1ライン以上の治療歴のある再発/難治性多発性骨髄腫患者において、ベランタマブ マホドチン+ボルテゾミブ+デキサメタゾン(BVd)併用療法はダラツムマブ+ボルテゾミブ+デキサメタゾン(DVd)併用療法と比較して、全生存期間(OS)でも有意かつ臨床的に意味のあるベネフィットが得られたことが、第III相DREAMM-7試験の第2回中間解析で示された。ブラジル・Clinica Sao GermanoのVania Hungria氏らがLancet Oncology誌オンライン版2025年7月15日号で報告した。
DREAMM-7試験は、北米・南米・欧州・アジア太平洋地域の20ヵ国142施設で進行中の国際非盲検無作為化第III相試験である。1ライン以上の治療歴のある18歳以上かつECOG PS 0~2の多発性骨髄腫患者を対象に、BVd併用療法の有効性と安全性をDVd併用療法と直接比較している。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)で、重要な副次評価項目はOS、完全奏効以上の奏効を示した患者における微小残存病変(MRD)陰性率、奏効期間、後続治療におけるPFS(PFS2)、安全性など。本試験の初回解析(第1回中間解析、追跡期間中央値:28.2ヵ月)では、BVdがDVdと比べ、有意かつ臨床的に意味のあるPFSのベネフィットを示した。今回、追跡期間を延長した第2回中間解析におけるOSの結果を報告した。
主な結果は以下のとおり。
・2020年5月7日~2021年6月28日に494例をBVd群(243例)とDVd群(251例)に無作為に割り付けた。年齢中央値は64.5歳(四分位範囲:57.0~71.0)であった。
・更新されたデータカットオフ(2024年10月7日)および追跡期間中央値(39.4ヵ月、四分位範囲:14.6~42.9)において、BVd群はDVd群に比べて早期の持続的かつ有意なOSのベネフィットがみられた。
・OS中央値は、BVd群はNR(95%信頼区間[CI]:NR~NR)、DVd群はNR(95%CI:41.0~NR)であった(ハザード比[HR]:0.58、95%CI:0.43~0.79、p=0.0002)。
・完全奏効以上の奏効を示した患者におけるMRD陰性率は、BVd群が25%(95% CI:19.8~31.0)とDVd群の10%(同:6.9~14.8)の2倍以上高く、奏効期間中央値もBVd群は40.8ヵ月(同:30.5~NR)とDVd群の17.8ヵ月(同:13.8~23.6)の2倍以上長かった。
・PFS2中央値は、BVd群がNR(95%CI:45.6~NR)に対し、DVdでは33.4ヵ月(95%CI:26.7~44.9)であった(HR:0.59、95%CI:0.45~0.77)。
・最も多かったGrade3/4の有害事象は血小板減少症で、BVd群で56%、DVd群で35%に発現した。重篤な有害事象はBVdで53%、DVdで38%に発現した。
著者らは「BVd併用療法により、OS、PFS、MRD陰性率、奏効期間において、有意かつ臨床的に意味のあるベネフィットが示された。BVd併用療法は再発/難治性多発性骨髄腫の新たな標準治療となる可能性がある」と期待している。
(ケアネット 金沢 浩子)