ピーナッツアレルギーに経口免疫療法(OIT)は有効/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2014/02/10

 

 ピーナッツアレルギーを有する小児の脱感作に経口免疫療法(OIT)が有効であることが、英国・ケンブリッジ大学病院NHS財団トラストのKatherine Anagnostou氏らによる第II相無作為化比較対照試験「STOP II」の結果、示された。QOL改善、良好な安全性プロファイルが示され、免疫学的臨床検査値にも有意な変化が認められたという。結果を踏まえて著者は、「OITを非専門医の下では行ってはならないが、7~16歳児でのピーナッツOITは有効で忍容性も良好である」と結論している。ピーナッツOITの有効性に関する検討は先行して行われた第I相の小規模試験において示唆されていた。Lancet誌オンライン版2014年1月30日号掲載の報告。

7~16歳を対象に2~800mg/日摂取させ、6ヵ月時点で除去療法群と脱感作を評価
 STOP IIは、ピーナッツアレルギーを有する小児の脱感作に対するOITの有効性を確定することを目的に、対照(現在標準治療のピーナッツ除去療法)とOIT(ピーナッツプロテイン2、5、12.5、25、50、100、200、400、800mg/日を摂取)の有効性を比較した無作為化対照クロスオーバー試験で、NIHR/Wellcome Trust Cambridge Clinical Research Facilityで被験者を募り行われた。各群への割り付けは盲検化しなかった。

 適格とされたのは、ピーナッツ摂取直後に過敏反応を有し、プリックテストでピーナッツが陽性、二重盲検プラセボ対照食物負荷試験(DBPCFC)で陽性である7~16歳の若年者だった。主要慢性疾患(湿疹、鼻炎、喘息など)を有する者、保護者がピーナッツアレルギー疑い/診断の場合、また試験手技に消極的/実行不能の場合は除外した。

 主要アウトカムは脱感作で、6ヵ月時点のピーナッツプロテイン1,400mgによるDBPCFCが陰性である場合と定義した。なお対照群に割り付けられた被験者は、第2フェーズにおいてOITを受け、その後にDBPCFCを受けた。また検討では、免疫学的パラメータおよび疾患特異的QOLスコアについても測定し、intention to treatにて分析した。

6ヵ月の脱感作率、OIT群62%、除去療法群は0
 第1フェーズ試験後に主要アウトカムの脱感作が記録されたのは、OIT群62%(24/39例、95%信頼区間[CI]:45~78%)に対し、対照群は0(0/46例、同:0~9)であった(p<0.001)。

 OIT群のうち84%(95%CI:70~93%)が、26週間、800mg(ピーナッツ5個分に相当)/日の連日摂取に忍容性を示した。OIT後のピーナッツ摂取閾値増大の中央値は1,345mg(範囲:45~1400、p<0.001)、25.5倍(範囲1.82~280、p<0.001)であった。

 第2フェーズ試験後に、DBPCFCで1,400mg(ピーナッツ10個分に相当)に忍容性を示したのは54%、800mg/日の連日摂取に忍容性を示したのは91%(95%CI:79~98%)であった。

 また、QOLスコアはOIT後有意な改善を示した(変化の中央値:-1.61、p<0.001)。副作用は大半の患者で軽度であった。最もよくみられたのは胃腸症状で(悪心31例、嘔吐31例、下痢1例)、次いで摂取後の口のかゆみが6.3%(76例)、摂取後の喘鳴が0.41%(21例)であった。摂取後のアドレナリン注射例は0.01%(1例)だった。