不眠の重症度は日本人の認知症リスクに影響するか?

提供元:ケアネット

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公開日:2026/06/11

 

 睡眠障害は、認知症発症の修正可能なリスク因子である可能性が示唆されている。しかし、不眠症と認知症との関連性は依然として明らかになっていない。神奈川県立保健福祉大学のAung Thet Oo氏らは、高齢者における不眠症の重症度が認知症発症を促進させるかどうかを検討するため、本研究を実施した。Archives of Gerontology and Geriatrics誌2026年9月号の報告。

 本研究は、山梨県都留市の地域住民を対象とした7年間の縦断研究として実施した。2016年1月に機能障害のない65歳以上のすべての住民を対象にベースライン調査を実施し、高齢者5,255人が回答を行った。最長7年間のフォローアップ調査データを収集し、これを分析に含めた。認知症発症は、介護保険データを用いて評価した。不眠症の重症度は、アテネ不眠尺度を用いて測定した。不眠症の重症度と認知症発症との関連性を検討するため、制限付き3次スプラインモデルと時間変動型Cox比例ハザードモデルを用いた解析を行った。

 主な結果は以下のとおり。

・フォローアップ期間中に認知症を発症した参加者は、878例(16.7%)。
・不眠症の重症度と認知症発症リスクとの間に線形の用量反応関係があることが、スプライン曲線より示された。
・社会人口統計学的因子および健康特性を調整した後、不眠症の重症度が高いほど認知症発症率が高いことが示唆された(ハザード比:1.02、95%信頼区間:1.00〜1.04)。
・性別、年齢、学歴による層別解析およびベースラインから2年以内に認知症を発症した参加者を除外した感度分析の結果は、主要解析の結果と一致していた。

 著者らは「日本人高齢者において、不眠症の重症度が高いほど認知症発症リスクが高まることを示す、用量反応関係が認められた。これらの結果は、認知症予防戦略における不眠症の予防とマネジメントの重要性を裏付けている」としている。

(鷹野 敦夫)