IgA腎症における蛋白尿0.3g/日未満達成は腎予後とどう関連するか?

提供元:ケアネット

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公開日:2026/01/30

 

 第III相PROTECT試験において、IgA腎症に対するエンドセリン受容体・アンジオテンシン受容体デュアル拮抗薬sparsentanは、イルベサルタンと比較して蛋白尿を有意に減少させ、腎機能の維持に有効であることが報告されている。今回、PROTECT試験の事後解析の結果、割り付けられた治療薬にかかわらず蛋白尿0.3g/日未満の達成が推定糸球体濾過量(eGFR)低下抑制および腎不全イベント減少と関連することを、オランダ・フローニンゲン大学のHiddo J. L. Heerspink氏らによって報告された。Clinical Journal of the American Society of Nephrology誌オンライン版2025年12月22日号掲載の報告。

 PROTECT試験は18ヵ国134施設が参加した二重盲検無作為化実薬対照第III相試験で、参加者はsparsentan群またはイルベサルタン群に1対1に割り付けられた。本事後解析では、当初の治療薬の割り当てにかかわらず、36週時または110週時までのいずれかの時点で蛋白尿0.3g/日未満を達成した患者(CR群)と、CRを達成しなかった患者(非CR群)の腎機能を比較した。CRステータス別に評価したエンドポイントは、蛋白尿、eGFR、血圧の変化、eGFR低下率、腎不全の複合エンドポイント(eGFRの40%の低下、末期腎不全、全死因死亡)、安全性であった。

 主な結果は以下のとおり。

・解析対象404例のうち、43例(11%)が36週時までにCRを達成し、85例(21%)が110週時までにCRを達成した。
・CR群は非CR群と比較して、蛋白尿の減少がより大きく、より急速であった。
・CR群ではeGFRの絶対変化量が小さく、eGFRの低下速度も緩やかだった。
・腎不全の複合エンドポイントが発生した割合は、CR群のほうが非CR群よりも低かった(1%vs.14%)。
・CR群では低血圧(低血圧、起立性低血圧、収縮期血圧低下)に関連する試験治療下における有害事象(TEAE)の発現率が高く、高血圧に関連するTEAEの発現率は低かった。
・治療の中止は非CR群のほうが多かった。

 これらの結果より、研究グループは「PROTECT試験において36週時または110週時までにCRを達成した参加者は、CRを達成していない参加者と比較して、eGFRの維持率が高く、腎不全イベントが少なく、安全性プロファイルは同等であった。これらのデータは、蛋白尿を0.3g/日未満に維持するという推奨を裏付けるものであり、腎機能維持との関連性を強調している」とまとめた。

(ケアネット 森)