統合失調症スペクトラム症に最適な抗精神病薬の投与量は?

提供元:ケアネット

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公開日:2026/06/08

 

 急性期の統合失調症スペクトラム症に対する最適な抗精神病薬の用量に関する研究が進められている。しかし、依然として不明点が多く残存している。ドイツ・ミュンヘン工科大学の古川 由己氏らは、急性期統合失調症における抗精神病薬の用量反応関係を明らかにするため、2段階アプローチよりも多くの情報を活用した1段階用量反応メタ解析を実施した。EClinicalMedicine誌2026年3月26日号の報告。

 2025年1月13日までのCochrane Schizophrenia Groupレジストリーおよび2026年1月19日までのPubMedより、成人および小児・青年の急性期統合失調症患者を対象に、20種類の抗精神病薬を固定用量で検討した研究を検索した。主要アウトカムは、標準化平均差(SMD)を用いて要約した全般的な統合失調症症状とした。各薬剤を個別またはすべての薬剤をまとめて解析する、制限付き3次スプラインを用いた1段階ランダム効果用量反応メタ解析を実施した。エビデンスの確実性は、GRADEを用いて評価した。研究には、当事者経験者は参加しなかった。

 主な結果は以下のとおり。

・131件の研究(参加者:4万715例)を解析対象とした。
・成人の平均年齢は39.24歳、女性の割合は31.8%。小児・青年の平均年齢は15.68歳、女性の割合は45.1%であった。なお、人種、民族に関するデータは入手不可であった。
・急性増悪の統合失調症患者において、ほとんどの抗精神病薬の全般的症状に対する用量反応曲線は双曲線状であり、承認されている低用量から中用量の範囲、すなわちリスペリドン換算3~5mg付近でプラトーに達していた。
・amisulpride、ブロナンセリン、cariprazine、クロザピン、ハロペリドール、lumateperone、ziprasidoneの用量反応関係に関するエビデンスの確実性は、低~非常に低いであった。
・オランザピン/samidorphan、xanomeline/trospium、ゾテピンについては、用量反応メタ解析を実施するのに十分な研究が見つけられなかった。
・小児と青年では、用量反応曲線に明確な違いは見られなかったが、データは少なく、確実性も低~非常に低いであった。

 著者らは「通常、抗精神病薬は、推奨用量の低用量から中用量の範囲で治療効果の大部分を発揮する。この知見は、抗精神病薬を臨床使用するに当たり、一般的な参考値となりうるが、実際には個人差が生じることが予想される。用量反応関係に対する潜在的な効果修飾因子の影響を明らかにするためには、さらなる研究が必要とされる」としている。

(鷹野 敦夫)