脳梗塞発症後4.5~24h、tenecteplase vs.抗血小板療法/JAMA

提供元:ケアネット

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公開日:2026/02/25

 

 非大血管閉塞性の急性期脳梗塞で、救済可能な脳組織を有する患者では、発症後4.5~24時間までの静脈内tenecteplase(遺伝子改変ヒト組織型プラスミノゲンアクチベータ)投与は標準治療と比較して、症候性頭蓋内出血のリスクが増加するものの、90日時点の良好な機能的アウトカムの達成率が有意に高いことが、中国・National Center for Neurological DisordersのGaoting Ma氏らOPTION Investigatorsが行った「OPTION試験」の結果で示された。脳梗塞の治療では、静注血栓溶解療法は発症から4.5時間以内に行うことが標準とされてきた。しかし近年、画像診断技術の向上により、血流は低下しているが死滅していない救済可能な脳組織(ペナンブラ)を詳細に特定できるようになり、治療時間枠の拡張の可能性が示唆されている。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2026年2月5日号に掲載された。

救済可能な脳組織を厳密に評価

 OPTION試験は、中国の48施設で実施した非盲検(アウトカム盲検)無作為化試験(Beijing Hospitals Authority Clinical Medicine Development of special funding supportなどの助成を受けた)。2023年6月~2025年8月に、非大血管閉塞性の急性期脳梗塞と診断され、最終健常確認時から4.5~24時間が経過した、救済可能な脳組織を有する成人(年齢18歳以上)患者566例(年齢中央値68歳[四分位範囲[IQR]:59~75]、女性196例[34.6%])を登録した。

 救済可能な脳組織の領域とは、不可逆的な損傷を受けた虚血コア(CT灌流画像で脳血流量が正常組織の30%未満)の体積が50mL未満で、かつ重度低灌流組織と虚血コアの体積比が1.2以上、これらの体積差が10mL以上などを満たした場合とした。

 被験者を、静脈内tenecteplase(0.25mg/kg、最大投与量25mg)の静脈内ボーラス投与を受ける群(282例)、または標準的内科治療(抗血小板療法)を受ける群(対照群、284例)に無作為に割り付けた。

NNTは11、24時間以内再灌流率も優れる

 ベースラインの全体のNIHSSスコア中央値は7点(IQR:5~9)、最終健常確認から無作為化までの時間中央値は12.0時間(IQR:8.6~16.7)だった。CT血管造影で最も頻度の高い動脈病変は、中大脳動脈M2~M4(39.2%[222例])、前大脳動脈(15.2%[86例])、後大脳動脈(13.8%[78例])の閉塞、および閉塞を伴わない大脳動脈狭窄(23.3%[132例])であった。

 主要アウトカムである90日時点における良好な機能的アウトカム(修正Rankinスケール[mRS]スコア:0または1点)を達成した患者の割合は、対照群が34.2%(97/284例)であったのに対し、tenecteplase群は43.6%(123/282例)と有意に優れた(リスク比[RR]:1.28、95%信頼区間[CI]:1.04~1.57、p=0.02)。1件の良好な機能的アウトカム達成に要する治療必要数(NNT)は11だった。

 90日時点におけるmRSの順序尺度分布の共通オッズ比は1.39(95%CI:1.04~1.86、p=0.03)であり、tenecteplase群で良好であった。90日時点の機能の独立(mRS:0~2点)の達成率(tenecteplase群62.8%vs.対照群55.3%、RR:1.14、95%CI:0.99~1.30、p=0.07)には両群間に差がなかった。

 また、24時間以内の再灌流の達成率(37.7%vs.28.8%、RR:1.31、95%CI:1.02~1.68、p=0.03)はtenecteplase群で優れた。

死亡率に差はない、24時間までの拡張を支持

 36時間以内の症候性頭蓋内出血の発生率は、tenecteplase群で有意に高かった(2.8%[8/281例]vs.対照群0%、補正後リスク群間差:2.85%、95%CI:1.16~5.54、p=0.004)。一方、90日時点の全死因死亡率は、両群間に差を認めなかった(5.0%[14/281例]vs.3.2%[9/284例]、RR:1.57、95%CI:0.69~3.57、p=0.28)。

 著者は、「これらの知見は、救済可能な脳組織を有する非大血管閉塞性の急性期脳梗塞の治療におけるtenecteplase静注療法の、発症から24時間までの時間枠の拡張を支持するものである」としている。

(医学ライター 菅野 守)