医療一般|page:6

新型コロナ治療に中和抗体カクテル療法を承認申請/中外

 中外製薬は6月29日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療のためのcasirivimabおよびimdevimabの抗体カクテル療法について、国内における製造販売の承認申請を行ったことを発表した。COVID-19患者を対象とした海外臨床第III相試験(REGN-COV 2067)の成績と、日本人における安全性・忍容性、薬物動態の評価を目的とした国内第I相臨床試験の成績に基づき、厚生労働省に特例承認の適用を求めた。  本抗体カクテル療法は、SARS-CoV-2に対する2種類のウイルス中和抗体(casirivimab+imdevimab)を組み合わせ、COVID-19に対する治療および予防を目的として、米国・リジェネロン社などが開発したもの。

COVID-19に対する政府対応の質がメンタルヘルスに及ぼす影響

 COVID-19のパンデミックは、公衆衛生、経済、メンタルヘルスに深刻なダメージを与えている。カナダ・トロント大学のYena Lee氏らは、ウイルス感染を減少させるための政府の厳格な措置をタイムリーに実施することが、メンタルヘルスにベネフィットをもたらすと仮定し、抑うつ症状発現率の減少に影響するかを調査するためシステマティックレビューを行った。Journal of Affective Disorders誌2021年7月1日号の報告。  政府が実施したCOVID-19に対する対応の厳格さおよびタイムリーさの違いがうつ症状の発症をどの程度緩和するかを調査するため、33ヵ国の研究(114件、64万37例)のシステマティックレビューを実施した。高所得国18ヵ国、上位中所得国9ヵ国、下位中所得国6ヵ国からのデータが含まれた。政府が実施したCOVID-19に対する対応の厳格さおよびタイムリーさの評価には、Oxford COVID-19 Government Response("Stringency")Indexを用いた。うつ病の定義は、PHQ-9スコア10以上またはPHQ-2スコア3以上とした。

JAMAが人種差別問題への取り組みを提示、編集長は辞任

 米国医師会(AMA)は6月3日、AMA組織内およびAMAが発行元となっている医学誌12誌における多様性や公平性、一体性の推進に向けた対策を発表した。「Journal of the American Medical Association(JAMA)」副編集長の一人、Edward Livingston氏の発言を発端とする論争を受けて、JAMA編集長のHoward Bauchner氏は6月末に同職を辞任する。  Livingston氏は今年2月、米国や医学界に構造的な人種差別はもはや存在しないという趣旨の発言を、JAMAポッドキャストで配信。それに対し、JAMAの編集チームは、「誤った見解であり、医学会に構造的人種差別はなお存在し、健康に良くない影響を与えていることを裏付けるエビデンスは豊富にある」とする論評を6月3日、同誌に掲載した。またBauchner氏および編集チームは、Livingston氏がコメントをポッドキャストに配信し、さらにそれに関連するツイートを配信するまでのチェック体制に不備があったことについて、謝罪文を発表している。

苦味に敏感な人は新型コロナ感染リスクが低い?

 ブロッコリーやセロリ、ケールの苦味を耐えがたく感じたことがあるだろうか。もしそうなら、あなたは、遺伝的に苦味に対する感度が非常に高い「スーパーテイスター」かもしれない。米バトンルージュ総合医療センターのHenry Barham氏らにより、「JAMA Network Open」に5月25日掲載された論文によると、スーパーテイスターの人たちは、新型コロナウイルスへの感染リスクと、感染に伴う入院のリスクが低い可能性があるということだ。  苦味を感じる受容体(T2Rs)は舌だけでなく呼吸器や消化器などさまざまな組織に発現し、自然免疫に関与していると考えられている。T2R38はT2Rsアイソフォームの一種で、上皮細胞の線毛上に存在し、苦味物質であるフェニルチオカルバミド(PTC)およびプロピルチオウラシル(PROP)に対する感受性が強い。T2R38は微生物の侵入などの刺激を受けると、一酸化窒素(NO)を放出させて微生物を死滅させるとともに、線毛運動を活発化して微生物の排除を促進する。苦味の感度は、個々人が持っているT2R38の遺伝子型によって異なる。

