夜間血圧は、診療室血圧や昼間の血圧よりも健康アウトカムの予測因子として優れているが、超高齢患者における夜間高血圧の臨床的意義はわかっていない。今回、自治医科大学の藤原 健史氏らが実施した80歳以上を対象とした前向き観察研究の結果、夜間高血圧群は夜間正常血圧群に比べて複合心血管アウトカムのリスクが2.15倍と高いことが示された。Hypertension誌2026年3月号に掲載。
本研究は80歳以上の日本人高齢外来患者を対象とした前向き観察研究で、全患者にベースライン時に24時間自由行動下血圧測定を実施した。夜間高血圧は夜間の収縮期血圧120mmHg以上または拡張期血圧70mmHg以上、昼間高血圧は昼間の収縮期血圧135mmHg以上かつ拡張期血圧85mmHg以上と定義した。これらの血圧フェノタイプと複合心血管アウトカム(冠動脈疾患、脳卒中、うっ血性心不全、大動脈解離および全死因死亡)との関連をCox回帰分析で検討した。
主な結果は以下のとおり。
・追跡期間中央値3.9年(1,734人年)の間に、485例中72例(14.8%)に複合心血管アウトカムが発生した。年齢中央値は82歳(四分位範囲:81~85)、男性は44.7%、降圧薬服用者が89.3%であった。
・夜間高血圧と昼間高血圧はそれぞれ54.2%と33.6%に認められた。
・夜間正常血圧(夜間の収縮期血圧120mmHg未満かつ拡張期血圧70mmHg未満)と比較して、夜間高血圧は複合心血管アウトカムのリスク増加と関連し(調整後ハザード比[HR]:2.15、95%信頼区間[CI]:1.18~3.93)、この関連は昼間の血圧を調整後も持続した。
・昼間高血圧ではこのような関連は認められなかった(調整後HR:1.13、95%CI:0.57~2.22)。
本結果から、著者らは「夜間高血圧のスクリーニングにより、超高齢患者における複合心血管アウトカムの高リスク群が特定される」と結論している。
(ケアネット 金沢 浩子)