統合失調症スペクトラム症は、社会機能障害を引き起こす最も重篤な精神疾患の1つである。統合失調症スペクトラム症患者は再発しやすく、入院を必要とする患者では、より再発リスクが高いため、退院後の治療失敗を予防することが不可欠である。北里大学の斉藤 善貴氏らは、精神科入院による治療を行った統合失調症スペクトラム症患者における退院後の治療失敗に関連する因子を明らかにするため、レトロスペクティブ研究を実施した。PCN Reports誌2025年10月7日号の報告。
対象は、2014年1月〜2021年12月に北里大学病院および北里大学東病院の精神科に入院した統合失調症スペクトラム症およびその他の精神病性障害と診断された859例。治療失敗の定義は、退院後1年以内の外来治療中止、精神科入院、死亡とした。
主な結果は以下のとおり。
・治療失敗患者は、859例中201例(23.4%)であった。
・抗精神病薬多剤併用療法患者の治療失敗率は29.0%であり、多剤併用療法を行っていなかった患者と比較し、有意に高かった。
・さらに、入院中に自宅での外泊を試行した患者における治療失敗率は20.8%であり、試行しなかった患者と比較し、有意に低かった。
著者らは「統合失調症スペクトラム症患者において、退院時の抗精神病薬多剤併用は治療失敗と関連していた。さらに、入院中に自宅での試験的な外泊を行うことは、治療失敗の予防に寄与する可能性が示唆された」とし「統合失調症スペクトラム症患者の治療失敗を予防するには、退院後に焦点を当て、薬物療法の最適化と社会的・環境的調整の実施が必要である」と結論付けている。
(鷹野 敦夫)