過剰な心膜脂肪で心不全リスクが上昇

 過剰な心臓周囲の脂肪(心膜脂肪)は心不全の発症リスクを高めるとする研究結果が報告された。この傾向は、特に女性で強い可能性があるという。米マウントサイナイ・アイカーン医科大学医学部准教授のSatish Kenchaiah氏らによるこの研究の詳細は、「Journal of the American College of Cardiology」6月1日号に発表された。  この研究は、動脈硬化症の多民族研究であるMESA(Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis)の胸部CT画像を用いて、心膜脂肪量(PFV)と心不全の発症リスクとの関連を調べたもの。対象としたCT画像は、研究開始時に心不全のなかった45〜84歳の男女6,785人(女性3,584人、男性3,201人)のものであった。

新型コロナワクチン後、乳房インプラント施行例でみられた免疫反応

 COVID-19ワクチン接種後、ヒアルロン酸注入歴などを有する症例で、まれに痛みや腫脹などの反応が報告されている。皮膚充填剤のような異物は、免疫系が刺激されることで何らかの反応を引き起こす可能性があるという。ドイツ・Marienhospital StuttgartのLaurenzWeitgasser氏らは、COVID-19ワクチン接種後1~3日の間に乳房インプラント施行歴のある4例で注目すべき反応がみられたとし、その臨床的特徴や経過をThe Breast誌オンライン版2021年6月18日号に報告した。

夏バテ対策のトップはこまめな飲水/アイスタット

 例年にない暑さが予想されている今年の夏。夏の暑さによる「夏バテ」は、老若男女を問わず起きりうる、身近な体調の悪化であり、生活の質や仕事や勉強の質を落とすリスクとなる。  この「夏バテ」について、働く世代の実際の状況はどのようなものか、株式会社アイスタットは6月18日にアンケートを行った。アンケートは、セルフ型アンケートツール“Freeasy”を運営するアイブリッジ株式会社の全国の会員30~69歳の300人が対象。 調査概要 形式:WEBアンケート方式 期日:2021年6月18日 対象:セルフ型アンケートツール“Freeasy”の登録者300人(30~69歳/全国)を対象

EGFR exon20挿入変異肺がんに対するDZD9008の可能性/ASCO2021

 EGFR exon20挿入変異(exon20ins)変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)に対するEGFR阻害薬DZD9008の第I相試験の結果が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)において、台湾大学のJames Chin-Hsin Yang氏から報告された。  EGFR exon20insはNSCLCの2%以下だが、これまでもいくつかの研究が行われている。本報告は、国際共同の2つの第I相試験を合算した中間解析結果である。 ・対象:EGFRまたはHER2 exon 20insを有する既治療の進行NSCLC ・介入:用量漸増コホートでは、DZD9008 50mg/100mg/200mg/300mg/400mg/日を投与、用量拡大コホートでは200mgと300mg/日を投与 ・評価項目: [主要評価項目]安全性、忍容性 [副次的評価項目]体内薬物動態、全奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、病勢制御率(DCR)、無増悪生存期間(PFS)

産後のうつ病やQOLに対するアクアエクササイズの効果

 産後うつ病の有病率は、約20%といわれており、女性、乳児、そしてその家族に深刻な影響を及ぼす疾患である。スペイン・Hospital Comarcal de IncaのAraceli Navas氏らは、出産後1ヵ月間の産後うつ病、睡眠障害、QOLに対する中~強度のアクアエクササイズプログラムの有効性および安全性を評価するため、ランダム化臨床試験を実施した。Journal of Clinical Medicine誌2021年5月30日号の報告。  プライマリケア環境下における評価者盲検多施設共同並行群間ランダム化対照試験を実施した。スペイン・マヨルカ島のSon Llatzer Hospital産科部門が管轄する5つのプライマリケアセンターより、合併症リスクの低い妊娠14~20週の妊婦を募集した。妊婦320人は、中~強度のアクアエクササイズケアを行う群(介入群)と通常ケアを行う群(対照群)にランダムに割り付けられた。出産後1ヵ月における睡眠の質(MOS睡眠尺度)、QOL(QOL評価尺度:EQ-5D)、不安または抑うつ症状(エジンバラ産後うつ病自己評価尺度:EPDS)を評価した。

