腹膜播種を伴う胃がん、腹腔内パクリタキセル追加でOS延長(DRAGON-01)

提供元:ケアネット

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公開日:2026/06/23

 

 腹膜播種を伴う胃がんは予後不良であり、1次治療として全身化学療法が行われるものの全生存期間(OS)中央値は1年未満にとどまる。中国で実施された第III相ランダム化比較試験DRAGON-01において、腹腔内パクリタキセルを静脈内パクリタキセル+S-1療法に追加することで、OSが有意に延長することが報告された。JAMA Oncology誌オンライン版2026年5月21日号掲載の報告。

 パクリタキセルは腹膜腔内で高濃度を長時間維持できることから、腹腔内投与による局所制御向上が期待されてきた。DRAGON-01試験は、中国9施設で実施された多施設共同第III相比較試験であり、対象は胃腺がんかつ腹腔鏡で確認された腹膜転移を有し、腹膜外転移および既治療歴のない成人患者であった。

 患者はIP群(パクリタキセル50mg/m2静注+パクリタキセル20mg/m2腹腔内+S-1)とPS群(パクリタキセル70mg/m2静注+S-1)に2対1で割り付けられた。主要評価項目はOS、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、安全性、コンバージョン手術施行率などであった。

 主な結果は以下のとおり。

・222例(IP群148例、PS群74例)が解析対象となった。年齢中央値は59歳、腹膜播種指数(PCI)中央値は15で、比較的進行した腹膜病変を有する集団であった。
・追跡期間中央値72.2ヵ月時点で、OS中央値はIP群19.4ヵ月、PS群13.9ヵ月で、IP群で有意な延長を示した(ハザード比[HR]:0.67、95%信頼区間[CI]:0.50~0.90)。
・PFS中央値はIP群11.2ヵ月、PS群7.2ヵ月でこちらもIP群で有意な延長を示した(HR:0.72、95%CI:0.54~0.96)。
・3年OS率はIP群25.0%、PS群12.2%であり、長期生存割合にも差がみられた。
・コンバージョン手術施行率はIP群50.7%に対しPS群35.1%、ベースラインで腹膜細胞診陽性だった患者の陰性化率はIP群83.6%に対しPS群52.6%と、いずれもIP群で高かった。
・Grade3/4の有害事象はIP群38.5%、PS群41.9%で発生し、両群に大きな差はなかった。主な重篤有害事象は好中球減少、白血球減少、貧血などであり、治療関連死亡は認められなかった。
・IPポート関連合併症は27.0%に認められたが、多くは試験初期に発生しており、施設経験の蓄積による改善が示唆された。

 著者らは、「静脈内パクリタキセル+S-1療法への腹腔内パクリタキセル追加は、重篤な毒性を増加させることなく、OSを有意に改善した」と結論付けた。一方で、本試験には現在標準となりつつある免疫チェックポイント阻害薬併用療法が導入されておらず、PD-L1やMSI情報も未取得であった。今後は免疫療法との併用を含めた検証が必要とされる。

(ケアネット 杉崎 真名)