医療一般|page:1

日本人統合失調症外来患者における抗精神病薬の多剤併用パターンを調査

 統合失調症治療において抗精神病薬単剤療法が推奨される標準療法であるにもかかわらず、2種類以上の抗精神病薬の併用と定義される多剤併用は、臨床現場で依然として一般的に行われている。佐賀大学の祖川 倫太郎氏らは、日本の統合失調症外来患者における抗精神病薬の多剤併用率とその要因について調査するため、全国横断調査を実施した。International Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2026年2月18日号の報告。  2024年10月21~25日に、医療機関36施設より3,657例の外来患者データを収集した。

透析患者でもGLP-1薬開始で心血管イベント・死亡リスク低下と関連

 維持透析を受けている腎不全の2型糖尿病患者において、GLP-1受容体作動薬(GLP-1薬)の新規使用は、他の一般的な血糖降下薬と比較して心血管イベントおよび全死因死亡のリスク低下と関連していたことを、米国・Duke University School of MedicineのBenjamin Catanese氏らが示した。Journal of the American Society of Nephrology誌オンライン版2026年3月12日号掲載の報告。  GLP-1薬は、透析を必要としない慢性腎臓病患者において心血管イベントリスクを低減することが報告されている。しかし、透析に至った腎不全患者におけるGLP-1薬の有益性は依然として不明であり、腎不全患者の心血管アウトカムを改善する治療選択肢は限られている。

辛い食品は炎症性腸疾患リスクを上げるのか

 潰瘍性大腸炎やクローン病を含む炎症性腸疾患(IBD)は世界的に有病率が増加しており、その原因として食事の関与が指摘されている。今回、サウジアラビア・保健省のAnas Almofarreh氏らが、辛い食品の毎日の摂取とIBDリスクとの関連を検討したところ、クローン病とは関連を示したが、潰瘍性大腸炎との関連は認められなかった。Nutrition誌2026年5月号に掲載。

SGLT2阻害薬、腎臓の加齢変化抑制の可能性――老化が速い魚で検証

 糖尿病などの治療に用いられているSGLT2阻害薬(SGLT2-i)という薬に、老化した腎臓を保護するように働く可能性があることが報告された。米MDI生物学研究所のHermann Haller氏らの研究によるもので、詳細は「Kidney International」3月号に掲載された。  この研究では、寿命がわずか4~6カ月のアフリカンターコイズキリフィッシュという小魚が用いられた。この魚は非常に老化が速いため、わずか数週間の研究でヒトの数十年分に相当する加齢現象を観察することができる。研究の結果、SGLT2-iの投与によって、加齢に伴う腎臓の変化が抑えられ、腎臓の健康が維持されることが示された。

貧血を伴わない鉄欠乏は、中等度~重度のアトピー性皮膚炎で高頻度に認められる

 中等度~重度のアトピー性皮膚炎(AD)では、貧血を伴わない鉄欠乏が高頻度に認められるとする研究結果が、「Nutrients」に11月28日掲載された。  ヴロツワフ医科大学(ポーランド)のMalgorzata Ponikowska氏らは、AD患者における鉄代謝の状態を評価し、疾患重症度および生活の質(QOL)との関連を検討した。解析対象は、中等症~重症のAD成人患者86人であった。  解析の結果、ヘモグロビン値は概ね正常であるにもかかわらず、鉄欠乏を示す鉄バイオマーカーの異常が、AD患者に多く認められた。具体的には、患者の45%はトランスフェリン飽和度が低く(Tsat 20%未満)、37%はフェリチン値が低く、26%は血清鉄が低値であった。

中年期の健康的な食事は認知機能低下リスクを抑制する?

 今日の食卓に並んでいるものが、高齢になったときの脳の老化に影響を与える可能性があるようだ。中年期に健康的な食事をしている人では高齢期に認知機能が低下するリスクが低いことが、新たな研究で示された。米ハーバードT.H.チャン公衆衛生大学院疫学・栄養学分野のKjetil Bjornevik氏らによるこの研究の詳細は、「JAMA Neurology」に2月23日掲載された。  Bjornevik氏らは、「野菜や魚を豊富に、ワインは適量を摂取することは、認知機能低下リスクの抑制に寄与していた一方、赤肉や加工肉、フライドポテト、糖分の多い飲料は認知機能の低下に関連していた。この結果は、健康的な食事が将来の脳の健康に有益である可能性を示唆している」と述べている。

