膠原病・リウマチ科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:6

日本における片頭痛患者の治療パターンと特徴

 日本における片頭痛患者にみられる実際の臨床的特徴や治療実践については、十分に調査されていない。慶應義塾大学の滝沢 翼氏らは、近年の片頭痛の臨床実態、現在の治療選択肢では十分にコントロールできていない可能性のある患者の特徴を明らかにするため、レセプトデータベースを用いたレトロスペクティブコホート研究を実施した。The Journal of Headache and Pain誌2024年2月8日号の報告。  大規模レセプトデータシステムJMDCデータベースを用いて、調査を行った。2018年1月~2022年7月に頭痛または片頭痛と診断された患者を対象とした頭痛コホート、頭痛コホート内で片頭痛と診断され片頭痛治療薬を使用した患者を対象とした片頭痛コホートとして定義し、検討を行った。頭痛コホートでは、医療機関の特徴、二次性頭痛を鑑別するための画像検査の状況を検討した。片頭痛コホートでは、急性期およびまたは予防的治療では十分にコントロールできていない可能性のある患者の治療パターン、および特徴を評価した。

関節リウマチ高リスク者へのアバタセプト、発症を抑制/Lancet

 アバタセプトによる12ヵ月間のT細胞共刺激抑制は、関節リウマチへの進行を抑制し、投与終了後も有効性を持続し、安全性プロファイルも良好であることが示された。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのAndrew P. Cope氏らが、英国の28施設およびオランダの3施設で行われた無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間比較第IIb相試験「APIPPRA試験」の結果を報告した。抗シトルリン化ペプチド抗体(ACPA)陽性、リウマチ因子(RF)陽性および炎症性関節痛などの症状を有する人は、関節リウマチを発症するリスクが高いとされている。著者は、「関節リウマチの発症リスクを有する段階での治療介入は可能である」とまとめている。Lancet誌オンライン版2024年2月13日号掲載の報告。

ACPA陽性患者へのアバタセプト、RA発症を抑制/Lancet

 抗シトルリン化ペプチド抗体(ACPA)陽性の高リスク患者において、アバタセプト6ヵ月投与は、MRIの炎症所見を改善し、関節リウマチの発症リスクを低下させ、その効果は1年間無投与の観察期間終了時まで持続した。ドイツ・フリードリヒ・アレクサンダー大学エアランゲン=ニュルンベルクのJuergen Rech氏らが、欧州の14施設で実施した無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験「Abatacept reversing subclinical inflammation as measured by MRI in ACPA positive arthralgia(ARIAA)試験」の結果を報告した。ACPA陽性で関節に触診で確認できない炎症性変化を有する患者は、関節リウマチを発症するリスクが高い。しかし、このような前臨床期疾患の進行を阻止する治療戦略は、まだ開発されていなかった。Lancet誌オンライン版2024年2月13日号掲載の報告。

早期閉経やホルモン補充療法は関節リウマチのリスク増加と関連

 女性は50歳未満での関節リウマチ(RA)の発症リスクが男性よりも4〜5倍高いが、この原因として、いくつかのホルモン因子が関与している可能性が新たな研究で示唆された。ホルモンや生殖に関わる因子とRAリスクとの関連を検討したところ、45歳前の早期閉経やホルモン補充療法(HRT)を受けていること、4人以上の子どもがいることなどがリスク上昇と関連していることが示されたという。安徽医科大学(中国)公共衛生学院のHai-Feng Pan氏らによるこの研究の詳細は、「RMD Open」に1月9日掲載された。  RAは、体の免疫系が関節を含む自分の組織を誤って攻撃してしまう自己免疫疾患であり、ダメージが他の臓器に及ぶこともある。RAリスクは男性よりも女性で高いことが以前から知られており、女性でのリスクは、50歳未満では男性の4〜5倍、60〜70歳では男性の2倍と推定されている。さらに、女性の方が男性よりもRAの進行速度が早く、疾患活動性も高いことも知られている。

ステロイド漸減中再発のリウマチ性多発筋痛症、サリルマブが有効/NEJM

 グルココルチコイド漸減中にリウマチ性多発筋痛症が再発した患者において、サリルマブ+prednisone漸減投与は、プラセボ+predonison漸減投与に比べ、持続的寛解の達成とグルココルチコイド累積投与量の減少に有意な有効性を示した。米国・コーネル大学のRobert F. Spiera氏らが、合計118例を対象に行った第III相多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験「Sarilumab in Patients with Polymyalgia Rheumatica (SAPHYR)試験」の結果を報告した。リウマチ性多発筋痛症の患者の半数以上が、グルココルチコイド漸減中に再発する。先行研究では、インターロイキン(IL)-6の阻害がリウマチ性多発筋痛症の治療で臨床的に有用である可能性が示されていた。

