整形外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:78

脊椎手術研究の有害事象報告、4割にバイアス

 最近、企業主導型の脊椎手術研究における報告記事について、有害事象の報告に関する懸念が生じている。対策として独立した臨床事象判定委員会(CEC)による評価が行われることがあるが、これまで、有害事象の報告にどの程度研究者バイアスが存在しているか、CECがバイアス削減にどう影響するかを検討した報告はなかった。

睡眠障害は痛覚過敏を誘発する

 慢性疼痛患者では睡眠障害が非常によくみられることから、睡眠障害や睡眠不足と疼痛知覚との関連の解明が重要な研究課題となっているが、これまでのところヒトにおける研究で一貫した結果は得られていない。ドイツ・ハイデルベルグ大学のSigrid Schuh-Hofer氏らは、健常人において、全断眠(TSD)は全般的な痛覚過敏を誘発するとともに状態不安を高めることを示した。

腰痛持ち女性の多くがマッサージやカイロに通う

 腰痛患者は補完代替医療(CAM)を含むさまざまな医療サービスを受けているといわれている。なかでも女性は男性よりも頻繁にCAMを利用する傾向にあるが、その利用パターンは十分わかっていない。オーストラリア・シドニー工科大学のVijayendra Murthy氏らは、大規模コホート研究について解析し、腰痛持ちの女性は多くが従来医療と並行してCAMも利用していることを明らかにした。

外側楔状足底板使用でも変形性膝関節症の痛みは軽減しない/JAMA

   変形性膝関節症の人において外側楔状足底板を使用しても痛みの軽減効果はないことが、英国・マンチェスター大学のMatthew J. Parkes氏らによるメタ解析の結果、報告された。外側楔状足底板の効果については議論が分かれ、コンセンサスは得られていなかった。JAMA誌2013年8月21日号掲載の報告より。  研究グループは、2013年5月までにCochrane Central Register of Controlled TrialsやMedlineなどのデータベースに登録された試験のうち、外側楔状足底板の使用による膝関節過重への効果について検討された無作為比較試験を抽出し、メタ解析を行った。データ抽出は2名の独立した研究者が行った。また、バイアスリスクの評価を2名のオブザーバーがCochraneバイアスリスクツールを用いて行った。

慢性疼痛は認知機能障害に影響するのか

 慢性疼痛を有する人は概して認知機能障害を有しているといわれる。オーストラリア・南オーストラリア大学のCarolyn Berryman氏らは、その関連を明らかにするため慢性疼痛患者におけるワーキングメモリ機能に関する文献のシステマティックレビューを行った。その結果、これまでの報告はバイアスリスクならびに不均一性が高いことが明らかになったと報告。

職業性腰痛の直接医療費は年間800億円超

 作業関連性(職業性)腰痛は労働人口において重大な健康問題であるが、有効な対策を講じるには職業性腰痛の総医療費とその内訳を明らかにする必要がある。しかし、米国を除き、職業性腰痛の経済的負担に関する報告はほとんどない。順天堂大学の伊藤弘明氏らは、わが国における職業性腰痛の直接医療費を算出し、2011年度は821億円にものぼることを明らかにした。著者は「職業性腰痛はわが国に相当な経済的負担をもたらしている」とまとめている。Industrial Health誌オンライン版2013年8月13日の掲載報告。  社会医療診療行為別調査、患者調査、労働力調査、全国健康保険協会、国民健康保険、長寿医療制度等のデータを用い、1日当たりの治療費、すべての原因による腰痛の治療日数、雇用率、職業性腰痛の推定患者数に基づき、2011年、2008年、2005年および2002年における職業性腰痛に要する年間医療費を算出した。