SSRIナイーブのうつ病患者に対するセルトラリンの有効性に関するランダム化比較試験 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/10/30 キューバ・Centro Nacional Coordinador de Ensayos ClinicosのRoselin Valle-Cabrera氏らは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)ナイーブの大うつ病患者を対象に、セルトラリンとプラセボの有効性および安全性を評価する臨床試験を実施した。Journal of Clinical Psychopharmacology誌2018年10月号の報告。 10週間のランダム化多施設プラセボ対照二重盲検比較優越性試験を実施した。対象は、ハミルトンうつ病評価尺度17項目(HAMD-17)の合計スコア19~36点の成人うつ病患者。対象患者は、セルトラリン群39例またはプラセボ群38例にランダムに割り付けられた。各患者には、セルトラリン50mg/日またはプラセボを固定用量で4週間投与した。その後、必要に応じて、最大200mg/日まで用量調節を行った。主要有効性エンドポイントは、ベースライン時と比較した10週間後のHAMD-17スコア50%以上低下と定義した臨床反応とした。ベースラインからのHAMD-17スコア変化を、補助的分析として実施した。 主な結果は以下のとおり。 ・臨床反応は、セルトラリン群において良好であった(72% vs.32%、相対リスク:2.27、95%CI:1.37~3.78、p=0.0006)。 ・線形混合モデルでは、arm × time相互作用が有意であることが示唆された(尤度比カイ2乗統計量:7、自由度:48.42、p<0.0001)。 ・HAMD-17変化スコアは、8週目以降のセルトラリン群において良好であった。 ・セルトラリン群の主な有害事象は、頭痛、下痢、体重減少であった。 著者らは「本試験では、プラセボと比較したセルトラリンの効果発現は、通常よりも遅かった。この効果発現の遅れは、臨床試験中の医師と患者の密接な治療プロセスおよび新規治療による効果への期待によるものであると考えられる」としている。 ■関連記事 たった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能 うつ病の薬物治療、死亡リスクの高い薬剤は SSRI治療抵抗性うつ病、治療前に識別可能か:大分大 (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Valle-Cabrera R, et al. J Clin Psychopharmacol. 2018;38:454-459. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 SSRI、インスリン抵抗性から糖尿病への移行を加速! 疫学(危険因子)(2013/01/31) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 肥満手術、SADI-SはRYGBを凌駕するか/Lancet(2025/09/09) 9月20日・21日、産業保健の最新動向を学ぶ!日本産業保健法学会【ご案内】(2025/09/09) 心房細動と動脈硬化、MRIで異なる脳血管病変示す/ESC2025(2025/09/09) うつ病治療において有酸素運動と組み合わせるべき最適な治療は(2025/09/09) DPP-4阻害薬でコントロール不十分な2型糖尿病にイメグリミン追加が有効~FAMILIAR試験(2025/09/09) 高齢者への不適切処方で全死亡リスク1.3倍、処方漏れで1.8倍(2025/09/09) オメガ3脂肪酸が小児の近視抑制に有効?(2025/09/09) 厳格な血圧コントロールは心臓の健康だけでなく費用対効果も改善(2025/09/09) [ あわせて読みたい ] ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】(2019/06/15) Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療 (2016/03/07) 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12) 「てんかんと社会」国際シンポジウム(2013/09/24) 柏市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/24) 松戸市 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会(2013/06/20)