精神的苦痛の大きい白斑患者の特徴

 米国・Incyte CorporationのKristen Bibeau氏らが17ヵ国の白斑患者を対象に、白斑とQOL、メンタルヘルスとの関連性を調べる定性的研究を行った。その結果、世界的に白斑患者は、感情的幸福感(emotional well-being)、日常生活、心理社会的健康に大きな影響を受けていることが示された。その負荷は体表面積(BSA)5%超の病変を有する患者、肌の色が濃い患者、顔や手に病変がある患者で最も大きかった。また、本研究から、患者が振る舞いを変えたこと、明らかな不満を表出していたこと、うつ病と一致する症状を有していたことが示唆され、著者らは、これらが過小診断されている可能性があるとしている。JAMA Dermatology誌オンライン版2023年8月30日号掲載の報告。

標準治療に不応・不耐の若年性特発性関節炎、バリシチニブが有効/Lancet

 標準治療で効果不十分または不耐の若年性特発性関節炎患者の治療において、JAK1/2阻害薬バリシチニブはプラセボと比較して、再燃までの期間が有意に延長し、安全性プロファイルは成人のほかのバリシチニブ適応症で確立されたものと一致することが、英国・ブリストル大学のAthimalaipet V. Ramanan氏らが実施した「JUVE-BASIS試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2023年7月6日号で報告された。  JUVE-BASISは、日本を含む20ヵ国75施設で実施された二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験であり、2018年12月~2021年3月に患者の登録が行われた(Incyteのライセンス下にEli Lilly and Companyの助成を受けた)。

中等~重度RAへのperesolimab、疾患活動性スコアを改善/NEJM

 中等度~重度の関節リウマチ(RA)患者を対象とした第IIa相無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験において、peresolimabの有効性が示されたことを、米国・イーライリリーのJay Tuttle氏らが報告した。peresolimabは、内因性プログラム細胞死1(PD-1)阻害経路を刺激するようにデザインされたヒト化IgG1モノクローナル抗体である。この経路の刺激は、自己免疫疾患または自己炎症性疾患の新たな治療アプローチとなる可能性がある。今回の結果は、PD-1受容体の刺激がRA治療に有効であることを示唆するエビデンスを提供するものであり、著者は「RAに対するperesolimabの有効性と安全性を検証する、より大規模で長期的な試験が必要である」とまとめている。NEJM誌2023年5月18日号掲載の報告。

SLEへのバリシチニブ、SLE-BRAVE-II試験での有効性は?/Lancet

 全身性エリテマトーデス(SLE)の治療において、選択的ヤヌスキナーゼ(JAK)1/2阻害薬バリシチニブはプラセボと比較して、疾患活動性を改善せず、グルココルチコイド漸減の達成や初回の重度フレア発現までの時間の延長をもたらさないことが、米国・ジョンズホプキンズ大学のMichelle Petri氏らが実施した「SLE-BRAVE-II試験」で示された。Lancet誌オンライン版2023年2月24日号掲載の報告。  SLE-BRAVE-II試験は、日本を含む15ヵ国162施設で実施された二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験であり、2018年8月~2020年8月の期間に参加者のスクリーニングが行われた(Eli Lilly and Companyの助成を受けた)。

SLEへのバリシチニブ、第III相SLE-BRAVE-I試験の結果/Lancet

 オーストラリア・モナシュ大学のEric F. Morand氏らは、活動性全身性エリテマトーデス(SLE)患者を対象としたバリシチニブの無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「SLE-BRAVE-I試験」の結果、主要エンドポイントは達成されたものの、主要な副次エンドポイントは達成されなかったことを報告した。ヤヌスキナーゼ(JAK)1/JAK2の選択的阻害薬であるバリシチニブは、関節リウマチ、アトピー性皮膚炎および円形脱毛症の治療薬として承認されている。SLE患者を対象にした24週間の第II相試験では、バリシチニブ4mgはプラセボと比較して、SLEの疾患活動性を有意に改善することが示されていた。Lancet誌オンライン版2023年2月24日号掲載の報告。