ピロリ除菌後の胃がん、喫煙が独立したリスク因子

提供元:ケアネット

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公開日:2026/07/15

 

 Helicobacter pylori(H. pylori)除菌に成功した後も胃がんが発症するリスクは残存し、喫煙が独立したリスク因子であることが、日本の全国規模コホート研究で示された。現在喫煙者における毎日の飲酒は、非喫煙・非飲酒者と比較して胃がんリスクのさらなる上昇と関連していた。朝日生命成人病研究所 附属病院の新井 絢也氏らによる本研究はHelicobacter誌2026年5・6月号に掲載された。

 研究グループは、2014~23年の日本の医療保険請求データおよび健康診断データを用いて、後ろ向きコホート研究を実施した。H. pylori除菌に成功した患者を対象に、除菌開始から1年後を追跡開始時点として、最終保険記録日、胃がん発症、死亡のいずれか早い時点まで追跡した。主要評価項目は、除菌成功から1年以上経過後に発症した胃がんとした。対象は5万9,274例(平均年齢64.9歳、男性44.6%)で、平均追跡期間は3.66年であった。胃がん発症およびリスク因子の評価には、Kaplan-Meier法および年齢・性別で調整したCox比例ハザードモデルを用いた。

 主な結果は以下のとおり。

・追跡期間中に649例(1.44%)が胃がんを発症し、5年累積発症率は1.47%であった。男性および除菌時の高齢は胃がん発症率の有意な上昇と関連していた(p<0.001)。
・さまざまな生活習慣因子を検討した結果、喫煙のみが胃がんリスクの上昇と独立して関連しており、調整ハザード比(aHR)は1.37(95%信頼区間[CI]:1.05~1.78)であった。さらに、現在喫煙者における毎日の飲酒は、非喫煙・非飲酒者と比較して胃がんリスクのさらなる上昇と関連し、aHRは1.80(95%CI:1.22~2.66)であった。

 著者らは「本研究の結果から、H. pylori除菌成功後も胃がんリスクは残存し、喫煙は除菌後の胃がんリスク上昇と関連していることが示された。禁煙がこの集団におけるリスク低減に寄与する可能性がある。本結果は、年齢、性別といった特性とともに、喫煙、飲酒といった生活習慣因子を考慮することが、リスク層別化に基づいた検診戦略の設計に有用である可能性を示唆している。ただし、本研究は後ろ向き観察研究であるという制限があり、因果関係の確立には今後のさらなる検証が必要である」とした。

(ケアネット 杉崎 真名)