で実施した第II相無作為化二重盲検プラセボ対照試験「DAHLIAS試験」の結果を報告した。ニポカリマブは、自己抗体を含む循環IgGを減少させる胎児性Fc受容体(FcRn)阻害薬である。シェーグレン病は、粘膜乾燥、疲労、慢性疼痛、全身臓器病変、自己反応性IgG抗体の上昇を特徴とし、これまでに承認された疾患修飾薬はなかった。Lancet誌オンライン版2025年10月24日号掲載の報告。

SGLT2阻害薬、自己免疫性リウマチ性疾患のリスクは?/BMJ

 韓国の大規模な2型糖尿病成人コホートにおいて、SGLT2阻害薬はスルホニル尿素(SU)薬と比較し自己免疫性リウマチ性疾患のリスクを11%低下させることが、韓国・成均館大学校のBin Hong氏らによる後ろ向きコホート研究の結果で示された。SGLT2阻害薬は、その潜在的な免疫調節能により自己免疫疾患への転用候補の1つと考えられているが、自己免疫病態に関与する発症経路における重要な細胞や分子に対する阻害作用が臨床的に意味を有するかどうかは依然として不明であった。著者は、「今回の結果は、SGLT2阻害薬が自己免疫疾患のリスク低減に寄与する可能性を示唆しているが、潜在的な有益性は、既知の有害事象や忍容性に関する懸念と慎重に比較検討する必要があり、他の集団や状況における再現性の検証、ならびに自己免疫性リウマチ性疾患患者を対象とした研究が求められる」と述べている。BMJ誌2025年10月15日号掲載の報告。