初回エピソード統合失調症患者における長時間作用型パリペリドンパルミチン酸の有効性と忍容性 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2019/03/21 クロアチア・Clinical Hospital Centre RijekaのDaniela Petric氏らは、思春期の初回エピソード統合失調症患者に対する長時間作用型パリペリドンパルミチン酸の有効性および忍容性について、経口抗精神病薬リスペリドンとの比較検討を行った。Journal of Child and Adolescent Psychopharmacology誌オンライン版2019年2月13日号の報告。 思春期の初回エピソード統合失調症患者を対象に、治療開始12ヵ月間におけるパリペリドンとリスペリドンの有効性および忍容性を比較するため、レトロスペクティブ研究が実施された。データには、一般的な人口統計学的特徴、入院回数、副作用および陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)、個人的・社会的機能遂行度尺度(PSP)、臨床全般印象度(CGI-I、CGI-S)、治療満足度アンケート(TSQM)の結果を含めた。 主な結果は以下のとおり。 ・12ヵ月の研究期間中、パリペリドン群およびリスペリドン群においてPANSS、PSP、CGI-I、CGI-Sの有意な改善が認められた。 ・パリペリドン群は、リスペリドン群と比較し、PANSS、CGI-S、PSPの有意な改善が認められた。 ・リスペリドン群は、パリペリドン群と比較し、入院回数が有意に多かった。 ・パリペリドン群のTSQMでは、便宜尺度、全体満足度、全体的な結果においてより高いスコアを達成したが、有効性尺度に差は認められなかった。 ・報告された副作用は、パリペリドン群で高プロラクチン血症5.5%、体重増加5.5%、リスペリドン群ではそれぞれ5.5%、16.7%であった。 著者らは「パリペリドンは、思春期の初回エピソード統合失調症患者に対し有効かつ安全な薬剤であると考えられる。さらに、リスペリドンと比較し、臨床反応、副作用、入院回数に対し好影響をもたらすであろう」としている。 ■関連記事 急性期統合失調症に対するパリペリドンの6週間オープン試験 パリペリドン持効性注射剤、国内市販後の死亡例分析結果 統合失調症におけるパリペリドンパルミチン酸とリスペリドンの持効性注射剤の比較 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Petric D, et al. J Child Adolesc Psychopharmacol. 2019 Feb 13. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 多枝病変のSTEMI、FFRガイド下完全血行再建か責任病変のみPCIか/NEJM(2024/04/19) ALK陽性非小細胞肺がんの術後補助療法、アレクチニブvs.化学療法/NEJM(2024/04/19) 慢性腎臓病の入院抑制を意図した電子記録+診療推進者介入の効果は証明されず(解説:浦信行氏)(2024/04/19) CPRはいつまで続けるべきか? In-Hospital CPA レジストリからの報告(解説:香坂俊氏)(2024/04/19) 進行肺がん、初診から治療までの待機期間が治療効果に影響/日本呼吸器学会(2024/04/19) 大腸がん患者の死亡リスクが高くなる超加工食品は?(2024/04/19) カルシウムとビタミンDの摂取は閉経後女性の全死亡リスクに影響せず(2024/04/19) 親を見れば自分の肥満リスクが分かる(2024/04/19) 特殊なMRIが治療抵抗性統合失調症の予測に有用か(2024/04/19) 日本における抗CGRP抗体の使用状況~日本頭痛学会会員オンライン調査(2024/04/19) [ あわせて読みたい ] Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20) シネマセラピー ~シネマにみるメンタルヘルス~(2013/04/26)