整形外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:77

汚染メチルプレドニゾロン注射による真菌感染症、詳細が明らかに/NEJM

 米国で発生した汚染されたメチルプレドニゾロン酢酸エステル注射が原因の真菌感染症集団発生の患者について詳細が報告された。末梢関節感染が認められない人のうち、中枢神経系感染症は81%であり、また、E. rostratum(エクセロヒルム・ロストラツム)が検出されたのは36%だったことなどが明らかにされた。米国疾病管理予防センター(CDC)のTom M. Chiller氏らが、症例数が最も多かった6州の患者の診療記録を調査し明らかにしたもので、NEJM誌2013年10月24日号で発表した。なお、主な集団発生関連病原体のE. rostratumが原因の感染症については、その詳細はあまり明らかになっていないのが現状だという。

骨粗鬆症でない一般住民へのビタミンD補充/Lancet

 骨粗鬆症でない一般住民へのビタミンD補充はベネフィットが少ないことが、ニュージーランド・オークランド大学のIan R Reid氏らのシステマティックレビューとメタ解析の結果、示された。著者は「ビタミンD欠乏症に対する特異的なリスク因子のない一般住民は、骨粗鬆症予防目的でビタミンDを常用する必要がないことが示された」と結論している。Lancet誌オンライン版2013年10月10日号掲載の報告より。

関節への培養幹細胞注入は安全

 整形外科領域において、関節病変に対する幹細胞治療が期待されている。筋骨格系障害は非致命的な疾患であるため、幹細胞治療は安全性が必要条件となるが、オランダ・エラスムス大学医療センターのC.M.M. Peeters氏らはシステマティックレビューにより、関節への培養幹細胞注入は安全であることを報告した。潜在的な有害事象に十分注意しながら、幹細胞の関節内注入療法の開発を続けることは妥当と考えられる、と結論している。Osteoarthritis and Cartilage誌2013年10月号(オンライン版2013年7月4日号)の掲載報告。

疼痛評価に携わる看護師の知識と実践レベルは?

 熟練した疼痛評価には知識が必要であるが、中国・杭州師範大学のTong Ying Ge氏らによれば、中国における看護師の疼痛評価に関する知識は不十分で、自己報告された疼痛評価の実践レベルは低いことが示唆された。現在の教育は疼痛評価の実践に役立っていないため、新しいアプローチが必要だ、とまとめている。Pain Medicine誌2013年10月号(オンライン版2013年6月11日号)の掲載報告。

筋骨格系の疼痛は障害年金支給の予測因子

 筋骨格系の疼痛は、労働能力の損失による障害年金支給に影響を及ぼしていることが知られている。フィンランド・東フィンランド大学のAnnina Ropponen氏らは、23年間にわたる前向きコホート研究から、労働能力を障害している筋骨格系の疼痛は、変形性関節症や腰痛に起因した障害年金支給の早期かつ直接的な予測因子であることを明らかにした。Pain誌2013年10月号(オンライン版2013年5月24日号)の掲載報告。

痛みの訴え、言葉と態度ではどちらが配偶者の優しい反応を誘う?

 患者が痛みを訴えたとき、患者の配偶者はどのように反応するだろうか。米国・ペンシルベニア州立大学のStephanie J. Wilson氏らは、変形性膝関節症患者とその配偶者を対象に研究を行い、言語的および非言語的コミュニケーションいずれもが、疼痛表出に対する配偶者の肯定的および否定的反応に重要であることを示した。Pain誌2013年10月号(オンライン版2013年6月19日号)の掲載報告。

人工股関節術後死亡、過去8年で半減(英国)/Lancet

 変形性股関節症で人工股関節全置換術を受けた患者の術後90日死亡率は、8年間で半減(2003年0.56%から2011年0.29%)と大きく低下したことが示された。英国・ブリストル大学のLinda P Hunt氏らが、イングランドとウェールズのレジストリデータを、後ろ向きに解析し報告したもので、低下に寄与した因子についても分析を行い、術後アプローチ、機械的および薬物的な血栓予防処置、脊椎麻酔の4つを特定した。結果を踏まえて著者は「これらシンプルな臨床処置戦略を広く普及することで、それが要因となっている場合は、さらなる死亡率の低下が可能となるだろう」と述べている。Lancet誌2013年9月28日号掲載の報告より。