成人の慢性疼痛患者 6人に1人は小児期から 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/09/25 小児期の慢性疼痛は成人期になっても続く場合があることが、米国・ミシガン大学のAfton L. Hassett氏らのアンケート調査で確認された。成人の慢性疼痛患者の6人に1人は小児期または青年期に慢性疼痛の既往があり、こうした患者の多くは広範痛で、神経障害を来しており、精神疾患や身体機能悪化を伴う傾向にあったという。Journal of Pain誌オンライン版2013年9月9日号の掲載報告。 疼痛のため大学病院の疼痛専門クリニックを新たに受診した、成人患者1,045例(平均年齢49.5±15.4歳)を対象に、自己評価質問票を用い疼痛の特性を小児期も含めて調査した。 主な結果は以下のとおり。 ・成人慢性疼痛患者の約17%(176例)が小児期(または青年期)に慢性疼痛の既往があり、そのうち約80%の患者は小児期の疼痛が現在まで続いていた。 ・小児期慢性疼痛の既往を有する患者は、68%が女性で、85%は広範痛を有していた。 ・同患者は小児期慢性疼痛の既往がない患者に比べ、線維筋痛症のリスクが約3倍(オッズ比[OR]:2.94、95%信頼区間[CI]:2.04~4.23)であり、慢性疼痛の家族歴がある場合のリスクは約2倍(同:2.03、1.39~2.96)、精神疾患を有する近親者がいる場合のリスクは約3倍(同:2.85、1.97~4.11)であった。 ・小児期慢性疼痛の既往を有する患者は既往がない患者に比べ、疼痛に関して神経障害性疼痛をうかがわせる表現を用い(OR:1.82、95%CI:1.26~2.64)、やや身体機能状態が悪く(p=0.002)、不安が増加していた(OR:1.77、95%CI:1.24~2.52)。 ~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中! ・身体の痛みは心の痛みで増幅される。知っておいて損はない痛みの知識 ・脊椎疾患にみる慢性疼痛 脊髄障害性疼痛/Pain Drawingを治療に応用する ・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは? (ケアネット) 原著論文はこちら Hassett AL et al. J Pain. 2013 Sep 7. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] mRNAインフルエンザワクチンが「速い」「安い」「確実」を実現するかもしれない(解説:栗原宏氏)(2025/12/31) MASH(代謝異常関連脂肪性肝炎)に対するGLP-1/グルカゴン共受容体作動薬ペムビドチド24週間治療の成績;肝線維化ステージは改善せず(解説:相澤良夫氏)(2025/12/31) 子宮頸がん検診の選択肢に自己採取HPV検査を支持/米国がん協会(2025/12/31) がん免疫療法、投与時刻が効果に影響(2025/12/31) 認知機能低下のサインは運転行動に現れる?(2025/12/31) 疼痛治療薬の副作用が心不全の誤診を招く?(2025/12/31) お尻の形で糖尿病リスクを予測できる?(2025/12/31) 健康診断の新視点、筋肉量指標で高血圧リスクを見える化(2025/12/31) 飛行機や病院の空気中の微生物は皮膚由来の無害な細菌が優勢(2025/12/31)