ベンゾジアゼピンの長期使用は統合失調症の認知機能低下と関連しているか

提供元:ケアネット

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公開日:2026/07/21

 

 統合失調症患者に対するベンゾジアゼピン(BZD)の長期使用と認知機能との関連については、十分に解明されていない。中国・上海交通大学のCaiping Liu氏らは、統合失調症におけるBZDの長期使用と認知機能との関係を調査するため、コホート研究を実施した。BMC Psychiatry誌オンライン版2026年6月10日号の報告。

 本研究では、中国の統合失調症患者を対象とした非定型抗精神病薬による治療に関する観察研究(SALT-C)のデータを用いて評価を行った。BZDを60日以上使用していた長期使用患者57例を対象とし、年齢、性別、罹病期間、使用された非定型抗精神病薬について傾向スコアを用いてマッチさせたBZD非使用患者57例との比較を行った。認知機能はモントリオール認知評価(MoCA)、精神病症状は陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)、疾患重症度は臨床全般印象度-重症度(CGI-S)尺度、心理社会的機能は個人的・社会的機能遂行度尺度(PSP)を用いて評価した。群間比較には、独立サンプルのt検定またはマン・ホイットニーのU検定を用いた。BZD使用者におけるBZD用量とMoCA合計スコアとの関連を評価するために、スピアマンの順位相関係数による分析を行った。また、MoCA合計スコアに関連する因子の検討には、重回帰モデルを用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・BZD長期使用患者は、BZD非使用患者と比較し、MoCA合計スコアが有意に低かった(16.02±6.69 vs.19.33±7.11、FDR補正p値=0.048)。
・PANSS、CGI-S、PSPの合計スコアでは、両群間に有意な差は認められなかった(各々、p>0.05)。
・BZD用量とMoCAスコアとの間には、有意な関連は認められなかった(r=-0.098、p=0.466)。
・重回帰分析において、認知機能の低下と独立して関連している因子は次のとおりであった。
【BZDの長期使用】β=-0.182、p=0.008
【PANSS合計スコア】β=-0.217、p=0.003
【抗コリン負荷】β=-0.199、p=0.008
・教育年数と認知機能との間には、正の関連が認められた(β=0.460、p<0.001)。

 著者らは「統合失調症患者において、BZDの長期使用は認知機能の低下と関連していることが明らかとなった。これは、認知機能をモニタリングし、長期にわたる投与を避けるべきであることを示唆している」としている。

(鷹野 敦夫)