精神疾患と急性冠症候群との関連を評価したシステマティックレビューおよびメタ解析により、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、不安障害、睡眠障害、うつ病が急性冠症候群のリスク増加と関連し、PTSDと睡眠障害は睡眠の質が心血管疾患アウトカムに潜在的に関与する可能性があることが、カナダ・カルガリー大学のArnav Gupta氏らによって示された。JAMA Psychiatry誌オンライン版2026年1月14日号掲載の報告。
これまでの研究により、精神疾患は従来の心血管リスク因子と関連し、それらを介して急性冠症候群のリスクを高める可能性が示唆されているが、精神疾患ごとのリスクについては十分明らかにはなっていなかった。そこで研究グループは、精神疾患のない患者と比較して、精神疾患を有する患者における急性冠症候群との関連性を評価するためにシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。MEDLINE、EmbaseおよびPubMedを用いて、精神疾患と急性冠症候群との関連性を調査した観察研究またはランダム化試験を抽出した。データはランダム効果メタ解析で統合した。
主な結果は以下のとおり。
●25件の研究が包含基準を満たした。参加者は2,204万8,504例で、年齢中央値は48.0歳、男性は1,301万9,897例(59.1%)であった。
●PTSD、不安障害、睡眠障害、うつ病は急性冠症候群のリスク増加と関連していた。ハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)は以下のとおり。
・PTSD HR:2.73、95%CI:1.94~3.84、p<0.001、エビデンスの確実性:中
・不安障害 HR:1.63、95%CI:1.40~1.89、p<0.001、エビデンスの確実性:低
・睡眠障害 HR:1.60、95%CI:1.22~2.10、p<0.001、エビデンスの確実性:低
・うつ病 HR:1.40、95%CI:1.11~1.78、p=0.01、エビデンスの確実性:非常に低
●双極症および精神病性障害は、急性冠症候群のリスク増加との有意な関連は認められなかった。
・双極症 HR:1.48、95%CI:0.47~4.61、p=0.28、エビデンスの確実性:非常に低
・精神病性障害 HR:0.97、95%CI:0.01~178.30、p=0.06、エビデンスの確実性:非常に低
研究グループは「本システマティックレビューとメタ解析の結果は、うつ病、不安障害、PTSD、睡眠障害が急性冠症候群のリスク増加と関連していることを示唆している。とくに、PTSDと睡眠障害は急性冠症候群の重要なリスク因子として浮上し、睡眠の質が心血管疾患のアウトカムに潜在的に関与する可能性がある」とまとめた。
(ケアネット 森)