AZ製コロナワクチンと血小板数低下の関連

 英アストラゼネカ社製の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種と、血小板数低下の関連の実態が報告された。その発生頻度はごくまれであることが分かった。英エディンバラ大学アッシャー研究所のAziz Sheikh氏らの研究によるもので、詳細は「Nature Medicine」に6月9日掲載された。  血小板は、血管が損傷したときに出血を防ぐのに役立つ血液中の成分。血小板数が少な過ぎると出血しやすくなる。また、特発性血小板減少性紫斑病という疾患では、血小板の減少に関連して血液が固まり血栓・塞栓ができやすくなる。

フローテーションRESTは慢性疼痛の緩和に有効?

 フローティング・タンクは慢性疼痛を緩和する手段には向かないようだ。ハノーバー医科大学(ドイツ)神経放射線学研究所のJorge Manuel氏らが、約100人の慢性疼痛患者を対象にフローテーション環境刺激制限療法(flotation restricted environmental stimulation therapy、以下、フローテーションREST)の疼痛軽減効果を検証する臨床試験を実施したところ、少なくともその長期的な効果に関しては期待外れの結果が示された。この臨床試験の結果は、「JAMA Network Open」に5月14日発表された。  フローテーションRESTとは、音や光が遮られたタンクの中で、皮膚温に温められた塩水に浮かぶというセラピーだ。もともとは、リラクゼーションやストレス軽減、睡眠の質の向上などを目的としたものだが、即時あるいは長期的な痛みの緩和効果も期待されていた。しかし、その効果が信頼性の高い方法で検証されたことはこれまでなかった。

緊急事態宣言で低下した身体活動量は宣言解除後も回復していない

 人々の身体活動が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに伴う緊急事態宣言によって減少し、宣言解除後も以前のレベルにまで回復していない実態が報告された。鹿児島大学医学部保健学科の牧迫飛雄馬氏らが、昨春の国内パンデミック第一波前後の変化を調べた研究結果であり、「International Journal of Environmental Research and Public Health」に4月30日、論文が掲載された。  COVID-19のパンデミックとそれに伴う緊急事態宣言によって、人々の身体活動が減少したとするデータが多く報告されている。しかし、緊急事態宣言解除後に人々の身体活動がどの程度回復したのかについては、あまり調査が行われていない。

交通事故の3割にドライバーの意識レベル低下が関与か―日本医大

 救急治療を要する負傷者が発生した交通事故の約3割に、運転中のドライバーの意識レベル低下が関与していた可能性が報告された。日本医科大学千葉北総病院ショック・外傷センターの小田有哉氏(現在の所属は神栖済生会病院)らの研究によるもので、詳細は「Acute Medicine and Surgery」に5月1日掲載された。意識レベル低下と関連する因子としては、過去の単独事故の履歴や高血圧などが有意である一方、年齢や性別は有意でないという。  自動車運転中の意識レベル低下は、重大な交通事故につながりかねない。商用車に関してはドライバーの健康上の問題による事故が年間300件程度発生しているとの報告があるが、自家用車の事故とドライバーの健康問題の関連はあまり研究されておらず、運転中の意識レベル低下の事故への影響はほとんど分かっていない。そこで小田氏らは、交通事故による外傷のため同センターへ救急搬送されたドライバーを対象に以下の検討を行った。

COVID-19入院患者へのトシリズマブを緊急使用許可/FDA

 中外製薬は6月25日、同社創製の関節リウマチ治療薬トシリズマブ(商品名:アクテムラ)について、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として米国食品医薬品局(FDA)が緊急使用を許可したと発表した。コルチコステロイドの全身投与を受けており、酸素補給、非侵襲的もしくは侵襲的な人工呼吸、またはECMOが必要な入院中の成人および2歳以上小児がその対象となる。  今回の緊急使用許可は、4つのランダム化比較試験におけるCOVID-19入院患者、計5,500例超の成績に基づいており、酸素補給または呼吸補助を必要とするコルチコステロイド投与中の患者の転帰を改善する可能性があることが示唆された。

