単純性淋菌感染症の治療において、zoliflodacinはセフトリアキソン+アジスロマイシンの併用療法に対して非劣性であり、安全性プロファイルは同等であることが、スイス・Global Antibiotic Research & Development PartnershipのAlison Luckey氏らZoliflodacin Phase 3 Study Groupが行った海外第III相無作為化非盲検非劣性試験の結果で示された。淋菌(N. gonorrhoeae)は複数の第1選択薬および第2選択薬に対して耐性を獲得しており、新たな治療薬の開発が世界的な公衆衛生上の最優先事項となっている。zoliflodacinは、新規作用機序で細菌のDNA複製を阻害するファーストインクラスの経口スピロピリミジントリオン系抗菌薬で、新たな標的(GyrB)を有し、多剤耐性菌株を含む淋菌に対して強力なin vitro活性を有することが示されていた。著者は、「本検討で示されたデータは、zoliflodacinが単純性淋菌感染症に有効な経口治療選択肢の1つとなりうる可能性を示唆するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2025年12月11日号掲載の報告。
zoliflodacin単回投与vs.セフトリアキソン+アジスロマイシン併用投与
本検討の被験者の適格要件は、臨床的に泌尿生殖器系の単純性淋菌感染症が疑われる12歳以上とされ、試験は、ベルギー、オランダ、南アフリカ共和国、タイ、米国の17の外来クリニックで実施された。試験参加国は、疾患有病率が高い国が選定され、参加施設は、HIVまたは性感染症とその治療に精通した研究経験のある主任研究者によって選定された。Feasibility調査票と試験前訪問調査で、性感染症症例管理ガイドライン、臨床サービス、リソース(施設、スタッフ、試験チームの構成案、試験参加施設で提供される標準的な性感染症サービス、検査能力の評価、試験経験、臨床試験の倫理レビューなど)の評価が行われた。
適格被験者は、zoliflodacin 3g(経口)単回投与群(zoliflodacin群)またはセフトリアキソン500mg(筋注)+アジスロマイシン1g(経口)の併用投与群(対照群)に2対1の割合で無作為に割り付けられた。治療の割り付けは被験者と試験担当医師には知らされたが、細菌検査室のスタッフおよび試験スポンサーの中央試験チームは、データベースがロックされるまで盲検化された。
主要エンドポイントは、細菌学的ITT集団における治癒判定(Test Of Culture[TOC]、6±2日目)時に細菌学的治癒(尿道または子宮頸管検体の培養検査で淋菌陰性または検出不能)を達成した患者の割合であった。有効性の主要解析で、治療群間差(対照群-zoliflodacin群)の両側95%信頼区間(CI)の上限が非劣性マージンの12%を下回った場合、非劣性と判定された。
推定治療群間差は5.3%、zoliflodacin単回投与の非劣性を確認
2019年11月6日~2023年3月16日に1,011例がスクリーニングされ、スクリーニング基準を満たさなかった81例を除く930例が無作為化された(zoliflodacin群621例、対照群309例)。被験者の平均年齢は29.7歳(SD 9.4)、815/930例(88%)が出生時男性に、115/930例(12%)が出生時女性に分類された。514/930例(55%)が黒人またはアフリカ系米国人、285/930例(31%)がアジア人、113/930例(12%)が白人であった。
泌尿生殖器系の細菌学的ITT集団におけるTOCに基づく細菌学的治癒率(主要有効性エンドポイント)は、zoliflodacin群90.9%(460/506例、95%CI:88.1~93.3)、対照群96.2%(229/238例、92.9~98.3)であり、推定治療群間差は5.3%(95%CI:1.4~8.6)で、事前に規定した非劣性マージンの要件を満たした。
zoliflodacin群の忍容性は概して良好で、有害事象は治療群間で類似していた。治療中に発現した主な有害事象は、zoliflodacin群では頭痛(61/619例[10%])、好中球減少症(42/619例[7%])、白血球減少症(24/619例[4%])で、対照群では注射部位疼痛(38/308例[12%])、好中球減少症(24/308例[8%])、下痢(22/308例[7%])であった。有害事象の大半の重症度は軽度または中等度であった。重篤な有害事象は報告されなかった。
(ケアネット)