侵襲的冠動脈造影を受ける患者、冠微小循環障害の予後への影響/Lancet

提供元:ケアネット

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公開日:2026/06/08

 

 虚血性心疾患が疑われ侵襲的冠動脈造影検査を受けた患者において、冠微小循環障害(CMD)は心外膜冠動脈疾患と併存しており、CMDを有する患者は全死因死亡、心筋梗塞、臨床的に必要と判断された再血行再建術、または心不全による入院の複合リスクが有意に高いことが示された。韓国・成均館大学校のJoo Myung Lee氏らが同国の3次医療機関7施設において実施した研究者主導の前向き多施設コホート研究「FLOW-CMDレジストリ」の結果を報告した。CMDは、心外膜冠動脈疾患と併存することが多いが、侵襲的冠動脈造影を受ける患者におけるCMDの有病率と予後に関するデータは乏しかった。Lancet誌オンライン版2026年5月21日号掲載の報告。

造影検査、生理学的評価を行い、FFR、CFR、IMRがすべて得られた患者を追跡評価

 研究グループは、虚血性心疾患が疑われ侵襲的冠動脈造影検査を目的として紹介された18歳以上の連続患者において、冠動脈造影検査後に中等度の心外膜冠動脈狭窄(目視で狭窄率40~90%と推定)を有する全患者に対し包括的な冠動脈生理学的評価を行った。

 多枝病変を有し、少なくとも1本の冠動脈で3つの生理学的指標(冠血流予備量比[FFR]、冠血流予備能[CFR]、微小循環抵抗指数[IMR])のすべてが得られた患者を適格患者として登録し、CMDの有病率と予後について評価した。

 主要エンドポイントは、全死因死亡、心筋梗塞、臨床的に必要と判断された再血行再建術、または心不全による入院の複合とした。

 CMDはCFR<2.0かつIMR≧25と定義するとともに、閉塞性心外膜冠動脈疾患はFFR≦0.80の中等度狭窄、またはFFR測定を行わず血行再建術を施行した重度狭窄(狭窄率>90%)と定義した。

CMD有病率は心外膜冠動脈疾患の患者で高く、CMD患者は心血管イベントリスク上昇

 2022年4月22日~2024年11月19日に5,764例がスクリーニングされ、1,003例の患者が登録された(男性756例、女性247例)。

 CMDは、1,003例中163例(16.3%)に認められた。閉塞性心外膜冠動脈疾患を有していた573例では123例(21.5%)に、閉塞性心外膜冠動脈疾患を有していない430例では40例(9.3%)にCMDが認められた。

 追跡期間中央値1.9年において、主要エンドポイントのイベントは、CMD患者群で26例(2年Kaplan-Meier推定値18.8%)、非CMD患者群で70例(10.5%)に発生し、CMD患者群で高率であった(ハザード比:1.91、95%信頼区間:1.22~2.99、p=0.0047)。

(医学ライター 吉尾 幸恵)

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コメンテーター : 野間 重孝( のま しげたか ) 氏

栃木県済生会宇都宮病院 アドバイザリースタッフ・名誉院長

J-CLEAR評議員