整形外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:92

日本におけるロコモの有病率と危険因子が明らかに!ロコチェックの有用性も

 日本において、ロコモティブシンドローム※(LS)の有病率は男性よりも女性の方が高いことが、弘前大学大学院 佐々木 英嗣氏らにより報告された。また、著者らは、LSの強力な危険因子は画像上の変形性膝関節症(膝OA)であること、LS患者は骨格筋量の減少、バランスと柔軟性が低下していること、ロコチェックは初期段階の関節障害を見つけることができ、LSの予防介入に有用であることも明らかにした。Journal of orthopaedic science誌オンライン版2012年11月1日付の報告。

慢性腰痛治療のエビデンス、高周波神経切離術は良、神経ブロックは可~良

 腰椎椎間関節への治療介入の効果に関する最新知見について、米国・Mid Atlantic Spine & Pain PhysiciansのFrank J.E. Falco氏らによるシステマティックレビューの結果が発表された。従来法の高周波神経切離術の使用に関するエビデンスは良(good)、腰椎椎間関節の慢性疼痛治療のための神経ブロックのエビデンスは可~良(fair to good)であり、短期または長期に鎮静が得られ身体的機能の改善が認められたことが明らかになったという。

表面置換型人工股関節置換術、とくに女性で再置換率が高い/Lancet

 表面置換型人工股関節置換術のインプラント残存率は、大腿骨頭径が大きな男性では全置換型人工股関節置換術とほぼ同等だが、それ以外の患者では全般に不良で、とくに女性で劣ることが、英国ブリストル大学のAlison J Smith氏らの検討で示された。従来の全置換型人工股関節のインプラント残存率は年齢が若い患者で不良なことが多いという。そのため、個々の患者の大腿骨頭に合わせた種々のサイズがある表面置換型の人工股関節など、新たなインプラントの開発が進められている。Lancet誌2012年11月17日号(オンライン版2012年10月2日号)掲載の報告。

疼痛治療「プラセボでも一定の効果が」臨床試験に課題も

 線維筋痛症(FMS)の症状軽減に対しプラセボ以上の治療効果が期待できる薬物療法は少なく、有害事象による脱落率が増加するといわれてきた。最近のシステマティックレビューによると、慢性疼痛の試験において、治療薬の有用性や副作用のかなりの割合は、プラセボに起因することが実証された。Winfried Häuser氏らはプラセボおよびノセボ反応(プラセボにより副作用が発現すること)の大きさを測定し、FMS適応承認のための医薬品の臨床試験においてそれらが薬の有用性に及ぼす影響を評価した。Clinical and experimental rheumatology誌オンライン版2012年11月8日号の報告。

脊椎手術後の最大有害事象、外科医は死亡に10点、患者は脳卒中に9.2点と評価

脊椎手術後のさまざまな有害事象の影響について、患者と医師の認識の度合いを調査した結果、双方ともに項目間にはかなりのばらつきがあり、全体的には患者の方が医師よりも有害事象の影響を強く認識していることが明らかになった。脊椎手術後の有害事象はなお多く発生しているが、これまで患者中心のアウトカム評価ツールは開発されていない。

RA自己抗体陽性+喫煙歴+過体重、27ヵ月後の関節炎発症リスクは60%まで上昇

 喫煙および過体重は、関節リウマチ(RA)発症リスクを有する自己免疫陽性の集団において、関節炎の発症リスクを増大することが、オランダ・アムステルダム大学のMaria J H de Hair氏らによる前向き研究の結果、示された。RAの遺伝的素因、およびその発症に血清自己抗体の発現と環境因子が関与していることは知られているが、喫煙と過体重のRA発症への寄与については、これまで検討されておらず不明であった。

大腿骨頸部全置換術後、圧迫寒冷療法でアウトカム良好に

大腿骨頸部の関節形成術後に圧迫寒冷療法を行うことで、術後出血が減り、術後の鎮痛薬使用の減少および入院期間の短縮、創部の浸出液の減少、術後6週時点の疼痛もより小さい傾向がみられたことが報告された。オランダ・Spaarne HospitalのLeegwater氏らが、患者30例を対象とした無作為化試験の結果、報告したものである。