一般開業医でも不眠症治療を効果的に行うためには

睡眠障害は、一般的な問題であるが、一般開業医(GP)を受診した患者における睡眠障害の有病率に関する研究は限られている。既存の心理的、身体的疾患に併発する睡眠障害の有病率は、一般集団と比較し、高い可能性がある。ノルウェー・Haukeland University HospitalのBjorn Bjorvatn氏らは、GP患者における不眠症(DSM-IV基準)の有病率、睡眠薬の使用を推定し、有病率が性別や年齢に依存するかどうかを評価した。Family practice誌オンライン版2016年10月27日号の報告。
医学生66人より、学生生活最終年の一般的な実習としてGPにてアンケートデータを収集した。GPを受診した連続した非選択的な患者1,346例(回答率74%)は、Bergen Insomnia Scale(BIS)、睡眠障害に関する自己申告単一質問、睡眠薬の使用について回答した。
主な結果は以下のとおり。
・BISによる不眠症の有病率は、53.6%であった。
・単一質問に基づく睡眠障害は、自己申告で55.8%であり、18.0%は多い/非常に多いと回答していた。
・睡眠薬の使用は、16.2%で報告された(日常的に使用:5.5%)。
・不眠症および睡眠薬の使用は、男性よりも女性においてより多くみられた。
・睡眠薬の使用は年齢とともに増加したのに対し、不眠症の有病率は若年層で最も高かった。
著者らは「不眠症と睡眠薬の使用は、GP患者において頻繁に認められた。不眠症を効果的に治療できるよう、診断は高報酬が提示され、GPの診断評価や治療管理の重要さに対し、認識を高めるべきだ」としている。
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