これまでの研究では、1日の座位時間と抑うつ症状との関連性が検討されてきた。しかし、具体的な用量反応関係は依然として明らかになっていなかった。中国・Shenzhen Second People's HospitalのZhimao Cai氏らは、1日の座位時間と抑うつ症状との用量反応関係を調査した。Behavioural Neurology誌2026年号の報告。
本研究では、2007~18年に実施された米国国民健康栄養調査(NHANES)の参加者2万9,691例のデータを分析した。1日の座位時間とうつ病との非線形関連の可能性を探るため、平滑曲線フィッティングと閾値効果分析を用いた。1日の座位時間は、質問票を用いて収集し、うつ病の症状は、こころとからだの質問票(PHQ-9)を用いて測定した。
主な結果は以下のとおり。
・完全調整モデル3では、座位時間が1時間増加するごとに、抑うつ症状リスクが5%増加することが示された(95%信頼区間[CI]:1.02~1.07、p=0.0002)。
・1日の座位時間で分類したところ、1日8時間以上座っている人は、すべてのモデルにおいてうつ病リスクが有意に高いことが示唆された。
・モデル3では、1日8時間以上座っている人のオッズ比(OR)は、1日4時間未満の人と比較し、1.37(95%CI:1.12~1.69、p=0.0039)であった。
・閾値効果分析では、7時間が変曲点であることが特定された。この閾値以下では、有意な相関は認められなかった。
・一方、1日の座位時間が閾値を超えると、うつ病リスクの有意な増加が認められた(OR:1.07、95%CI:1.01~1.12、p=0.0184)。
著者らは「米国成人において、1日の座位時間とうつ病リスクの間に非線形な関連が認められた。これらの知見をさらに検証するためには、追加の研究が必要とされる」としている。
(鷹野 敦夫)