アジテーションは、アルツハイマー病による認知症患者にとって最も苦痛な神経精神症状の1つであり、患者のQOLに重大な影響を及ぼし、介護者の負担を増大させる。ドーパミン受容体パーシャルアゴニストであるブレクスピプラゾールは、アジテーションのマネジメントに有望な薬剤である。パキスタン・King Edward Medical UniversityのHammad Javaid氏らは、アルツハイマー病に伴うアジテーションのマネジメントに対するブレクスピプラゾールの有効性と安全性を評価するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Neurological Sciences誌2026年1月29日号の報告。
2025年1月までに公表された研究をPubMed、Cochrane、Scopus、Embase、ClinicalTrials.govより包括的に検索した。ランダム効果モデルを用いて、二値アウトカムをリスク比(RR)、連続アウトカムを平均差(MD)として、95%信頼区間(CI)とともに統合した。異質性の評価には、I2統計量およびカイ二乗検定を用いた。p値0.05未満を統計的に有意と判定した。すべての計算はRevMan 5.4を用いて実施した。
主な結果は以下のとおり。
・アルツハイマー病に伴うアジテーションを呈する認知症患者1,440例(944例vs.496例)を対象とした4つの研究をメタ解析に含めた。
・ブレクスピプラゾールは、CMAI(MD:-3.94[-6.21~-1.67]、p<0.001)およびNPI-NH(MD:-0.67[-1.08~-0.26]、p=0.002)において、2~3mg/日で最適な効果を示し、アジテーションの有意な軽減を示した。
・SASスコアには、わずかな悪化が認められたが(MD:0.38[0.18~0.58]、p=0.0002)、MMSE(p=0.06)およびCGI-S(p=0.06)は安定していた。
・重篤な有害事象、死亡率、めまい、錐体外路症状については統計学的に有意な差が認められなかった(各々、p>0.05)。
著者らは「ブレクスピプラゾールは、軽度の運動機能への影響が認められたものの、安全性に関する重大な懸念はなく、アルツハイマー病に伴うアジテーションを効果的に軽減した。本研究の限界としては、中程度の異質性と試験期間の短さが挙げられる。今後の研究において、長期的なアウトカムおよび患者の層別化について検討する必要がある」としている。
(鷹野 敦夫)