双極症予防にメトホルミンが有効な可能性

提供元:ケアネット

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公開日:2025/11/26

 

 2型糖尿病治療薬であるメトホルミンは、メンタルヘルスに良い影響を与えることが示唆されている。中国・福建医科大学のZhitao Li氏らは、メトホルミン使用と双極症リスクとの間の潜在的な因果関係を評価するため、メンデルランダム化(MR)解析を実施した。Medicine誌2025年10月24日号の報告。

 メトホルミンに対する遺伝的感受性と双極症リスクとの間の因果関係を明らかにするため、公開されているゲノムワイド関連解析(GWAS)の統計データを用いて、2標本双方向MR解析を実施した。メトホルミン使用に関連するゲノムワイドの有意な一塩基多型(SNP)を操作変数とした。メトホルミン使用と双極症との間の因果関係を決定するため、操作変数重み付けなどの手法を用いてMR解析を行った。水平的多面発現の影響を検出および補正するために、加重中央値、加重モード、単純モード、MR-Egger回帰、MR-pleiotropy残差平方和および外れ値などの補完的な手法を適用した。操作変数の異質性の評価にはCochran Q統計量、感度分析にはleave-one-out法を用いた。

 主な内容は以下のとおり。

・操作変数重み付け分析では、メトホルミン使用と双極症リスクとの間に有意な因果関係が認められた。
【GWAS ID:ebi-a-GCST003724】オッズ比(OR):0.032、95%信頼区間(CI):0.002~0.593、p=0.021
【GWAS ID:ieu-a-800】OR:1.452E-04、95%CI:1.442E-07~1.463E-01、p=0.012
【GWAS ID:ieu-a-808】OR:0.33、95%CI:0.270~0.404、p=0.000
・感度分析では、個々の結果に異質性は認められず(p>0.05)、有意な出版バイアスも認められなかった。

 著者らは「この結果は、メトホルミンが双極症の予防因子となる可能性を示唆しており、精神疾患の予防と治療における代謝介入の応用に新たな理論的根拠を提供するものである」としている。

(鷹野 敦夫)