EGFR・TP53変異NSCLCの1次治療、オシメルチニブ+化学療法がPFS改善(TOP)/ELCC2026

EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)において、TP53遺伝子変異は高頻度にみられ、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬単剤療法の効果不良と関連することが知られている。そこで、TP53遺伝子変異を併存するEGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者を対象として、オシメルチニブ+化学療法(FLAURA2レジメン)とオシメルチニブ単剤を比較する第III相試験「TOP試験」が中国で実施されている。本試験において、TP53遺伝子変異が併存する集団でも、FLAURA2レジメンが無増悪生存期間(PFS)を改善し、全生存期間(OS)も良好な傾向がみられた。欧州肺がん学会(ELCC2026)において、Yunpeng Yang氏(中国・中山大学がんセンター)が本試験のPFSの主解析およびOSの中間解析の結果を報告した。

医師の有料職業紹介事業の課題と提言/日医

 日本医師会(会長:松本 吉郎氏[松本皮膚科形成外科医院 理事長・院長])は、3月18日に定例の記者会見を開催した。会見では、医師会と四病院団体協議会が合同してまとめた「有料職業紹介事業に関するワーキンググループ報告書」の概要と日本医師会ドクターサポートセンターのリニューアルが説明された。  初めに松本氏が、「有料職業紹介事業について、利便性が高く、多くの医療機関が利用している一方で、違約金の高額化、需給のミスマッチなどさまざまな問題点がある。

認知症患者に対する抗精神病薬使用が死亡リスクに及ぼす影響は

 神経精神症状は、認知症で頻繁にみられ、機能低下、介護者の負担、死亡率の主要な要因となっている。症状が重症化したり、非薬物療法に反応しなくなったりすると、抗精神病薬を使用することが多いが、いまだに安全性への懸念が残っている。とくに、地域社会で生活する神経精神症状を有する患者において抗精神病薬の使用が生存率に及ぼす影響は依然として明らかになっていない。スペイン・Clinica Josefina ArreguiのKevin O'Hara-Veintimilla氏らは、認知症および神経精神症状を有する高齢者における抗精神病薬使用と全死亡率との関連性を検討するため、以前発表したシステマティックレビューおよびメタ解析の2次解析を行った。Dementia and Geriatric Cognitive Disorders誌オンライン版2026年2月10日号の報告。

冠動脈プラーク、女性は男性より少なくても高リスク

 女性は男性よりも動脈硬化の原因となるプラークの形成が少ない傾向にあるが、それは、必ずしも心臓の健康を守ることにつながるとは限らないようだ。冠動脈にプラークが認められる女性の割合は男性より少なく、量も少ない傾向があるにもかかわらず、心筋梗塞や胸痛による入院などの主要心血管イベント(MACE)のリスクは男性とほぼ同程度であることが明らかになった。米ハーバード大学医学大学院放射線医学分野のBorek Foldyna氏らによるこの研究の詳細は、「Circulation: Cardiovascular Imaging」に2月23日掲載された。

呼吸器感染症やアレルギーに対する点鼻ワクチン、動物実験で有望な結果

 注射を何本も打たれるのが嫌でワクチン接種を避けてきた人にとって、希望の持てるニュースがある。米国の主要5大学の科学者たちが、将来的にはインフルエンザや新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、細菌性肺炎、さらには一般的なアレルギーにまで効果を発揮し得る点鼻スプレー型ワクチンの開発に大きな一歩を踏み出したのだ。このワクチンのマウスでの実験に携わった米スタンフォード大学医学部の微生物学・免疫学教授であるBali Pulendran氏は、「これは医療のあり方を一変させる可能性がある」と語っている。この研究の詳細は、「Science」に2月19日掲載された。

デュピルマブ、水疱性類天疱瘡の適応追加/サノフィ

 サノフィは2026年3月23日、水疱性類天疱瘡に対するデュピルマブ(商品名:デュピクセント)の製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを発表した。水疱性類天疱瘡は、自己免疫性の表皮下水疱を生じるまれな疾患で、本邦では指定難病とされている。全身に強い痒みや水疱、紅斑、びらん、痛みを伴い、再発を繰り返すため、日常生活に深刻な影響を及ぼす。主に高齢者に発症し、標準治療にはステロイド薬や免疫抑制薬が使用されるが、長期使用による合併症や副作用への影響が指摘されている。