妊婦、子供は?各学会のワクチン接種に対する声明まとめ

 新型コロナワクチンの接種が進む中、疾患等を理由として接種に対して不安を持つ人を対象に、各学会が声明を出している。主だったものを下記にまとめた。 ■日本感染症学会 「COVID-19ワクチンに関する提言(第3版)」 対象:全般 要旨:ワクチンの開発状況、作用機序、有効性、安全性等の基本情報 ■日本小児科学会 「新型コロナワクチン~子どもならびに子どもに接する成人への接種に対する考え方~」 対象:子供(12歳以上) 要旨:まずは子どもの周囲への成人の接種を進める。そのうえで、12歳以上の子供へのワクチン接種は本人と養育者が十分に理解したうえで進めることが望ましく、個別接種を推奨する。

抗精神病薬による体重増加と臨床効果との関係

 これまでの研究において、抗精神病薬で治療中の慢性期統合失調症患者では、体重増加と精神病理学的改善効果の関連が示唆されている。しかし、多くの交絡因子の影響により、その結果は一貫していない。中国・首都医科大学のYing Qi Chen氏らは、抗精神病薬未治療の初回エピソード統合失調症患者において、体重増加が抗精神病薬の治療効果と関連しているかについて、調査を行った。The Journal of Clinical Psychiatry誌2021年5月11日号の報告。

減量後のリバウンドを防ぐポイントは座位時間の短縮

 つらい思いをして減量に成功しても、しばらくすると体重が元に戻ってしまうことがある。このリバウンドを防ぐには、座位時間の減少が重要なポイントになるとする論文が発表された。減量成功後に体重を維持できている人の生活パターンを詳しく検討した結果、肥満者に比べて1日の座位時間が3時間短かったという。米カリフォルニア州立工科大学のSuzanne Phelan氏らの研究によるもので、詳細は「Obesity」6月号に掲載された。  Phelan氏らはこの研究で、米国で行われている商業ベースの体重管理支援サービス(Weight Watchers)を利用して20ポンド(約9.1kg)以上の減量に成功し、その後1年以上その体重を維持している18歳以上の人4,953人を「減量維持群」として設定。一方、ソーシャルメディアなどを通じて、BMI30以上で過去5年間の体重変化が±5ポンド(約2.3kg)以内の人650人を募集し、これを「対照群」とした。なお、減量維持群の「減量幅が20ポンド以上」という基準は、減量プログラム参加者のベースライン時の一般的な体重である200ポンドの10%に当たり、臨床的に意義のある減量幅に相当する。

生まれた順番で心血管イベントリスクが変わる?

 心臓の健康に対して、生活習慣と遺伝的因子が影響を及ぼすことは古くから知られている。この二つに加えて、出生順位ときょうだいの人数も心臓の健康に影響を与える因子である可能性が示された。スウェーデンから報告された研究によると、最初に生まれた子どもは、弟や妹よりも心血管イベント(心臓発作や脳卒中)のリスクが低く、また、きょうだいの有無や人数も心血管イベントや全死亡などのリスクと関連しているという。  この研究は、ルンド大学(スウェーデン)のPeter Nilsson氏らによって行われ、結果の詳細は「BMJ Open」に5月25日掲載された。Nilsson氏は、「きょうだいの人数や生まれた順番と健康との関連を理解するには、さらなる研究が必要だ。特にこれからの研究は、生まれた時点でのリスク評価と、成長過程で新たに発生するリスクとの関連に着目し、生物学的または社会学的なメカニズムの特定に注力すべき」と述べている。

良質な映画は困難に立ち向かう力になる?

 良質な映画には、見る人を楽しませるだけでなく、人生の困難に立ち向かう力となり、より良い人間でありたいという気持ちを高める効果もあることが、米オハイオ州立大学コミュニケーション学部のJared Ott氏らによる研究で示唆された。研究グループは、「こうした力を得るために、人は時に、難しい問題を扱った映画や悲しい気持ちになる映画を鑑賞するのではないか」との見方を示している。この研究結果は、「Mass Communication and Society」に4月21日発表された。