統合失調症におけるパリペリドンパルミチン酸とリスペリドンの持効性注射剤の比較 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/03/15 統合失調症患者の初回入院期間、再入院リスク、治療期間に関して、パリペリドンパルミチン酸(PP)またはリスペリドン持効性注射剤(RLAI)による治療の影響を、フランス・Corentin-Celton HospitalのFrederic Limosin氏らが、比較検討を行った。Journal of clinical psychopharmacology誌2018年2月号の報告。 初回入院時にPPまたはRLAI治療を開始した統合失調症患者を対象に、フランスの43施設で観察的レトロスペクティブコホート研究を実施した。フォローアップは、RLAI群では2012年9月より開始し(フォローアップ期間中央値:233日間)、PP群では2013年6月より開始した(フォローアップ期間中央値:259日間)。統計分析は、患者の特性を考慮して傾向スコア加重を用い、Cox回帰モデルに基づいて実施された。 主な結果は以下のとおり。 ・分析には、347例(PP群197例、RLAI群150例)が含まれた。 ・PP群は、RLAI群と比較し、精神疾患以外の合併症の併発、過去に抗精神病薬での治療歴、前年に精神科治療のための入院歴を有する傾向が有意に強かった。 ・初回入院時の在院期間は、両群間に統計学的な有意差は認められなかった(ハザード比:1.13、95%CI:0.97~1.31)。 ・PP群の1回目の再入院までの期間は、RLAI群と比較し同様であった(ハザード比:0.92、95%CI:0.65~1.30)。 著者らは「潜在的な統計力の欠如のため、PP群とRLAI群の間に、初回入院期間および再入院までの期間に関する有意な差は認められなかった。治療中止までの期間に関しては、PP群において良い傾向が認められたものの、この結果は、RLAIからPPへの切り替えが行われた患者において低下した」としている。 ■関連記事 統合失調症の再入院に対する抗精神病薬の比較 2つの抗精神病薬持効性注射剤、その違いを分析 パリペリドン持効性注射剤、国内市販後の死亡例分析結果 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Limosin F, et al. J Clin Psychopharmacol. 2018;38:19-26. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 統合失調症患者、合併症別の死亡率を調査 疫学(予後)(2013/09/02) 統合失調症患者の併存疾患~リアルワールドデータ分析 医療一般(2022/05/13) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 再発を伴わない二次性進行型多発性硬化症、tolebrutinibが障害進行リスク抑制/NEJM(2025/04/25) 米国出生率、中絶禁止導入州で上昇/JAMA(2025/04/25) 症状のない亜鉛欠乏症に注意、亜鉛欠乏症の診療指針改訂(2025/04/25) サブタイプ別転移乳がん患者の脳転移発生率、HER2低発現の影響は(2025/04/25) 2年間のフレマネズマブ治療の有効性および継続性〜国内単一施設観察研究(2025/04/25) 遺伝性アルツハイマーへのgantenerumab、発症リスク低下に有効か(2025/04/25) tenecteplase、脳梗塞治療でアルテプラーゼと同等の効果(2025/04/25) 低ホスファターゼ症の新たな歯科症状が明らかに―全国歯科調査(2025/04/25) [ あわせて読みたい ] エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24) あなたにとって、開業の「成功」「失敗」とは?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第42回(2022/08/09) 「後継者採用」という甘い誘いに乗ったら…【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第41回(2022/07/08) 「診療所、知人に売るから大丈夫」、それ本当に大丈夫??【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第40回(2022/06/06) Dr.金井のCTクイズ 初級編(2022/05/17)