PCI後早期のLDL-C値55mg/dL未満達成でMACEリスク激減/日本循環器学会

 欧州心臓病学会(ESC)および欧州動脈硬化学会(EAS)のガイドラインでは、アテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の二次予防において、非常に高リスクな患者にはLDLコレステロール(LDL-C)55mg/dL未満、きわめて高リスクな場合には40mg/dL未満という目標値を推奨している1)。しかし、日本人患者においてこれほど厳格な管理が実際に予後を改善するかは十分に検証されていなかった。現在、日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」では、二次予防の目標値は、原則100mg/dL未満、ハイリスク者で70mg/dL未満と設定されている2)。

薬剤師による尿培養陽性患者のフォローアップが抗菌薬の適正使用を支援

 薬剤師が主導するフォローアッププログラムが尿培養陽性となった患者におけるantimicrobial stewardship(抗菌薬適正使用支援)を改善した。  この後ろ向きコホート研究では、救急外来(ED:emergency department)または緊急治療センター(UC:urgent care)を受診した際に尿培養検査で陽性反応が出た成人女性患者を対象とした。薬剤師がフォローアップと症状評価のために連絡を取り、尿路症状のある患者には抗菌薬療法を開始または変更し、症状のない患者には新たな抗菌薬処方は行わなかった。

アミバンタマブ治療肺がん患者向けサポート・プログラムを提供開始/J&J

 Johnson & Johnsonは2026年3月18日、EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)もしくはEGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の切除不能な進行・再発NSCLCで、アミバンタマブ・ボルヒアルロニダーゼ アルファ皮下注射(リブロファズ)もしくはアミバンタマブ点滴静注(ライブリバント)で治療を始める患者・家族などを対象としたペイシェント・サポート・プログラム「リブロファズ/ライブリバントwithMe(ウイズミー)」の提供を開始する。定期的な連絡および肺がんや上記治療薬に関する情報提供によって、同剤の適正使用を支援することを主な目的としている。

双極症患者の心理社会的機能回復を阻害している症状は?

 閾値下うつ症状は、双極症患者の機能回復を著しく阻害することが知られている。これまでの多くの研究では、これらの症状が機能に与える影響を評価するために全体的スコアが用いられてきた。スペイン・サン・パウ病院のC. M. Bonnin氏らは、寛解期双極症患者において、どの閾値下うつ症状が最も機能回復を阻害するのかを検証するため、本研究を実施した。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2026年2月14日号の報告。  対象は、双極症患者413例。17項目からなるハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)を用いて閾値下うつ症状を評価し、機能評価簡易検査(FAST)を用いて心理社会的機能を測定した。HAM-Dの項目に加え、機能障害に関連するその他の臨床的および人口統計学的変数を同定するために、二変量解析を行った。

BMIが低下するとがんのリスクも減少するか

体重の増加はがんの危険因子となるのであろうか。このテーマについて、米国クリーブランド・クリニック量的代謝研究センターのKenda Alkwatli氏らの研究グループは、米国人約14万人の健康記録からがん発症の相関を調査した。その結果、体重の減少は、肥満関連がんおよびそのほかのがんリスク低下と関連していることが判明した。Obesity誌2026年オンライン版3月10日号に掲載。

去勢抵抗性前立腺がんへのタラゾパリブ、一変承認を取得/ファイザー

 ファイザーは2026年3月23日、PARP阻害薬タラゾパリブ(商品名:ターゼナ)について、「遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌」に対する製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを発表した。  タラゾパリブは本邦において、前立腺がんに対し「BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌」を効能又は効果として、2024年1月に承認され、同年4月に発売している。

サシツズマブ ゴビテカン、HR+HER2-乳がんの適応追加/ギリアド

 ギリアド・サイエンシズは2026年3月23日、TROP-2を標的とする抗体薬物複合体(ADC)サシツズマブ ゴビテカン(商品名:トロデルビ)について、「化学療法歴のあるホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌」に対する適応追加承認を取得したことを発表した。  本承認は、CDK4/6阻害薬、内分泌療法およびタキサン系抗悪性腫瘍薬による治療歴を有し、化学療法歴のあるホルモン受容体陽性かつHER2陰性(HR+/HER2-)の手術不能な局所進行または転移・再発乳がんを対象に海外で実施された第III相TROPiCS-02試験および、国内第I/II相ASCENT-J02試験の第II相パートであるHR+/HER2の手術不能または再発乳がんコホートの結果に基づく。